9月8日(土)に行われた第92回天皇杯全日本サッカー選手権の第2回戦、コンサドーレ札幌は厚別公園競技場にてJFLのAC長野パルセイロを迎えました。長野はライセンス制度申請の関係で来季のJ2参入はほぼないとのことですが、それでも現在JFL首位、方や札幌はご存じの通りJ1最下位と、ある意味「限りなくJ2に近い」チーム同士の対決。それでも「腐ってもJ1」の貫禄を見せつける予定でしたが、前半8分にフリーキックを直接決められ失点すると、後半24分に上原のゴールで追いつくのが精一杯。延長戦では前半7分に相手に退場者が出て数的優位となったと思ったら、その後すぐにDF岡山一成が足を攣らせて退場(この時点で交代枠を使い切っていた)。結局1-1のまま120分終了となり、PK戦では3人目の内村が外して負けました。
試合は見てないのですが、見た人の話を聞く限りでは、天皇杯にありがちないわゆる「ジャイアントキリング」のパターン、つまり「数少ないチャンスからゴールを奪った格下チームが格上チームに圧倒的に攻めながらも全力で守りきる」ようなものではなく、前半早々に失点する、ろくに攻撃も出来ない、たまのチャンスでも決められないという、たとえJFL相手でも徹底して自分たちのサッカーを貫いて負けたようです。
それにしても札幌はJFL相手だとかなり相性悪いんですね。Jリーグに参入した1998年以降、札幌は今回の長野戦も含めて天皇杯でJFLのチームと4度対戦していますが、勝ったのはJFL時代のガイナーレ鳥取のみ。2005年に佐川急便東京SCと対戦し0-2で負け、2007年にTDK SCにPK戦で負けています。JFLって強いんだなぁ。
いやまぁね、正直なところ、もう残留なんて限りなく望みないわけじゃないですか。もちろんだからといってリーグ戦を捨てろと言いたいわけではないんですけど、よっぽどのことが起こらないと残留できないのなら、せめて天皇杯くらいではいいところ見せてもらいたいと思うわけじゃないですか。ところが現実はJFLにすら負けてしまうわけで、なんつーか高校入って下っ端扱いされ続けているので中学校に行ってOBヅラしようと思ったら現役に「先輩何しに来たんすか? 練習の邪魔なんですけど」みたいに言われちゃったみたいな感じですよね。まぁ今までの戦い方を見てれば充分に予想できる結果なので、驚きもありませんけどね。
さてそんなことはおいといて、その翌日は高円宮杯U-18のプレミアリーグ、浦和レッズユース対コンサドーレ札幌U-18の試合を観てきました。ユースの試合は去年のサンフレッチェ広島ユースとのチャンピオンシップ以来久しぶりです。会場はさいたま市にあるレッズランド。以前、まだ東農大のグラウンドだった時代に来たことがあったんですけど(新居がいた頃のJユースカップ)、何しろ10年以上前のことなので、どうやって行ったか、どのくらい時間がかかったのかかなりうろ覚え。改めて自宅から行く場合、どういうルートで行くのが楽なのか、何時に出ればいいのかを調査。うちからだと池袋から東上線で朝霞台もしくは志木のルートと、埼京線で南与野のルート、どちらも電車の乗替は1回で済みます。そのうち、バスの時間がちょうどよさげな南与野ルートを選択。最寄りのバス停(下大久保)へは計算上12:09到着です。レッズランドのサイトにはバス停からの所要時間は徒歩6分。交通事情で多少バスが遅れること、レッズランドの中に入ってから歩く(=その分余計に時間がかかる)ことを考慮しても、だいたい12:30くらいにはつける段取りです。最寄りのバス停からは、いつも通り方向音痴の強い味方・必殺GPSを駆使します。
てなわけで若干余裕を持って10:30くらいに練馬の自宅を出発。こういうアウェイの会場に行く際、最も怖いのが宗敵の妨害工作なんですが、早速池袋に着いた途端に「埼京線運転見合わせ」という妨害工作に遭遇。東上線ルートに変更しようか、それとも多少回り道でも山手線で田端まで行って京浜東北に乗り替えて浦和ルートにしようか、そんなことを考えているうちになんか動くっぽいのでそのままルート変更なし。結果的には「前の電車が遅れて乗るはずだった電車より速く出発」できました。その後は南与野までは順調。多少時間があったので南与野で昼食を済ませ、予定通りのバスで目的の停留所に降り立ちます。時刻は12:15。ここまでは想定通りです。
バス停を降りた俺の目にレッズランドへの案内板が飛び込んできましたが、そんなものですんなり行けるほど俺の方向音痴は甘くねえ。スマートフォンを取り出し、ナビソフトを起動。レッズランドは既に入力済だぜ。あとは現在地からのルートを表示するだけ。あたし完璧!
「現在位置の取得に失敗しました」
なんですと!?
何度やっても現在地を読み込めません。なんだよここ本当に日本かよ。ここに来て新たな妨害工作です。同じバスには何人かレッズランドに行くっぽい人たちがいたのですが、GPS取得に戸惑っている間に、皆さんの姿はそこになく、「知ってそうな人に付いていく」ことももはや叶わぬ夢。ナビ機能が使えなくても地図を表示することだけは出来ますけど、地図があればすんなり行けるほど俺の方向音痴は甘くねえ。それでも地図を頼りにレッズランドを目指して進む俺。10年前の記憶によれば土手だったはずですが、しかしいっこうに土手なんて見えません。そうこうしているうちに、目の前に「浦和西体育館」という建物が見つかりました。おお、ちょうどいい、GPSは取れなくてもここを地図の起点にすればルートが取れるはずだ。ということでついでに飲み物を補給し、ナビソフトで浦和西体育館を検索、すぐに見つかったのでここをスタート地点としてルート検索しました。
ええ、やっぱりあさっての方向に来てたみたいです。
ナビの示した道は、ホントに入っていいのか不安になる民家の横道だったりしたのですが、ひとまずその通りに行くと、ほどなくして見えてきた土手を上りきると…ありました、レッズランド。土手を降りて歩いて行くと、一番手前側の天然芝のグラウンドにサポーターの姿が見えました。どうやらここが会場のようです。この時点でキックオフ15分くらい前だったでしょうか。実のところ迷う時間も織り込んではいたんですが、まさかGPSが使えないとは思いも寄らなかったもので(再起動したら直った)…。後で聞いた話によると、12:10に南与野からレッズランド行きのシャトルバスが出てたそうで。それ乗ってりゃ迷わずに済んだのか…。全然完璧じゃありませんでした。
さて、ずいぶん前置きが長くなりましたが、昨年プレミアリーグEAST初代王者の原動力となったGON44を中心とするメンバーが卒業し、戦力ダウンは否めないながらも、それでも強豪ひしめくトップカテゴリでEASTの2位につける札幌。対する浦和は8位ながらも勝点自体は札幌とそう離れておらず、実際のところこの世代のこのレベルになると各チームともほとんど差がありません(まぁ旭川実業が草刈り場になっちゃってますが…)。事実、前半はほぼ圧倒的な浦和ペースで進みます。札幌は暑さのせいか動きが悪く、立ち上がりから不安定なDFラインを突かれ、次々といい形のシュートを許してしまいます。「完全にやられた」と直感したシュートが4本くらいあったのですが、いずれも枠を逸れていき事なきを得ます。浦和にとってはこの時間帯に点が取れなかったことが響きましたね。24分に中盤で奪ったボールを最後は浦和7番長谷くんが右足で決め先制しましたが、前半でもう1~2点はとっておくべき内容だったと思います。
後半、気温は相変わらず高いながらも風も出てきたことで多少はマシになったのか、札幌の動きが見違えるようになります。開始早々、左サイドを上がってきたMF濱下くんが切り返して右足で放ったシュートを相手GKがはじき、こぼれ球をFW下田くんが押し込み同点とすると、今度はほぼ札幌のペースとなります。その5分後にはMF中原くんのクロスを再び下田くんがドンピシャのヘディングシュートで逆転。その後も勢いに乗る札幌が押し気味に試合を進め、27分には交代出場のFW松尾くんが裏に抜け、かわされたGKがたまらず手で引っかけてしまいPKを獲得。これをこの日が誕生日のMF堀米主将が決めて追加点を奪いました。
2点のリードを得た札幌は、残りの時間1年生GK種村くんのビッグセーブなどで浦和の猛攻を凌ぎきり勝利。2位の座を死守しました。
今年のプレミアEASTは勝点10差で首位を独走するヴェルディが強すぎるのですけど、この世代は何が起こるかわかりませんからね。まだ直接対決も残っていますから、最後まで粘り強く戦って欲しいと思います。