コンサドーレの御殿場キャンプも最終日。イバンチェビッチ監督が就任し、チーム作りは順調なのか? 新助っ人のジャディウソン、バーヤックはどれほどのものなのか? 彼らが合流して果たしてチームはどれだけ変わったのか? などなどいろいろと気になることは多いのですが、いずれにしても実際に見てみないことにはなんとも言えません。というわけで、本日川崎フロンターレとの練習試合が予定されているということで、ゴール裏メイトの車に便乗させてもらって御殿場まで行って参りました。
御殿場に着いたのがキックオフ40分ほど前。お互い勝敗は度外視のテストマッチですし、相手の川崎は黄川田賢司や伊藤優津樹らの元札幌選手が在籍しているチームですから、お互いのチームを立てるために「札幌のジャージを着て首からは川崎のタオルマフラー」というイタい出で立ちでグラウンド脇を歩いていると、突然グラウンドの中からオレに向かって「おはようございます」という声が。一般人立ち入り禁止のハズのグラウンドの「中」から?
声の主は川崎の石崎監督でした。直々にお声をいただけるとは本当にいい人ですノブリン。つうかコンサドーレサポーターですいません。コウモリさんといいますか、むしろあしゅら男爵です。
札幌がキャンプを行っている時之栖には、宮の沢のグラウンドのようにレストランに隣接したスタンド付きの(といっても芝生席でベンチはありませんが)メインのグラウンドがあるのですが、そこは現在芝の張り替え作業中ということで、試合はもう少し山の中に入ったところにある、四方をネットで囲まれているだけのただのグラウンドで行われました。もちろんグラウンドは一般人は立ち入り禁止で、久しぶりに再会したゴール裏メイトを始めとした観客はネットの外から中を見ていたわけですが、キックオフ近くなってくると一見して札幌の関係者でも川崎の関係者でもない紺色のジャージを着た人たちが続々と中に入って行きます。どっかで見たような顔だなぁ…って、よく見なくたってバロンじゃん。ツビタノビッチもいるし。
そう、同じ時の栖でキャンプ中の清水エスパルスの皆さんです。続いて澤登やゼムノビッチ監督、バビチ・ブランココーチもやってきて、ネットを隔てて我々の前に清水の一団が腰を下ろしました。
今年のJ1リーグではまだ札幌と対戦していない清水が、監督が代わった札幌の様子を偵察しに来たのでしょう。清水の監督コーチ選手たちは、鋭い視線をピッチに投げかけ…ることなくすっかりリラックス観戦ムード。中には御殿場名物ブルーベリーヨーグルト喰ってるヤツもいるし。何しに来たんですかあなた達は。
そんなこんなで試合は始まりましたが、やはりというかなんというかいまいちぴりっとしない内容。どのくらいぴりっとしないかというと、お集まり頂いた清水の皆さんが、開始20分ほどで澤登ら5人が退散し、前半が終了するとさらに半分くらいが消えたほど。
後半はバーヤックがどフリーでダイレクトシュートを狙いすましてボテボテのゴロを打ったり、フリーキックを蹴った板長がボールを蹴るやいなや「ゴメン!」と叫ぶ(そしてボールはあさっての方向へ)などネタ的には笑えるシーンは続出しましたが、選手入れ替えモードだったこともあり、細かいミスの目立つ大味な展開に。後半途中からはようやく「King of Sapporo」新居も出場しましたが、何しろボールが回ってこないのではどうしようもありません。後半35分くらいにゴール前でのクリアミスをかっさらわれて伊藤宏樹にゴールを決められ、そのまま0-1でタイムアップ。
というわけで新助っ人の2人ですが、まずジャジィは「当たり」。彼のドリブルはちょっとやそっとでは止められず、セットプレイでも精度の高いキックを見せていました。ただ、自陣の危険なエリアでもいきなりドリブルを始める辺りは、「シャア専用平間」という感じ。バーヤックについてはまだフィットしてないのか、似たようなタイプのオグと併用しているせいか、いまいち存在感が感じられず。ちょっと評価は保留したいところです。
全体の印象としては、これまでと比べて守備に関しては若干の改善が見られるものの、攻撃のほうはいまいち。イバンチェが来てから一週間では無理もありませんが、まだパターンが出来ていないようです。ボランチに入った山瀬はまだ動きをよくわかっていないのか消えている時間が長く、現時点ではジャジィのドリブル突破だけが「何かが起こりそうな予感」をさせる程度で、時間はもう少しかかりそうな感じです。
まぁいずれにしても御殿場合宿は今日で終わり、TBSで素人っぽさを全国のお茶の間にアッピールした山瀬を除いてチームは北海道に帰りました。Jリーグ再開まであと3週間。何とかチーム状態が上向くといいですね。