噂になっていたモンテディオ山形のMF大塚真司選手の獲得が発表されました。「J1の控えでなくJ2のレギュラークラスを狙う」という札幌の今オフの補強の「目玉」でもあったのがこの大塚の獲得でしたから、サポーターもここ最近は製薬とか商会とか愛とか家具とか寧々とか美容整形とか各「大塚」にすら反応しまくりというような感じだったわけですが、何しろこの大塚はJ2屈指のボランチといわれる選手だけあって、他のチームも放っておくはずもなく、札幌の他にもJ1を戦う京都パープルサンガやベガルタ仙台からもオファーがあるといわれておりました。他チームとの競合になった場合、札幌のようなローカル貧乏チームはどうしても不利です。実際オファーが競合した選手にフラれたり、ほぼ札幌に決まりかけていた選手が最後の最後で他のチームに行ってしまったという話は枚挙にいとまがありませんから、今回の大塚も半分あきらめていた方が多いと思われます(オレもそうでした)。ところが、「お金がなければ知恵を出せばいいじゃない」とばかりに、札幌はどうやら大塚に対して複数年契約の提示。まんまとひっかかっ…いや最大限の評価に意気を感じた大塚が、最終的に札幌入りを決めた格好です。
というわけで、まだストライカーの補強がどうなってるのは不明ですが、この大塚の獲得によってまずは今オフの補強策は一通り順調であると言っていいでしょうか。京都のように2チーム分編成出来るような財力を持たない札幌にとって、来季48試合を戦い抜くために「複数ポジションをこなせる選手」に狙いを定めてきたこれまでの補強は、今のところ一定の評価が出来るものではありました。しかし、全体的に若いチームである札幌にとって、その上でもどうしても足りなかったパーツ、それが「経験豊富なベテランボランチ」でした。
とはいえ、選手としても大塚はタイトなマークが売りで、加えて自分も動きながら周りも動かせますから、智樹や金子や上里、また移籍してきた芳賀も含めてどちらかといえば攻撃に特化したボランチの多い札幌にとっては、うってつけの選手であることは間違いないのですけど、ディフェンシブなボランチというだけであればタバタンでもよかったはずです。それがなぜタバタンではなく大塚なのか。プレイヤーとしての能力は別としても、大塚にあってタバタンになかったもの。それは単純な試合経験だけでなく、「昇格争いの経験」なんじゃないかと思うのです。
「昇格」が少しずつ見えてきた今季の第3クール以降、重要な試合を落としたり勝ちきれない試合が続いたのも、「これから」というところで主力にケガが相次いだ面もあるとはいえ、ひとえに経験不足という側面があったことは無視出来ません。「昇格」を現実目標とし、また世間からも昇格候補のひとつとして数えられるであろう来季は、今季の第3クール以降に受けたプレッシャーを開幕から受けるわけです。とはいえ、札幌のレギュラークラスの選手はコンサドーレがキャリアのスタートだったり、あるいはJ1チームの控えだった選手ばかりですから、経験なんてものはそう簡単に得られるものではありません。であれば、外部から持ってくるしかないわけです。「持ってないなら輸入しろ」というまさに日本型貿易政策。そういった意味で、1999年に川崎フロンターレで昇格経験を持ち、以後大宮アルディージャや山形といった昇格争いをしてきたチームでレギュラークラスとして活躍してきた大塚は、まさにうってつけであると言えるでしょう。昇格争いとは何か、昇格するチームに求められるものは何かを知っている上に、プレイ面でも頼れるベテラン、それが大塚なのだと思います。ガンダムで言えばランバ・ラル大尉でしょうか。願わくば孤立無援でゲリラ戦を挑まなければいけないような状況にはならないようお願いしたいものです。
コメント (1)
どっちかと言うと、昇格争いでは達成感より絶望感を
味わっている選手なのですが<大塚
*97年 川崎の一員として札幌戦2試合で伝説の
逆転負けを体験。東京ガスに及ばずJFL3位に。
*98年 説明不要の「神を見た夜」を体験。
*01~03年 大宮で安定した成績を残すも昇格に
届かず。
*04年 「勝てば入れ替え戦」の福岡戦に敗れ4位。
逆に言えば「そろそろ報われてもいい選手」だとも思う
ので、南九州3県キャンプで質を見極めてきますわ。
人吉市民のためにあるような日程ですし♪<3県すべて
高速で1時間半の地点
>孤立無援でゲリラ戦
その方がサポも喜びます<おい
投稿者: あきの@人吉在住 | 2005年12月29日 10:11
日時: 2005年12月29日 10:11