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2006年7月13日

まとめてドン

2006年Jリーグディビジョン2第27節
コンサドーレ札幌2-1柏レイソル
得点者:札幌/謙伍、フッキ
     柏/小林亮

 柏戦に触れる前に愛媛戦の試合を見た感想を少し。なんといいますか、一言でいえば「The J2」という試合でしたね。両チームとも相手のミスでボールを取るのはいいけど、逆にオノレのミスでボールを渡してしまうという展開が多く、まぁサッカーはミスのスポォツですし、守備におけるプレスの第一目的は、「ボールを奪う」ことではなく「相手のミスを誘う」ことですから、そういう意味ではあるべき姿とも言えなくもないのですけど、そんなダメ攻守の切り替えばっかりだとこっちも困ってしまうわけで。まぁそんなダメな試合でもきっちり勝点3を取ったことは評価しなければいけないとは思いますけど、逆に言えば勝点3を取ったこと以外は評価に苦しむ試合ではありましたね。
 それにしても愛媛のGK川本は散々でしたね。2点目の謙伍のゴールはノーチャンスだったと思いますが、フッキの先制ゴールの時もスナマコの3点目もちょっとお粗末なセービングではありましたし、その他にも「思い切り飛び出して空振り」という往年のいのっちを見るようなびっくりどっきりプレイもありました。初めての札幌ドームで距離感が掴めなかったんでしょうかね。そういう意味では、結果論ではありますけど控えの羽田は清水エスパルス時代に札幌ドームを経験しているんで、羽田を使ってもよかったんじゃないかと思います。まぁ、経験があると言ってもアダウトにあり得ないゴールを決められた上に俺王様に軽くあしらわれ、岳也にVゴールを決められた試合なんで、イヤな経験かもしれませんが。

 さて話は柏戦。柏戦と言えば、ほとんどの方が思い出すのが、日立台での「ものすごい表情で迫ってくる柳想鐵のツラ」…ではなく、やっぱり函館でのアレでしょう。そう、絶不調に加えて助っ人ブラジル人を丸ごと欠いた柏を相手にフッキのゴールで先制、しかもセットプレイでの得点源である岡山も負傷退場というかなりの追い風が札幌に吹いていたにもかかわらず、自らのミスで逆転負け。柏を蘇生させただけでなく、李忠成というストライカーまで覚醒させてしまった上、そこから怒濤の無勝地獄にはまったのはご存じの通りです。今回の試合に勝利してあのイヤな記憶を払拭したいという期待と、またあの試合の繰り返しになるんじゃないかという不安の両方があったんじゃないかと思います。イヤな記憶というのは忘れたくても忘れられないもんですからね。函館のアレなんてトラウマ度で言えば「日本昔ばなし」の「牛鬼淵」くらいのレベルですよ。誰もわかんねぇか。
 そんな中でも、札幌の選手はご丁寧に「前半の10分以内に先制」という見事なトレースを見せてくれるのだからタチが悪い。こっちはいつ同点にされて逆転されるかとハラハラなわけですよ。それでまたご丁寧にちゃんと追いつかれてくれるのですからまた困ったもので。ただ、あの時と違って追いつかれたのがけっこう早い時間だったから、逆にそれがよかったのかもしれないですけどね。追加点を奪うための時間はたっぷり残されていたわけですし、時間帯としても「振り出しに戻った」と切り替えるのがまだ容易でしたから。なので、前半の終了間際にPKをゲットして突き放しに成功したのは、かなり大きかったですね。「次の1点」がどちらに入るかで試合展開が大きく変わってくるのですから、その1点を札幌が取ったというのは、チームはもちろん、サポーターにとってもあのトラウマを払拭する大きな材料となったわけです。
 でも、ご丁寧にフッキが退場してくれちゃうんですけどね。まぁあのジャッジについてはオレも疑問を持たざるを得ないというか、正直かわいそすぎると思いましたけど、とにかく結果として柏にとってもっとも危険な男がピッチからいなくなった、ということはある程度の失点リスクが軽減された上で反撃できるのですから、あのトラウマが再び頭をもたげてくるのも無理はありません。ただ、今回はリードした上でのビハインドでしたからね。点を取れなくても点を取られなければOKと開き直ることが出来たんでしょうね。まぁ開き直ろうが直らまいが失点するときはさくっと失点していた札幌が、柏の怒濤の攻撃を凌ぎきることが出来たのは、以前よりは集中できるようになったということでしょうかね。ちょこちょこと穴っぽいシーンはあったんですけどね。その辺りは「石崎監督は厚別では勝てないジンクス」が作用したのかもしれません。

 ちなみに愛媛戦では、「カズゥ」こと上里一将がほぼ1年ぶりの復帰を果たしました。まだまだ本調子には遠いかもしれませんが、コンディションさえ上がってくれば大きな戦力アップになると思います。また、西澤画伯ももうすぐ復帰予定。こちらもコンディションの問題はあるでしょうが、ポカは少なくないものの、顔色ひとつ変えずに相手をさりげなく潰す必殺仕事人風情な画伯は今のDF陣にはない持ち味なので、ここ最近頑張ってはいるけど無失点に抑えた試合があんまりない守備陣に活を入れることが出来るでしょう。効果は未知数!

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