2013年J2第9節
ガイナーレ鳥取 0-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/砂川、岡本
鳥取/なし
今季初めての平日ナイトゲームは、ガイナーレ鳥取とのアウェイ戦です。前節から中2日でのアウェイゲームとなると移動負担が大変ですが、クラブにとってはお客さんが入りにくい平日ナイトゲームは、アウェイでやってもらったほうが営業的には楽というのが正直なところかもしれません。ちなみに今季3試合ある平日ナイトゲームのうち、コンサドーレ札幌はこの鳥取戦を含めた2試合がアウェイゲームです。
鳥取との対戦はここまでのところ2011年の1シーズンのみで1勝1敗ですが、シーズン後半になって快進撃を続けていた札幌がまさかの3連敗となり、途端に昇格の行方が怪しくなったのがこのバードスタジアムでの鳥取戦でした(ハメドのゴールで0-1)。ご存じの通り最終的に札幌は最終戦で劇的な昇格を果たしたので、今となってはたまの失敗はスパイス的なエピソードのひとつでしかありませんし、まぁ翌年の惨劇に比べればこの鳥取戦での敗北のガッカリ感なんて屁でもなかったのですが、いずれにしてもあまりいい印象のない場所です。なんだよバードスタジアムって。鳥取だから鳥か。鳥ならいいってもんじゃないだろうというわけのわからない絡み方をするくらいにはいい印象がありません。鳥は好きです。
2011年からJリーグに参入した鳥取は、初年度19位(20チーム中)、昨季は20位(同22チーム)とJリーグの壁に当たっている状況ですが、今季はここまで2勝2敗4分と好調。栃木SCやジェフユナイテッド市原・千葉といった格上のチームと引き分けており、力をつけているのは間違いなさそうです。ただ補強をレンタルに頼らざるを得ない(昔の某チームのような)強化方針を採らざるを得ないのがつらいところでしょうけどね。
前節徳島ヴォルティス戦で連敗脱出した札幌は、今季初めての連勝を狙いますが、アビスパ福岡戦で負傷交代したチョソンジンがようやく復帰してベンチ入りしたものの、前節太ももを痛めて負傷交代した河合主将が診断の結果肉離れで全治約2ヶ月の重傷であることが判明。長期離脱を余儀なくされました。その他はなかなか噛み合ってこないテレがベンチに下がり、代わりに岡本賢明がスタメン入り。要するに徳島戦の後半と同じメンバーですね。そして控えにはルーキー神田夢実と中原彰吾の2人が入りました。中原くんは初のベンチ入りです。
試合はどちらかといえば札幌のペースで進みます。ここ数試合に比べれば割とボールが回るようになっています。もちろんこういうのは相手との力関係もあるので、単純に比較が出来るわけではありませんし、そこまでシュートチャンスが多いわけではなかったのですけど、少なくとも「試合でこのくらいはできる」というのがわかるのは大きな自信にもなりますし、あとはその精度をどれだけ高めていくかということを考えればいいのですからね。ただし、ボールを回せば勝てるというわけではないのがサッカーですから、問題はこれまでもそうだったように、いい流れの時にきっちりと点を取れるようにできるかどうか。そんな心配を払拭したのは、ベテランの右足でした。前半20分、左サイドの相手ペナルティエリア手前で得た直接フリーキックを、砂さんがなんと直接決めてゴール。普段砂さんのフリーキックは壁当て(伝統芸能)か、そうじゃなければ惜しい弾道で上に外れてえびぞり(無形文化財)かどっちかのため、一番驚いたのはサポーターではないかと思います。ちなみに、コンサドーレの選手が直接フリーキック決めたのって、2010年の最終節の砂さん自身のゴール以来ですかね?
そして、そのびっくりゴールの興奮もまださめやらぬ24分には、右サイドから砂さんが上げたクロスボールを宮澤裕樹が完璧なボールコントロールを見せます。いやほんとにびっくりするほど完璧なトラップだったのですが、肝心のシュートをミスって相手DFに当ててしまいます。ただ、相手守備陣もそこまでできてなんで肝心のシュートがショボいのかとびっくりしたんでしょうね。怒った状況を理解できずに凍り付く鳥取DFを後目にそのボールに鋭く反応したヤスが蹴り込んで追加点をゲットします。わずか5分で2点のリードを得て、前半はこのまま終了。
余裕を持って試合を進めることが出来るようになった札幌は、後半頭から宮澤に代えてマエシュンを投入。戦術的な理由で宮澤を交代させるメリットはないと思いますので、ケガでなければ連戦の疲労を考慮した上での交代でしょうかね。
そういった連戦のことを考えれば、後半早い時間で1点を取ってダメ押しができれば、もう少し余裕を持って試合が進められたと思うんですけどね。精神的な余裕があるのとないのとでは体力的な部分も変わってくると思うので。今のところはまだそういうところまでには至っていないという感じでしょうか。
そんなわけで後半は全体的には余り見るところがなく、見所と言えば深井くんのおかしさくらいだったんですが、この日の深井くんはプレイよりも髪の毛がおかしかったです。だってね、普通、髪の毛って濡れたらしなるじゃないですか。ペタってなるじゃないですか。この日の鳥取地方は雨模様で、割とみんな濡れてたんですが、杉山さんもマエシュンもヤスもみんなペタってたのに、なぜか深井くんだけむしろ尖ってましてね。なんかムラサキウニみたいになってましたね。これヘディング争ったら相手流血ですよね。凶器認定されかねない有様でした。
そしてもう一つ見所は後半32分に砂さんとの交代で投入されたプロ初出場の中原くん。財前監督としては既にリーグ戦で試合出場している神田くんよりも中原くんの経験を積ませるほうを優先したのでしょう。札幌の選手もだいぶ疲れていたため、あまり彼にボールが回ってくる機会は多くなかったのですが、それでも後半38分にはドリブルで持ち上がり、鳥取DFが誰もクリアに行こうとしない不思議なスルーパスを出すなど見せ場は作りました。パスを受けた上原がきっちり決めていればもっとよかったんですけどね。上原も頭で打てば良かったのに。
その後はちょっと怪しいシーンこそあったものの、2点のリードを守り切った札幌が勝利。週中のアウェイゲームということを考えれば上々の試合で今季初の連勝をものにしました。