2013年J2第5節
アビスパ福岡 0-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/宮澤
福岡/なし
松本山雅FCにホームで手痛い逆転負けをくらった札幌は、アビスパ福岡とのアウェイゲームを迎えます。福岡とは2年ほど入れ違いのシーズンが続いたため、3シーズンぶりの対決。とはいえ、開幕前の2月24日にはテストマッチで対決しており、この時はテレ、マエシュンのPKで札幌が2対1で競り勝っています。
以前も書いたかもしれませんが、福岡は札幌と非常に似たもの同士のチームです。というか札幌が福岡の後追いをしている、というのは良く言われることで、福岡(当時は福岡ブルックス)誕生の翌年に札幌が誕生して以来、福岡が昇格した翌年に札幌が昇格したり、福岡が最速で降格した翌年に札幌がそれを上回る速さで降格したり、福岡が「オール九州」を打ち出した翌年に札幌が北海道路線を打ち出したりと、別に意識してるわけではないでしょうけど似たようなことをしています。チームを取り巻く環境なんかも似たような感じですね。財政的に苦しいところとか、地元のタクシーの運ちゃんは野球の話しかしないところとか。ちなみに、昨季の順位は2チームとも仲良く18位でした。
予算がない中でスロベニア人のマリヤン・プシュニク監督を新しく迎え、ピンポイントで補強を行った福岡は、開幕2連勝と好スタートを切ったものの、その後2連敗。この試合に負けると3連敗で黒星が先行してしまいます。既に3連敗を喫してしまい、これ以上連敗したくない札幌と、「どっちが黒くて丸いのを並べられるかデスマッチ」となりました。
札幌のスターティングメンバーは、GK杉山、DFは右からソンジン、櫛引、奈良、松本、ダブルボランチに河合と深井、両サイドに岡本と古田、トップ下に宮澤、ワントップに前田という布陣です。前節から上里が外れて古田が入っていますが、今の上里を外す理由が見当たらないので、ケガか何かでしょうかね。
試合はどちらかといえば福岡のペース。開始早々に左からクロスを上げられ、城後のヘディングシュートがクロスバーを叩くというピンチを迎えます。とはいえ、ここ最近は「相手のシュートがクロスバーは吉兆」という説を提唱している自分としては、むしろ幸先のいいスタートとも言えます。なお、自分のチームのクロスバーは凶兆であることはいうまでもない。
札幌は9分にカウンターからマエシュンのミドルシュートのこぼれ球をヤスが叩き込みましたが、これはオフサイドの判定でノーゴール。それ以外ではどうにもピリッとしません。上里の不在が影響したこともあるでしょうが、中盤でのボールの収まりどころがないために全体的な押し上げが遅く、なかなかゴール前までボールを運べません。
守備でも中盤が間延びしている影響か今までの試合よりはあまり機能しているとは言いがたく、さらに悪いことに前半15分過ぎに右サイドバックのチョソンジンが左足を痛めてしまい、18分に上原と交代。ここができるのは上原しかいないのでこの交代は妥当だと思いますが、いずれにしてもこの時間で交代カードを1枚使わなければいけないのは痛手です。ただ上原が絡むようになったぶん攻撃については右サイドからそこそこ見せ場を作るようにはなりましたが、シュートまで持って行けることはほとんどなく、前半に打ったシュートはわずか1本だけ。かといって福岡のほうもいまいちな感じで、福岡のシュートも4本、そのうち少なくとも3本は枠外という低調な内容。最大の見所と言えば、ボールを奪われたマエシュンが何を思ったか猛然と後ろから追いかけ、見事なスライディングタックルで相手からボールを奪い取ったシーンくらいです。
札幌はどうにも靴下が左右で違うようなちぐはぐさでしたので、いつもであれば後半頭から1人変えてもおかしくないくらいですが、既に前半で1人交代させているので、後半も前半と同じメンバーでスタート。ただハーフタイムである程度意識を合わせることができたのか、後半は割と札幌ペースで試合が進みます。開始直後に宮澤のパスに抜け出した古田が左足でシュートを放ちますが、これは枠外。その後も立て続けにチャンスを作りますが、得点ならず。既にマエシュンは疲れてきています。
10分を過ぎて立て続けに交代カードを切ってきた福岡に押され始めます。財前監督も20分に福岡が速くも最後の交代を行ったと同時に2枚目のカードを切り、ヤスに替えて内村を投入。ヤスがちょっと持ちすぎなところがあったので、もっとシンプルに裏を狙おうという意図なのかも知れません。なお、この時点でマエシュンはだいぶ魂が抜けかけていました。
さらに27分にはいまいち調子の良くない古田に代えて砂川を投入。この采配がぴたりと当たりました。28分、入ったばかりの砂さんが左サイドでボールを受けると、得意の切り返しで相手を翻弄し、右足でクロスを上げると、ゴール前に走り込んでいた「右サイドバックの」上原がドンピシャでボレー。このシュートはいったんGK神山にセーブされますが、こぼれ球を拾った宮澤が落ち着いて叩き込み、札幌が先制しました。ちなみにこのゴールが札幌のリーグ戦通算900点目だったそうです。
松本戦では先制してから意思の統一をしきれず、集中を欠いてわずか2分間で逆転されてしまいましたが、さすがに2試合続けて同じ失敗は繰り返してはいけません。まずは守備の意識をはっきりとして、隙あらばカウンターというのが定石でしょう。幸い、前線には元気はうっちーがいます。マエシュンは疲れてますけど。と思ったら、その5分後にDF奈良が、ファウルの際に相手がセットしたボールを蹴ってしまい、イエローカードを受けてしまいます。既に1枚もらっていた奈良はこれで退場。これはちょっと擁護できませんね。「イエロー覚悟でファウルしてでも止めなければ相手にビッグチャンスを与える」ような状況ならまだしも、本当にいらないカードでしたから。そうでなくても既に交代枠を使い切っていて、リードはわずか1点、しかもマエシュン疲れ切っているのに。
それでも札幌は複数ポジションをこなせる選手が多いのが強み。センターバックに河合主将が下がり、宮澤がボランチに下がることで数的不利に対応。福岡のシュートミスにも助けられ増したが、マエシュンも頑張って虎の子の1点を守りきることに成功。連敗を3でストップさせました。
あと深井くんはやっぱりいろいろおかしかったです。