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2013年4月25日

初引き分け

2013年J2第10節
V・ファーレン長崎 0-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/なし
     長崎/なし

 4月の3連戦最終日となる第10節、コンサドーレ札幌はV・ファーレン長崎との対戦です。昨季JFLで優勝を果たし今季からJリーグに参入した長崎は、2005年に誕生した比較的新しいチームですが、当初から長崎出身の高木琢也氏をテクニカルアドバイザーとして迎え、また地元長崎の強豪校である国見高校で長く監督を務めた名古…いや小嶺忠敏氏が運営に関わるなど、地元色の強いチーム作りをしています。長崎出身の選手は今のところ少ないですけど。
 高木琢也氏を監督に迎え、Jリーグ初挑戦となる今季、初年度のチームはだいたいJ2の壁に阻まれることが多いものでして、長崎も開幕3戦で1分2敗と、ご多分に漏れず苦しいシーズンになると思われましたが、その後は前節まで6試合でなんと5勝1分という快進撃を見せ、順位を一気に3位にまで上げています。なんでしょうかね。おどおどしてた地味なメガネ女子に突然神さまが憑依してうんたらみたいな展開です。CVは早見沙織で。
 アウェイ連戦となる札幌は、前節鳥取戦の後は札幌に戻らず、大阪でミニキャンプを張ってこの試合に臨んでいます。今季初の連勝を果たして勝点6を上積みしましたが、順位はまだ14位。とはいえ今のところJ2はだんご状態が続いており、4位のファジアーノ岡山とは勝点3しか離れていませんから、現時点で順位を気にする必要はさほどなさそうです。つっても、栃木SC戦とか松本山雅戦とかファジアーノ岡山戦とか、内容的に勝点を取っていればいけない試合を落としているのがもったいないですよね。3試合とも引き分けだったとしても、札幌が4位にいれたはずなんですから。もっとも、その際はこの試合が「長崎対札幌の上位対決!」なんて言われてたかもしれず、それはそれでコレジャナイ感が半端ないわけですけど。

 札幌のメンバーは、サイドバックの上原がチョソンジンに変わった以外は前節と同じ。ソンジンとの入れ替えが右の小山内ではなく左の上原だったというのはちょっと意外ですね。まぁ実際小山内くんは試合に出ながら成長して行っているのがわかるので、今はそれに水を差したくないというのがあるのかもしれません。ONE PIECEマニアの日高がようやく戦列に復帰出来たとはいえ、サイドバックの人材が多いに越したことはないですしね。個人的には和波さん的無謀さを秘めた上原のサイドバックも好きなのですけど。

 さて試合。開始からJの先輩として格の違いを見せつけるべく、長崎に激しいプレスをかける札幌。しかし連戦の疲れかそれももったのはほんの数分くらいで、10分を過ぎた頃には早くも相手に主導権を握られ始めます。ヤンキー漫画なら「センパイ、思ったより大したことないッスね。もっと『厳しさ』ってのを俺に教えてくださいよ」みたいに言われているような展開。相手の攻撃のスピードも遅いことが多かったこともあって守備自体はそんなに危ないと思われるシーンは多くなかったのですが、攻撃のほうは25分に小山内が深くえぐって上げたクロスから宮澤がニアサイドで合わせたシーンが惜しかったくらいで(あれを決められる選手なら今頃札幌にはいない)、あんまり得点の予感はしませんでした。まぁ、やっぱりお疲れなんでしょうね。

 そして後半、あまり内容の良くない中追い打ちをかけるように、プレイ中に膝を痛めてしまったらしいパウロンが交代を余儀なくされます。相も変わらず変態的な身体能力で相手の攻撃を文字通り跳ね返し、ファンタジックなプレイで一部観客を魅了していたセンターバックの負傷という事態に、財前監督はベンチ入りしていたセンターバックの奈良竜樹ではなく、サイドバックの上原慎也を投入。左サイドバックに入っていたチョソンジンをセンターバックにスライドさせました。確かにソンジンはもともとセンターバックの選手だとはいえ、ここまで実戦でセンターバックに入ったことのない選手をいきなり試合で試すのはリスクが大きいんじゃないかとは思いましたけど、ソンジン自身も不慣れな左に入っていたこともあってあまり目立ってはいませんから、パウロンの負傷への対応とサイドバックのテコ入れを同時にやったということなんでしょうね。全体的にどの選手も疲労で動きが重かったですから、交代の選択肢は多いに越したことはありませんし。
 J2はだいたい「終盤になるにつれ両チームとも疲れてきてノーガードの殴り合いになる」のがおおよそのパターンですが、さすがに8日間で3試合めとあって、後半から早くも殴り合いの様相を見せてきます。ただ殴り合いといえば通常はお互いボコボコになるイメージですけど、この場合は攻撃側も疲れているので、シュートに行くまでにミスでチャンスを潰すか、シュートにいっても枠を捉えられなかったりで、どっちかといえば空振りとか手打ちパンチとかでお互いダメージを与えられないといったところです。さらに試合も終盤になってくるとますますその傾向がはっきりしてきて、既に足を止めての打ち合いみたいな感じ。キャットファイトというよりかは、小学生が泣きながらぐるんぐるん腕を振り回してケンカしてる感じ。
 こうなると戦術とかへったくれもなくて、勝ったモン勝ちというか負けたモン負けというか、とにかく相手よりも多くゴールを入れたほうが勝ち、みたいなある意味サッカーの原理みたいなものすら見えてくる気もしますが、そのゴールにボールを入れるってことすら難しい(要するにゴールが入らない)のは原理ではないような気もするので、難しいところですね。そんな感じでお互いに攻め込むシーンこそ多いもののあんまり惜しいシーンというのは決して多くなくて、札幌で惜しかったのってマエシュンのシュートくらいでしたね。これも相手GK金山にうまくセーブされちゃいましたけど。

 そんなわけで試合はそのままスコアレスドローで決着したのですが、アウェイ連戦を含めた3連戦を2勝1分というのは決して悪くはない成績だと思います…というか、この試合ひとつ見てもどっちかといえば押されていた内容だったので、悪いなりにも勝点を得ることが出来た(10試合目にして初引き分け)わけですから、勝点1は上出来とも言える結果ですね。

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