監督に必要なものはなんでしょうか。まずしっかりした理論を持ち、それを選手に納得させ、実行させるだけの実績あるいは説得力を持ち、もちろん人の上に立つべき器であることあたりが監督に望まれる資質でしょうか。もちろんそれさえ満たしてさえいれば常に成功を収められるとは限りませんが、世界的に見ても「名将」と呼ばれる監督はほぼ例外なく前述の条件を満たしていると言えるでしょう。
しかし、コンサドーレ札幌の監督になるためにはそれとは全く関係ない資質が必要となってきます。そう、それはジャージです。ご存じの通り2000年の「ジャージスト・オブ・ザ・イヤー」に輝いた(選定:オレ)岡田武史元監督以来、3人の監督が私の上を通り過ぎていきましたが、そのいずれもがジャージでした。オレも「着やすい、動きやすい」というジャージこそ正当なノーマルスーツであると主張したいわけですが、鹿島でも名古屋でもセレッソでも一貫してスーツで指揮を執り続けたジョアンがジャージを着てくれるとは思えませんでした。
ところが、本日のスポォツ報知の道内面で、2001年からの練習着スポンサーである札幌セミナーの奥山義則社長と会談したジョアン・カルロス・トシキ監督が、「チームの意向なら喜んで」とジャージ姿で采配することを明言したそうです。確かに札幌セミナーさんにとっては、ピッチ上の選手の次に中継カメラに映りやすい監督が自社のロゴの入ったジャージを着てくれたほうが宣伝効果は高くなってありがたいのは当然とはいえ、てっきりジョアンはスーツを着るモンだと勝手に思っていたオレはそのあっさりさ加減に拍子抜けしてしまいました。世の中ゼニを出しているやつが一番強いという見本ですね。
というわけで、3月15日の札幌ドームでは、Jリーグ屈指の監督であるジョアン・カルロス・トシキといえどもやっぱりただのオヤジだったという実感を覚えることでしょう。采配よりもその着こなしに注目です。