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2002年10月 6日

楽しいサッカー

 そんなわけで低迷中のチーム同士の対決となった第7節の清水戦。内容はまぁ両チームともさすがに低迷中そのまんまを表しており、清水のサッカーも褒められたものでは決してなかったのですが、それ以上に札幌が酷かった、これに尽きるでしょう。なすすべなく、という言い方がぴったり来るような試合っぷりで、怒りのあまりもうブーイングする気すら起きませんでした。
 というわけで、今日はそんなすさんだ心を癒しに、横浜F・マリノスの練習場までBチームの練習試合・正式名称「新居祭り」を見に行って参りました。

 新宿から湘南新宿ライナーで一路東戸塚へ。駅に降りた途端にゴール裏メイトと遭遇したのですが、そのゴール裏メイトから「ユースから鈴木智樹、吉田一貴、斎藤来の3人が来ているらしい」というナイスな情報が。智樹に関しては何度かここでも取り上げているので多くは語りませんが、吉田一貴(かずき)くんは DFの選手、斎藤来(らい)くんはU-15日本代表の経験もある右サイドのMFです。智樹と一貴は高校2年生で、来に至ってはまだ高校1年生です。将来のトップチーム昇格が期待されるユース選手の参加に俄然萌え度の高まるオレ。
 しかし、前半はやはりというか何というかユースの3人はもちろん新居も出場せず、もう1人見るのを楽しみにしていた吉瀬はケガでもしているのか姿がありません。GKいのっち、3バックが左から森くん、先生、吉川、ダブルボランチにらっきょと松川、左サイドジャジ、右サイド西田、トップ下コマネチ、2トップがゴリとバッキーというメンバー。だいたい1.5軍くらいのメンツでしょうか。対戦するF・マリノスのサテライトですが、ご存じの通りこのチームは安永や石川、田原、数馬、田中隼磨、木島、大橋、井手口といった若手選手を続々とレンタルに出しており、「つうか、メンツ組めるの?」などと話していたのですが、予想通りメンバーが足りないらしく、こちらもユース所属選手の顔もちらほら見えるメンバー構成です。
 開始早々にゴリが先制したものの、その後は急造チームに近い若者たちを相手に全然いいところナシ。昨日のトップチームほどではないにせよ全然声が出ておらず、聞こえるのはいつものようにいのっちの甲高い声のみ。ジャジは練習試合なんてかったるいのか5割くらいの出来だし、バッキーはまったくシュートを打たないし、平間はさすがにこのメンバーではブイブイ言わせられるのですが、磐田戦のような「改」までは至らず。らっきょが2点目を取ったものの、「ほとんどのメンバーが当日朝に羽田着」という遠征疲れを割り引いたとしても良くも悪くも予想通りの試合展開で、もしかしたら出るかもと思っていたF・マリノスユースの山瀬幸宏くんもどうやらケガをしているようで、ずっとランニングの別メニュー調整。その後F・マリノスが1点を返しますが、両チームともこれといった見所もなく前半は2-1で終了。

 さて、いよいよ後半ゴリと交代でKing of Sapporo新居がピッチに登場し、正真正銘の「新居祭り」が開始。ただし他の後半からのメンバーはいのっちが阿部に変わっただけで、残念ながらユースの選手たちはまだ登場せず。
 というわけで後半は、平間が角度のないところから豪快に決めた辺りでお役ご免となり、平間、松川、ジャジ、バッキー、西田の5人が一気にアウト、替わって相川、田澤とユース3人組が入っていよいよ真打ちとなります。ディフェンスラインは右に一貴が入り、森くんがスイーパー、左が先生という3バック、らっきょと智樹のダブルボランチ、サイドは斎藤来が右で吉川が左サイド、そして田澤、新居、相川の3トップというトリにふさわしい布陣となりました。
 ようやくケガから復活した相川ですが、相変わらず泥臭くゴールに向かう姿勢が全面に出ていて好印象。そしてやはり智樹がいい。弱冠17歳ながら存在感抜群です。特にかつてユースのチームメイトとして全日本クラブユース準優勝を飾った新居との萌え萌えホットラインはいいコンビを見せています。さらにはそこに相川と来が加わりチャンスを作り出すという至福の瞬間もあり、前半とはうって変わって個人的な見所満載。もう1人のユース選手の一貴は、入ってすぐに最終ラインでの1対1のディフェンス時にうっかりスライディングをしてしまい、そのまま交わされ失点してからは浮き足立ってしまい持ち味はあまり出せず。ただでさえ緊張していた中で自分のミスから失点してしまったわけですから、舞い上がってしまうのもムリもないことですが。その姿を見た先生が、森くんに「ちゃんとコーチングしろ!」みたいなことを言っていたのですが、寡黙な森くんにはムリな注文だと思います。それはいいんですけど先生、副審にマイボールをアッピールしている間に抜かれたのはオモシロすぎでした。
 そしてついにこの日最大の見所がやってきました。森くんが最終ラインから蹴ったロングボールに新居が反応、相手DFとの競り合いとなりますが、なぜか相手のDFがGKと交錯してボールは新居のもとへ転がり、そのまま身体ごとゴール。ものすごく嘘くさい1人アトランタな得点に一同大爆笑。やはり新居辰基という男、ニヤニヤしながらピッチをうろうろしているだけかと思っていたらなんか気が付いたら点を獲っています。つうかマジで嘘くさいゴールですが、1点は1点です。要は相手ゴールにボールを入れればいいのです。
 その後田澤が得点を決めたものの、お粗末な守備で相手にも追加点を献上して、最終的なスコアは5-3で札幌が勝利となりましたが、もはやそんなことはどうでもいい我々には微々たる問題です。やっぱおもしれえわ、サッカーって。

 さて、張監督になってから始まった競争意識を高める目的の「AチームとBチームの差別化」は、それ自体はいいことだと思うのですが、それならばAとBの入れ替えを頻繁に行わなければその意味がまったくないと思うのですよ。結果出しても挙げてくれないならBの選手は腐る一方ですし、下からの突き上げがなければAの選手にも危機感は生まれないですからね。
 それはまぁともかくとして、オレ自身は目論見通り怒りの種をキレイさっぱりなくすことには成功しただけでなく、観戦記を書く気力も沸きましたので、今日のところは満足です。

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