コンサドーレのニュースではありませんが、コンサドーレサポーターとして触れておかなければならないことがありましたので更新します。かつてコンサドーレ札幌に所属し、昨季は水戸ホーリーホックに所属していた「コータ」ことFW吉原宏太選手が、現役を引退することを発表しました。
吉原選手は大阪府出身、初芝橋本高校から1996年に当時設立したばかりのコンサドーレ札幌に加入しました。札幌では1年目から開幕戦でスターティングメンバーで出場し、チーム初ゴールを含む2得点を挙げ勝利に貢献。その後も順調に得点を重ね、その甘いマスクも相まって人気・実力ともにチームの顔となりました。その後1999年まで札幌でプレイして2000年にガンバ大阪へ移籍、そのあたりの詳しい流れは以前書いた別館の【スター列伝】吉原宏太をご覧いただきたいと思いますが(つーかオレもこれを参考にしてこの記事書いてますけど)、ガンバ大阪では2005年までプレイし、2006年に大宮アルディージャに移籍、2009年には水戸ホーリーホックに移籍して活躍しましたが、2010年にアキレス腱を断裂、その後も怪我に泣かされ2012年に水戸を退団。(主に札幌サポーターを中心に)去就が注目されていましたが、自身の誕生日のこの日にTwitterで引退の発表を行いました。
コータが札幌にいたのは1996年から1999年までの4シーズンだけでしたが、そのわずかな間に彼にはずいぶんいろいろなことを教えてもらった気がします。生え抜きエースがいる喜び、それを応援する楽しさ、ひいきチームの選手が日本代表に選ばれるうれしさ、ひいきチームの選手がいる代表の試合がいかに面白いか…。そして、そういったポジティブなことだけでなく、誰よりも大事な選手がチームを去ることの悲しさ、「選手は移籍するもの」という当たり前の事実、選手を買い叩かれる苦さも、彼が教えてくれたことです。特に彼がガンバに移籍したときの流れは、
1年目:ガンバへレンタル移籍→レンタル料は播戸竜二のレンタル料で相殺
2年目:半額の移籍金でガンバへ完全移籍→播戸はレンタル継続(移籍金はレンタル料で目減り)
3年目:播戸がレンタル元へ返却→\(^o^)/
というもので、最終的にコンサドーレに残った「財産」はほとんどありませんでした。今でこそ、選手が引き抜かれてもサポーターの大半が「高く売れるならOK」という感じですが、それもこの時の苦い経験があるからに他ならないですし、Jリーグにおけるコンサドーレ札幌というチームの「立場」も、サポーターが思っているほどに高くはなかったことを思い知ったからです。恥ずかしながら、それまでは「主力選手は移籍しないもの」なんて、何の根拠もなしに漠然と思っていましたからね。それまでのJリーグもそうでしたし、プロ野球だって主力の移籍なんてそれこそ天地がひっくり返るほどのニュースでしたから。
まぁそんなわけで、札幌のサポーターに酸いも甘いも教えてくれたのがこの選手でした。まぁいろいろ教わりすぎて今では「チームを出て行く悲しさは1年あればだいたい忘れる」くらいにすっかり訓練されてしまいました。まぁこういうのについて行けるサポーターだけが残った、という考え方もできるのですが。
ともあれ、吉原選手お疲れさまでした。ところで、札幌の15番が空くと思いますよ?