2012年Jリーグディビジョン1第29節
コンサドーレ札幌 0-0 鹿島アントラーズ
得点者:札幌/
鹿島/
代表戦の関係でJ1は一週お休み。というわけで既に試合の時くらいしか更新されなくなった(試合があっても更新しない場合もないこともない)このサイトも当たり前のように更新間隔が開いたわけですが、気にしてはいけません。更新したつもりでいました。
ってなわけで、気を取り直してJ1再開。「さいかい」と打って普通に「最下位」が先に出てくる悲しみを堪えつつ、厚別最終戦を迎えます。相手は鹿島アントラーズ。今季鹿島とはナビスコカップとリーグ戦で既に2度対戦しておりますが、ナビスコカップ(第3節)では1-2とスコア的には惜敗ながらも、鹿島に35本ものシュートを浴びてJリーグ新記録の担い手となり、リーグ戦(第12節)では0-7という大虐殺を喰らったのは記憶に新しいというか、忘れたいのに忘れられないあの試合。0-4程度なら見慣れた光景でしたけど、0-6あたりになってくるとまさに「もうやめて! コンサドーレのライフはゼロよ!」という趣で、もうそろそろ勘弁してあげたらどうかな? という意味では昨今のまいんちゃんにも通じるものがあった試合でした。
早々に降格が決定したものの、その分札幌はいつまでも「数字上の可能性」に引きずられることなく一足早く来季への準備ができるわけで、この試合も思い切った布陣で臨みました。前節同様基本布陣は3バックですが、この試合は奈良が前節通算4枚目のイエローカードを受けて出場停止。のため、その代わりに今季初めて河合主将がDFラインに入りました。河合がDFに入ったことで空いた中盤には復帰したばかりの芳賀が入り、1トップには大島秀夫が入りました。
対する鹿島は現在13位。勝点は38ありますので、例年通りであればおそらくあと1つ2つ勝てれば降格することはないはずなのですが、下のチームがここ最近は案外に負けていないことから、残留のハードルはもう少し上がる可能性もあり、まだまだ予断を許さない状況です。既に弱さの殿堂入りが確定しているコンサドーレを相手に負けることはもちろん、引き分けすら許されない試合でした。
しかし、9月は異常なほど暑かった札幌も10月に入ったらそんなことはなかったかのようにいつもの通りの季節を取り戻したらしく、この試合の前日には市内にある手稲山で初冠雪を記録するなど、急速に冬の到来が近づいてきています。そろそろ雪虫も飛び始める頃合いの札幌で、16:00キックオフというのはそうでなくても寒いのに、しかも場所は風の強い厚別。そして天気は雨。某ラノベ風に言うなら「誰かが商売繁盛の判じ物を気象を変える呪文と勘違いしたんじゃないだろうな」という感じに微妙に暑い日が続く関東地方からやってきた西大伍以外の鹿島の選手には異世界にも思えたことでしょう。ちなみに、雪虫というのは内地の人にはあまりなじみがないと思いますが、「トドノネオオワタムシ」というアブラムシ科の羽虫の俗称で、身体に綿のような白い分泌物を纏っているのが特徴です。その分泌物が雪のように見えること、また晩秋から初冬に大量に発生し、それから数週間後くらいに初雪が観測されることから「雪虫」と呼ばれているのです。
見てる分にはふわふわとロマンチックなのですが、飛んでる高さがちょうど人の目線くらいのところなので、中を突っ切ると大量に身体にくっつきます(口の中に入ることもある)。しかも大変に熱に弱いそうで、服についた雪虫を取ろうと(つぶさないようにそっと)指でつまんだだけでも、人の体温で死んでしまったりします。そうでなくてもオスの寿命は一週間、メスも卵を生んだら死んでしまう、とてもはかない虫です。J1に上がっただけで死んでしまったコンサドーレ札幌のようですね!
加えて、9月の猛暑で厚別の芝もかなり痛んでおり、雨が降ってぬかるんでいたこともあって、ピッチコンディションもかなり悪かったもようで、この辺のコンディションが7点分の差を埋めたのかも知れません。
とはいえ、札幌に得点の気配がほとんどなかったのに対し、それでも鹿島は惜しいチャンスが何度もあり、0-0で終わらせられたのはひとえにGK高原寿康のおかげであるといっても過言ではないでしょう。特に前半の意味不明なペナルティキックを止めたのは大きかったと思います。後半にもビッグセーブがいくつもありましたし、いい飛び出しでピンチを未然に防いだシーンもありました。ボールが行ってもこっちがドキドキしないキーパーっていいものですね。もちろん獅子奮迅の活躍を見せた河合主将や、ちょっと厳しい退場ではあったものの鹿島のFW相手に競り負けなかったクッシー、トドのようなディフェンスを繰り出してた宮澤ら守備陣の頑張りがあってこそではありますが。
反面、攻撃についてはやはりというかあまり見るべきところはなし。浦和戦で大活躍だった古田もこの日はプレイの選択肢が常にダメなほうを選んでしまい、不完全燃焼な感じ。大島も雨が降って錆びたのか持ち味を発揮できず、ヤスも調子は良くなさそうでしたね。クッシーが退場しなければハモンを入れるという手もあったのでしょうけど、あの状況じゃしかたないと思います。テレも何しに出てきたかわかりませんでしたね。やっぱり来年に向けて考えないといけないのは「どうやってボールを前に運ぶか」ということでしょうかね。簡単にできれば苦労しませんけど。