3連敗で迎えた名古屋とのアウェイゲームに臨んだコンサドーレ札幌。システムを3-5-2に戻して日本人と宇宙人だけで臨んだ試合は、ディフェンスは幾分良くはなったものの、前半は危ないシーンもいくつか作られた上に全然攻められないいつものアウェイゲームのパターンでした。
ところが、生中継の予定だったBSでは直前の仙台×神戸戦が延長に突入し、なおかつ沖縄での地震で宮古島・八重山に津波警報が発令された影響で中継が一時中断、実質中継開始となったという後半は見違えるような内容で3点を奪取。守備陣も無失点と踏ん張り0-3の快勝と、いわゆるテレビ馬みたいなところを見せました。
コレまでまったく勝てないことに常に申し訳なさそうにしていた板長が、ダメ押しの3点目を決めてよっぽど嬉しかったのか、一目散にサポーター席に駆け寄ってきてイエローをもらってしまうというシーンも発生(あとでビデオを見てみたらそれを見ていた山瀬がすげえハラハラした顔をしていたのが印象的でした)。まぁ仕方がないっちゃあ仕方ないんですけど、やっぱりああいうのにカードって野暮ですよね。ヨーロッパでは、今ではユニフォームを脱いだり看板越えしてもあまりにも過剰じゃなければカードの対象にはならないみたいですし。
そんなわけで、試合中はほとんどすることのなかった哲さんですが、一つだけ強調したいのは、名古屋の状態が札幌以上に深刻だったとはいえ、今まで勝とうが負けようがショボショボの内容が多かったアウェイゲームにおいて、結果だけでなく内容もホームチームを凌駕した試合を見られたのは、オーストラリアでの体力強化特訓もわりかし効果が現れ始めているんじゃないかということです。もちろんシステムが元に戻ったことにより選手が迷いなく出来た、劣勢だった前半も相手の揺さぶりがそれほどキツくなかったため無駄な体力を消費せずに済んだという要因もあるでしょうけど、和波が90分走っていたのにはビックリしましたよ。
しかしあとで気になったんですが、1点目のオウンゴールのシーン、結果オーライではありますけど「ファーサイドに誰も走り込んでいなかった」のはちょっといただけませんね。
同じような形から得点したシーンとして、昨年7月14日のアビスパ福岡戦(博多の森)の俺王様の先取点が挙げられます。あの時は、バンバンがポストになって相手の裏に落としたボールに和波が追いつき、同じようにグラウンダーのクロスを上げました。このクロスに対して山瀬がニアサイドに走り込んだものの、触ることが出来ずにボールは流れていってしまいました。しかし、ちゃっかりファーサイドに待ちかまえていたどフリーの俺王様が左足で合わせてゴールを決めています。また、2000年10月29日の大宮アルディージャ戦(厚別)でも、相手DFから無理矢理ボールを奪い取った俺王子がグラウンダーのクロスを上げ、ニアサイドに走っていた優津樹は見事に空振りましたが、ファーに走り込んだバンバンがプッシュしてゴールを挙げています。
翻って今回のシーン、小島のスライディングは若干遅れ、伸ばそうとした足はボールに届いていませんでした。運良く名古屋DF大森の足に当たってコースが変わり、楢崎も反応できずにゴールに入りましたが、もしあれが相手にも当たらなければボールは逆サイドまで流れてしまうというとっても残念な結果になったはずです。「ジェットストリームアタック」は3人揃ってこそです。踏み台にされて終わってはいけません。
俺王様とは違い、小倉はどちらかといえば周囲を使うタイプのプレイヤーですし、「放っておいてもなんか知らんけど点取ってる」という絶対的なセンターフォワードがいない以上、この辺の約束事というか鉄則がきっちり出来てないと、この先も厳しいような気もします。ロブの確変でも起きれば別ですが。
まぁその他にもいろいろ気になったことはありますが、なんにせよとりあえず1つ勝てたことですしコレでいい方向に向かうことが出来ればいいですね。というわけで、前半を見ることが出来なかったテレビ観戦組の皆様のために、市原臨海で俺王様が決めたものすげえボレーに萌えつつ前半部分を重点的にフィーチャーした名古屋戦観戦記。