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2007年3月12日

初勝利

2007年Jリーグディビジョン2第2節
コンサドーレ札幌1-0サガン鳥栖
得点者:札幌/こっちの藤田
     鳥栖/なし

 「旬の過ぎた頃に更新」が板に付いてきたサッカー百鬼夜行です。こんばんは。

 開幕戦を落とした札幌は、今節はホーム開幕戦。サガン鳥栖を札幌ドームに迎え、今季初勝利を狙います。前節京都を相手になすすべなく敗戦した反省から、メンバーを多少いじってきた三浦監督。といっても実質的なテコ入れは左サイドバックだった和波が外れて西嶋が入り、右サイドバックに西澤画伯が入った程度ではあるのですが、砂川が風邪でダウンし、カウエが膝を痛めて欠場したため、右のサイドハーフには先日U-20代表候補の合宿から帰ってきたばかりの藤田征也が入り、ボランチにはキャプテン芳賀と結果的にそれなりのメンバー入れ替えがありました。
 相手の鳥栖は、昨季4位と大躍進を遂げたものの、昨季得点ランキング日本人トップの23得点を挙げた"King of ARIAKE"新居辰基がジェフユナイテッド千葉に移籍し、さらには守護神シュナイダー潤之介もベガルタ仙台へ移籍と、攻守の要を失った上、2004年から3年間指揮を執っていた松本育夫監督がGM就任に伴い現場を離れました。札幌も3年間指揮を執った柳下正明監督が退団し、得点ランキング2位のフッキを失っていますから、似たような境遇なのかも知れません。前節はやはりJ1降格組のアビスパ福岡と対戦し、ホームで0-5という屈辱的な大敗を喫するなど、新チームの出だしは決して順調とは言えないところも似たもの同士の対戦となりました。まぁホームとアウェイの違いはあるとはいえ、怪我人続出で満足にメンバーも組めない鳥栖が、「ベストメンバー」と言い切ったメンツで何にも出来なかった札幌と「似たもの同士」扱いされたくないかも知れませんけど。

 まぁそんなわけで決してベストとは言えない鳥栖と、まだまだチームもリビルド中でなんかコンパイルエラーもごっそり出てる感じの札幌の対戦なわけですが、そんな両チームの状態を反映してか試合は序盤からどちらもこれといった形が作れません。それでも前半10分を過ぎたあたりから札幌も少しずつボールを前に運べるようになり、サイドからチャンスを徐々に作れるようになります。とはいえ、ダヴィと元気の2トップはポストは無難にこなす反面、いざ前を向いた時には迫力不足。元気についてはもともと彼は速いクロスに飛び込ませるのが本来の使い方ですから仕方がないとしても、ダヴィは助っ人なのですから前を向いての勝負も期待したいのですけど、結局前節に引き続きこの試合でもシュートゼロというのは困りものです。あの巨体でズンズンプレスをかけるのは迫力はあるのですけどね。まぁこの試合でも周りと動き出しのタイミングが合わないシーンが結構ありましたから、その辺が合ってくれば面白いかも知れませんけど、性格的なものなんでしょうかね。「小心者の馬」といえば「街」にそんなキャラが出てきましたけど、どうせなら「牛」になってくれないものでしょうかね。
 ただ、まがりなりにも前線でダヴィが身体を張ってくれることで、今まではその役を(そんなに得意ではないのに)任されていた元気の負担が減ってそのぶん元気が生きてきているという側面もあるのですけどね。征也の先制点も、ダヴィが2人を引きつけて落としたボールを芳賀が前線にフィードし、そのボールを元気が落として画伯がクロスを上げ、クリアされたボールを芳賀がスライディングで繋いで征也が押し込むという流れでしたし。まぁ要所要所で相手に当たっている不思議なゴールだったとはいえ、これもひとつの形には違いありません。
 さらに征也のプロ初ゴールで先制した札幌に追い風が吹いたのが前半38分。中盤でのボールの奪い合いで芳賀の足を引っかけた山口貴之が2枚目のイエローカードで退場し、これにより札幌は数的有利を得ることになりました。

 ここで後半の早い時間帯で追加点を挙げれば、10人の鳥栖の戦意を大きくダウンさせることが出来るはずなんですが、まぁそれであっさり追加点を取れるんであれば苦労はしません。そんなわけで相手が10人となってスペースが出来たことで西谷を中心に何度もチャンスを作り出しますが、放つシュートはことごとく枠外。後半枠に飛んだのはソダンのヘディングシュートが2回あったのが記憶にあるくらいで、それもキーパー正面ですからね。前の試合でも書きましたけど、西谷が相手を引きつければ逆サイドが空くんですから、そこでサイドチェンジなどを入れればチャンスはもっと増えるでしょうし、征也のクロスも生きてくると思うんですけどね。まぁ西谷みたいにサイドで勝負するのは嫌いではありませんけど。
 ともあれ、追加点を奪うことが出来ず試合が進んでいき、こうなってくると「10人の相手に追いつかれる」というお約束の結末が待っていたりするのがこれまでのパターンなんですが、それを覆してDFラインがさしたる破綻も見せなかったのが収穫でしょうか。気になるシーンもないわけではなかったですけど、GKとの関係は今のところ良さそうです。とりあえずソダンのゾフィーみたいな髪型はどうかと思いますが、ソダンもブルーノも持ち味を充分に出していました。そして特筆すべきは右サイドバックに入った西澤画伯でしょうか。守備では当然のように何食わぬ顔をして相手を潰すサイレントキラーっぷりを発揮していましたが、攻撃面でも前半から申し訳程度に上がって行ってけっこういいクロスを上げていました。後半になると数的有利となって上がりやすくなったためか、何食わぬ顔をして上がっていき、何食わぬ顔をして走り込みボレーシュートを放ち、大きくぶっぱずしても何食わぬ顔をして戻っていく様に漢を感じました。男は黙ってサッポロビール。
 というわけで、追加点は奪えなかったものの、GK高木の好セーブもあり1-0で逃げ切り、札幌はホームで初勝利をゲットしました。

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コメント (1)

じゃがバター塩辛:

コメント欄にチラシの裏を書き綴っていて迷惑なじゃがバター塩辛です。こんばんは。
更新が遅くなるのは「大人の事情」ということでお気になさらずに。
私はTV観戦でしたが、「ひとまず勝てた」というべきですか。ダヴィはこれまでのブラジウ人FWに見られた自力強行突破型ではなく、味方選手を生かそうとする(ブラジウ人にしては)珍しく謙虚なのか気弱なんだかわからないタイプのようで。
…まあ、何にせよ、他のFWにも言えることですが、FC東京のボランチやっている人が「FWが点を決めないとチームが盛り上がらない」などと、まるで古巣のことをいっているようなことを2時間後の試合後インタビューでいってましたので、その辺六尺ふんどし締めてかからないと。

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