2012年Jリーグディビジョン1第25節
柏レイソル 3-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/豆柴
柏/大谷、工藤、田中
日立台といえば、おそらくJリーグのホームスタジアムとしては1~2を争うほどの臨場感のあるスタジアムです。サッカー(球技専用)スタジアムをホームとして使用しているチームはJリーグでも決して少なくはありませんが、サッカー専用でもカシマや埼スタのような大規模な収容人数となると、(スタジアム全体の空気の密度はともかく)選手・ピッチとの距離としては関の場所によってはかなり遠くなってしまいますし、また日立台と同等規模のサッカー専用スタジアム(NACK5やフクダ電子アリーナ、アウスタなど)も、スタンドがピッチよりも2~3メートル以上高い位置にあります。見やすさという点ではそちらのほうがいいのですけど、臨場感はピッチレベルに近いほうが味わいやすいもの。そういう意味では日立台やジュビロ磐田のホーム・ヤマハなどはかなり理想的なスタジアムです。この機会を逃したらまた次いつ行けるかわからないし…もっとも、レイソルさんは割と突然向こうから訪ねてきてくれることもあるのですけど、少なくとも来年は対戦なさそうなので、ここは是非とも行こうと思ってたら、よりによって仕事が入ってしまいアウト。
しかし現地には間に合わないものの、ダッシュで帰ればキックオフギリギリか、少し過ぎたくらいには自宅に着きます。よし、帰ろう、と思った矢先にボスから「これからみんなでメシ行くんだけど、どう?」という誘いが。しかし腐ってもこちとらコンサドーレサポーター。試合を観ること以上に魅力的なのは娘(PVC製)とのデートだけだ、というわけで「いえ、自分は帰ります」と即答。オレかっけえ。
「そう? 焼き肉でも行こうかと」
グラっ。
見事に傾きかけたのは事実ですが、しかしやはりここはグッと我慢。なぜなら、後からだと試合を見る気がなくなるかも知れないからだ。なんでかっていうのは「お察しください」と言うほかないのですけど、そりゃあオレだってひいきチームの勝ちを見たい。しかし世の中は「重いの強さ」だけではどうにもならないことを、ハタチのオレは知っています。ただ、それでも焼き肉に取って代わるくらいのもの、具体的に言えば勝ちを見せてくれればそれでいい。そう、コンサドーレ札幌の勝利は、焼き肉より価値があるんです。勝ちこそ価値なのです。今オレうまいこと言った。そんな感じで颯爽と帰宅した時は19時15分くらい。スカパー!チューナーの電源オン! 昔の真空管テレビだとここからさらに数分待たされたものですがね。やや型式は古いとはいえうちのテレビもはいびじょん液晶テレビ。あっという間に映像が出るぜ!
もう失点しとるがな…(´・ω・`)
国産IPSパネル(日立製)に映し出されたのは、「柏1 - 0札幌」の無情な文字。なんですかこのいつものパターンは。
とりあえずメンバーを確認すると、FW内村、OMF古田、ハモン、純平、DMF河合、山本、DF日高、奈良、ジェファン、岩沼、GK高原。ジェイドノースがいない以外はほぼベストメンバーですね。ジェイドがスタメンじゃないのはオーストラリア代表でワールドカップの予選を戦ったばかりでコンディションが戻ってないのかと思っていましたが、怪我だったようですね。
そして、高原が度重なる手術と長い長いリハビリの末に1年9ヶ月ぶりに華麗に復活。まだ怪我前の感覚を取り戻すには時間がかかるかも知れませんが、またサッカーができるようになったというのは本人にとってもうれしいことでしょう。もっとも、怪我で何年も戦列を離れていたGKをいきなり使わなければいけないあたり、今の札幌のGK陣の状況を表しているような気がしますね。
で、試合なんですが。
結局のところ、こりゃもう付け焼き刃でどうにかなる問題でもないのだなぁと。今のままじゃダメなのはダメなのは確かなんですけど、どこか一箇所を変えれば大きく変わるってもんでもないんですよね。オレが目だけ整形したところでイケメンになれるわけではないように(´・ω・`)
自分自身はサッカーを本格的にやっていたわけではないですし、ただずっと前から見てたってだけなんですが、なんとなく試合の流れの中で「得点の匂い」ってのがわかるもんですよね。ああ、これはゴール決まりそうだな、というような。つってもそんなの別に対したことじゃなくて、要はゴール前で前を向いた選手にプレッシャーがかかってない状態とか、サイドで選手がどフリーでボールを持ったとか、そういう感じですね。フリーの時間が長ければ長いほどプレイの正確性は上がりますから、攻める側は出来る限りフリーの味方を作ることが重要になってきますし、守る側は出来る限り相手にフリーの時間を作らせないことが重要になるわけです。
そこを踏まえた上で、いずれの失点シーンも「相手をフリーにしすぎ」というのが最たる原因なわけで、もうシュートの1本前の段階で「あ、これヤバイ」とわかってしまうような感じでしたもんね。もちろん、そういう「ヤバイ」シーンが100%得点に繋がるわけではありませんけど、その回数が多ければ多いほど得点が生まれやすいのは確か。で、そんなシーンを1試合の間にたくさん作っちゃってるのですから、そりゃ3失点も4失点もするわけですよ。
その原因はまぁひとつじゃないのですけど、一番大きいのは「1対1で勝てない」ってことが大きいのかなぁと。もっと言うと「2対1でも勝てない」ということなんですけど。複数人で止めにいってボール回されればマークはずれていくわけで、ディフェンスが後手後手に回れば最終的にはどこかで相手を完璧にフリーにしてしまう…。そんな感じなんですね。じゃあそれをどうにかしようとしたら、結局は「1対1で勝てる選手を揃える」か、「常人の倍動いて負けてもリカバーする」くらいしかないわけです。シーズン当初は後者のほうをやってたんですけど、怪我人続出はそれと無関係ではないでしょうし、それを90分続けるのは難しいわけで、結局のところは「チーム力がアレ」ってことになってしまうわけですよ。残酷な現実ですね。残酷なのは天使のテーゼだけで充分なのに。
まぁなので、「普通にやって、普通に負けた」ということなんでしょう。正直、弱いのは確かでもこれだけの失点を喰らうほどの差があるとも思えないですし、この期に及んで「普通の試合をやっている」ことについては若干不満を覚えないわけでもないのですけど、笛吹けど踊らずとはこんな感じなんでしょうね。、榊翔太のJ1初ゴールだけが救いという試合でした。