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2006年11月 8日

朱雀門

第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会第4回戦
ジェフユナイテッド千葉(J1)0-1コンサドーレ札幌(J2)
得点者:札幌/相川
     千葉/いないよ

 タイトルにやはり意味はありません。

 前回のエントリで書いたとおり今日は仕事でどうしてもフクアリに行けなかっただけでなく、中継が始まるまでに家に帰れそうな見込みもなかったため、普段は携帯で受けている12.netの速報メールもPCで受けるようにし、メーラーでフィルタリングして見えないようにすると同時に、キックオフ前からブラウザも閉じて禁ネット。念のためカミさんにネタバレ禁止のメールを送り、20時過ぎに会社を出て、帰り道もMP3プレイヤーで音楽を聴きつつひたすらサンデーを読み、まかり間違って他の人の会話を小耳に挟んでしまったり、他の人の携帯電話に表示された途中経過をうっかり見てしまったりを防止。カナル型のイヤホンはこういう時便利ですね。まぁそれで聴いてるのがUNDER17だったりするのがアニヲタの哀しいところだったりするわけですが。とりあえず情報遮断に成功したオレはちょうど後半が終わる頃くらいに帰宅し、ささっと娘をお風呂に入れ、自分の身体も洗って風呂から上がるとそそくさとHDDレコーダの電源を入れ、食事をしながら世間とは約2時間ほどズレた時空に身を置きました。

 あのーすいません。こんなチーム知らないんですけど。

 試合はのっけからアホみたいなフォアチェックをかけ続ける札幌がペースを握る…というよりは千葉を自陣に押し込み続ける展開。ナビスコカップ決勝の激戦がまだ尾を引いているのか、いまいち動きがよくなかったとはいえ、カップウィナーに対してボールを前に運ばせません。それにしても今まで見たことがないくらい走る走る。フッキが走る、アイカーが走る、スナマコも走る、大塚走る、芳賀も走る、西谷も西谷なりに走る、加賀は普段から走り回ってる、という感じで、正直これで90分持つわけがないと思っていたら、まぁ思った通り20分を過ぎたあたりからそんなんでもなくなって徐々に地力に優る千葉のペースに。ストヤノフやハースといった主力を欠き万全の状態ではない千葉ですが、それでも随所にうまさを感じさせるプレイがあり、特にサイドチェンジでの揺さぶりはやはり怖い。しかしそれでも札幌は千葉の縦パスを徹底的にケア、前に運ばれる前に潰してしまおうという守備は機能し、中に切れ込んだ水野のミドルシュート以外は特に危ないシーンもなく、逆に札幌はフッキの惜しい右足シュートなど多くのチャンスを演出。こんなの札幌じゃない! と言うくらいのパフォーマンスです。ただし、シュートは打っても枠に飛んだのが結局このフッキのシュート1本だけだったこととか、何食わぬ顔をして相手を潰して奪ったボールを何食わぬ顔をして相手にパスする西澤画伯とか、GKに競り勝ってしまうソダンとか、札幌らしいところも随所に見られましたけどね。それでもお互い一歩も引かない真っ向勝負、全国中継にふさわしい面白い試合です。

 後半は前半よりもスペースができたこともあり、さらにガチンコ対決に拍車がかかり、お互いゴール前でのプレイが多くなります。札幌のプレスも徐々に遅れ始め、徐々に千葉にシュートを許すシーンも増えてきました。しかしここで立ちはだかったのが「天皇杯男」GK佐藤優也。かつてJFL昇格を決めたばかりのザスパ草津を破り、Jリーグチャンピオンの横浜F・マリノスをあと1歩のところまで追い詰めた市立船橋高校のゴールマウスを守っていたのが、誰であろうこの佐藤だったのです。大舞台になればなるほど強い…のかどうかはわかりませんけど、きわどいシュートをことごとく止め、果敢に飛び出してピンチを未然に防ぐなど獅子奮迅の活躍。見た目は「林っぽい小林広記」なんですが、すごいぞ佐藤。がんばってるぞ佐藤。そんな佐藤の頑張りに応えるかのように守備陣も身体を張って相手の攻撃を食い止めます。
 あとからだからいえることではありますが、格上チームの攻撃がまったく噛み合っていなかったこと、格下チームのGKが大当たりだったこと、格下チームがビハインドを負うことなく前半を終えたこと、「アップセット」と言われる試合の条件はこの時点でかなり満たしていました。クルプニコビッチのミドルシュートがゴールポストを叩いた瞬間、ひょっとしたら勝てるんじゃないかと思いました。加えて、後半キックオフ前のアイカーの眼光を見て、点を取るとしたらこの男じゃないかとも。そしてその通り後半21分、高い位置で奪ったボールを大塚が左サイドで西谷に繋ぎ、左足のクロスをうまくDFの裏に入り込んだアイカーが頭で合わせて先制ゴールをゲット。ズバリ予想が当たりましたよ。まぁ実際は予想した時点ではとっくに結果は出てたわけですけど。
 ここまでフラグが立ってしまえば、あとはもうトゥルーエンドまっしぐら。最後の最後まで集中を切らさなかった札幌がそのまま逃げ切り、J2勢唯一の勝ち残りとなりました。それにしても、普段なら入っていてもおかしくないような千葉のシュートも何かに魅入られたようにことごとく決まらないのですから、サッカーって面白いものです。

 ただまぁ、交代で入ってきた謙伍の、どフリーなのにゴールに向かおうとすらせずに中途半端にフッキに落とすなどというしょっぱいプレイがなければもっと心晴れやかでいられたんですけどね。ストライカーがゴールを狙わんでどうするんだよおおおおお。

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コメント (4)

じゃがバター塩辛:

>まぁそれで聴いてるのがUNDER17だったりするのがアニヲタの哀しいところだったりするわけですが。


私は生TV観戦組でしたが、速攻で職場から帰って、試合前にレンタルしていたBLACKLAGOONを見て士気を高揚しようとしたところがアニヲタの哀しいところだったりするわけですが。


>あのーすいません。こんなチーム知らないんですけど。


あれ?千葉の選手が札幌のユニフォーム来ているのかな?とも思いましたが。前半20分くらいまでは。あとはchooさんの書いてあることと概ね同じ感想。ソダンvs巻の「利き足は頭」対決もソダンが無難に(というかお互い足元の稚拙さが…)こなしたなあとか思ったり、ロスタイムが無茶苦茶怖かったりしましたが。


>交代で入ってきた謙伍


猫のウン…いや、新居の爪の垢、飲めー!!

あきの@九州人:

ネットカフェでBS生観戦しましたが、
よりによって機器不良で半分砂嵐orz
サイド6で連邦vsジオンの中継を見ているような
感覚を味わい、だったら「白い方が勝つわ♪」と
うそぶいていたら、ホントに勝っちゃいました。

12月9日に乗り込むべく、いろいろツアーを探して
いますが、最悪の場合「はかた号で0泊2日」となる
かもしれません。

>交代で入ってきた謙伍
12月9日はぜひ反町氏に来場いただいて、カツを
入れてもらいましょう。ついでに「目の前で教え子が
J2に敗れる」というオシム氏と同じ屈辱を味わって
もらいましょう。

久々に書き込みます。
>>まぁそれで聴いてるのがUNDER17だったりするのがアニヲタの哀しいところだったりするわけですが。

>私は生TV観戦組でしたが、速攻で職場から帰って、試合前にレンタルしていたBLACKLAGOONを見て士気を高揚しようとしたところがアニヲタの哀しいところだったりするわけですが。

僕もテレビ観戦でしたが、速攻で大学から帰るバスの中で「いよいよだなぁ」と士気を高揚しながら聴いていたのがギャラクシーエンジェる~んだったりするのがアニヲタの哀しいところだったりするわけですが。

本当に昨日の試合はこれがコンサか!?って言うくらいの動きでしたよね。
GK佐藤が天皇杯男とおっしゃりますが相川も天皇杯男、といいますかジェフキラーですよね。一昨年の決勝ゴールも相川でしたし。

>交代で入ってきた謙伍
あそこはシュート打たないと!
例の日曜朝の番組じゃないですが喝!ですよねぇ。


>あきの@九州人さん
はかた号って!キングオブ深夜バスですか!
あいやー本当にそうなったら大変ですけどガンバって下さい

魚鬼:

人間ジェロニモになっちゃった。
痛快なり。

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