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2002年10月 8日

ユースに専用練習場

 Jリーグ規約第19条には、Jリーグのクラブはユースチームを持つことが義務づけられています。ユースチームというのは言うまでもなくそのクラブの下部組織であり、各クラブはそこに選手を集め、一貫した強化によって将来トップチームで活躍できる選手を育てていきます。いわゆる「葵の上計画」です。
 しかし、よく自前の選手を育成することは身の丈経営をするためと言う方もいますが、それはちょっと違います。なぜなら、下部組織から選手を一人前に育てるためにはものすごいオカネと時間がかかってしまうからです。HFCから発表されている決算報告書によれば、平成13年度のユースがらみの予算は1億1千万円強、そして平成14年度が約1億5千万円弱となっています。1億もあれば優秀な助っ人選手1人は借りてこられる金額ですが、それだけの予算をかけても、現在札幌のユースからの昇格選手はご存じの通りわずかに2人のみ。そのうち一期生の遠国信也は結局リーグ戦では出番がないまま退団し、2人目の新居辰基もデビュー戦で初ゴールは挙げましたが、その後ポジションを掴むまでには至っていません(なぜだ!)。どこのチームも似たり寄ったりでしょうが、かけた投資が必ずしも回収できるわけではないのが実情なのです。
 しかし、外国人助っ人を初めとしたレンタル選手に頼る「その年暮らし」のチーム編成がどういった結果を残すかは、今年でサポーターの皆さんも骨身に染みておわかりのことでしょう。ユースが強化され、コンスタントに有望な選手を輩出できるようになれば、レンタル選手に頼らない地に足のついたチームを作ることが出来るようになるのです。まぁ結果的にはそれがクラブの経営安定にも繋がりますから、「身の丈経営のため」というのも間違いというわけではないのですが、そのためにはユースへの投資は多いに越したことはありません。

 さて前置きが長くなりましたが、HFCもそんなことはよくわかっているようで、来季はユース専用の練習場を作る計画があるそうです。本日の道新スポォツによると、これまでユースチームは栗山町のレオスパークや月寒のエアウォーターグラウンドを使用していましたが、栗山が札幌から遠いこと(ちょっと前まではU-18の選手は栗山高校へ入学し、寮生活を送っていたそうで)、エアウォーターのグラウンド状態が良くないことなどから、札幌市東区の東雁来町にある土地区画整理事業の札幌市所有の土地をHFCが借り上げグラウンドを整備し、約1億円をかけて人工芝と土のグラウンド2面、照明設備などを作るとのことです。
 天然芝のグラウンドでないのが残念ですが、天然芝は維持費用がかかりますし、降雪量の多い札幌では宮の沢のような融雪設備がなければ使えない期間が長いため、将来的な課題として見送られたようですね。まぁ一気に豪華設備を整えるのは不可能でしょうし、今のところはユース専用のグラウンドが出来たということだけでも大きな進歩と捉えるべきでしょう。
 ところで、同紙によるとこのグラウンドが出来る場所は豊平川沿いの土地だそうです。川沿いで思い出すのが湘南ベルマーレの練習場である大神グラウンドですが、同グラウンドのようにサッカーボールが年にいくつも川に飲まれていくような場所なのでしょうか。1個1万5千円もするサッカーボールが川に飛び込んで「トヨちゃん」なんて名前を付けられるなんてことはないでしょうね?

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