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2006年6月 1日

勝つのは簡単なことじゃない

 2006年のJ2リーグも第18節を終了。全52節の約3分の1を終えたことになりますが、ここまでのところコンサドーレの成績は5勝8敗3分の10位。第9節の湘南戦で4-1と大勝を飾った以降は8試合勝利がなく、なかなか波に乗れない状態が続いています。昇格を目標とするチームとしてはちょっと情けない成績と言わざるを得ません。まぁ今まで何度も書いているとおりシュート数の多さ、被シュート数の少なさを見ても、戦い方自体は間違っていないと言えると思います。まぁ欲を言えばフリーランニングが足りないとかもっとガツガツ行くべきだとか注文はないわけではないのですけど、今のところはデータとしては悪くありません。それにもかかわらずこんな成績に甘んじているその最大の原因は、やはり決定力不足と守備陣の脆さに尽きると思います。
 ここでもう一度前節終了時点までのデータを具体的な数字で見ると、札幌のシュート数は230本でこれはリーグ最多ですが、得点はリーグ8位の19点。決定率はわずか8.3%で、これは愛媛FCの7.8%、横浜FCの7.9%に次いで3番目に低い数字です。逆に被シュート数は138本でリーグ最少なのに、失点は24点で下から5番目。被決定率は17.4%で堂々のワースト1位です。つまりこれはどういうことかというと、札幌というチームは1点を取るために13本のシュートを打たなければいけないのに、1点を取られるにはわずか6本のシュートでOKということ。これでは勝てるはずもありません。横浜FCのように攻撃力の貧弱さは札幌以上でも、その代わりに1点を取られるには57本ものシュートが必要な鉄壁の守備陣を持っていたり、ヴェルディのように守備力はたいしたことがなくても、数少ないチャンスをキッチリ決められる攻撃陣を持っていれば上位に名を連ねることが出来るのですけど、今の札幌はそのどちらもありません。ブロックも壊せず火も出せない上、当たれば即死のチビマリオみたいなものです。ガンダムで言えば、マゼラアタック。

 ただ逆に言えば、もう少し決定力を上げ、もう少し守備が固くなれば充分巻き返しは可能とも言えます。その施策として一番手っ取り早いのはやっぱり補強なんですが、ここまで試合を見てて思うのは、攻撃についてはフッキは確かに能力は高いが出場停止が多くてあまり当てにならないのが実情。まぁこの辺りは徐々に改善してきてはいますが、フッキがちゃんと試合に出れるようになったとしても、問題は相方です。相川は好不調の波が大きすぎるし、元気は最近良くなってきてはいるけどやはりシュートは枠に飛ばないし、清野はシュートはうまいけどそもそも見えないし、謙伍はバランスの取れたストライカーですがまだまだパワーが足りません。また、守備陣にしても高さはあるがポカの多いソダン、攻撃力とカバーリングには定評があるがポカの多い池内、スピードがありタックルもうまいがポカの多いカガケン、同じくスピードがあって戦術眼には長けているがポカの多い和波、高さもスピードもそれなりにあるけどやっぱりポカの多い千葉と、とにかく愉快な人材が揃っています。ここまでケガや出場停止があったにせよ、ほぼメンバーが固まっている中盤と比較して、FWとDFのメンツはめまぐるしく変わっていることからも、みんな一長一短がありすぎて軸となる選手がいないことがわかります。もっとも、そもそもその猫の目オーダーが連携面に影響を及ぼしているという背景もあるでしょうけど、試合によっては連携どころか「混ぜるな危険」という組み合わせになってしまったこともありますしね。
 そんなわけですので、前節の柏戦の試合後に、城福強化部長が補強の可能性に触れたという記事が新聞に載っていましたけど、横でそのコメントを聞いていた自分の印象としては、どっちかというと補強の可能性は薄そうだと感じました。強化部長のコメントの大筋は「監督とも『ここにもう1人選手がいればいいな』という話をすることはあるし、いい選手が獲れそうであれば獲りに行くけど、それよりも先に誰かがミスをしたらみんなミスをし始める状態をなんとかしないといけない」というものでした。確かに柏戦でもそれまでは割といい感じで守っていたのにカガケンのミスをきっかけにソダンや千葉が立て続けにミスをしましたし、6失点を喰らった神戸戦でも似たような感じでしたから、そんなところに似たようなレベルの選手を1人2人入れたところで、状況が劇的に改善するとも思えません。高いレベルでバランスの取れた選手が来れば話は別ですけど、そんな選手はそもそも札幌には来てくれません。よっぽど北海道が好きだとか、弱みを握られてるとか、大泉洋が好きだとか、KOTOKOのラジオが聴きたくて辛抱たまらんとかならともかく、それくらいのレベルの選手であればとっくにJ1の強豪でレギュラーになってるはず。それなら名塚コーチの現役復帰のほうがよっぽど現実味があるってなもんです。もちろん補強できればそれに越したことはないですし、城福さんの言うとおりいい選手が獲れれば獲るべきだと思いますけど、「補強すれば万事解決」という問題でもないでしょう。補強するにせよしないにせよ、このままでいいわけはありませんから、今の選手たちもしっかりキノコを食ったり花を取ったり星を取ったりしてレベルアップしてください。今いる選手たちには、札幌でプレイすることを望みながらもチームを去らざるを得なかった選手たちのぶんまで頑張る必要があるのですよ?

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コメント (3)

仮に「星」を取ったところで強化されるのは短期的・・・・

・・・含蓄あるお言葉でございます。
柏戦前半のような、「あと一歩」の労を厭わないサッカーをして欲しいですね。
あの試合ではサポも一息ついたところをやられましたが、
今後はそんな隙を見せないように頑張りたいと思います。

赤誠:

 聞くところによると、コンサドーレの選手は極度のトレーニング嫌いだとか。
 誰でもトレーニングは嫌いでしょうけど、それにしても嫌いすぎるそうです。
 この辺からも意欲が湧かないというかなんというか。。。コンディションに波があったり、集中力も欠けるのではないでしょうか。常日頃の練習から貪欲に練習して欲しいと思います。
 
 

マゼラアタックならマゼラトップになってまだがんばれるけど、ぶっちゃけうちの選手はドップ並の気が......
そろそろ強く育っているかもしれない、吉瀬とか上田とかシンガポールから呼び戻しますか? で、ソダンをシンガポール送り。そっちの方が守備陣の安定というか不安定の除去とかかの選手の精神修行とかオフィシャルブログのネタとか的によさそうな気がしますが。

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