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2007年3月23日

微妙

2007年Jリーグディビジョン2第4節
コンサドーレ札幌0-0湘南ベルマーレ
得点者:札幌/誰もいない
     湘南/いやしない

 鬼門・四国で勝利を挙げ、2連勝と勢いに乗るコンサドーレ札幌は、今節は再び札幌ドームに戻っての湘南ベルマーレ戦を迎えました。相手の湘南は毎年地味ながらも渋い補強をしておりましたが、今季もFC東京のDFジャーン、鹿島アントラーズの名良橋晃、清水エスパルスの斉藤俊秀らベテラン勢を中心にこれまた渋い補強を行っています。特に名良橋はベルマーレ平塚時代に一世を風靡した時のメンバーで、実に11年ぶりの復帰。「ベテラン並べて横浜FC」を狙ったのかどうかはわかりませんが、レンタルの斉藤以外はいずれも前所属チームを戦力外となっての移籍。湘南のフロントが「ただでもらったただでもらった名良橋晃とジャーンで~♪」などと歌っているかどうかはわかりませんが、ともあれ柿本や中里といったレンタル復帰組も含めて昨季よりも明らかにチーム力は上。開幕戦こそベガルタ仙台に競り負けたものの、京都パープルサンガに0-0、前節はアジエルのアディショナルタイムのゴールでセレッソ大阪を2-1で振り切り、骨のある相手ばっかりながらもしぶとい戦いを見せています。
 迎え撃つ札幌はインフルエンザで前節欠場したブルーノ・クアドロスが戻ってきたものの、突然の発熱で同じく前節欠場の大塚はまだ復帰できず。前節ソダンとCBコンビを組んでいた西澤画伯は鳥栖戦でも務めた右サイドバックに入り、左サイドバックは裏切り者の名を受けて戦うデビルマン和波が外れ池内と、見事にセンターバック4人を並べてきました。「本職のサイドバックがいない」というのはまぁ理由としてはわからないでもないですが、野球で言えば「内野全員ファースト」というか、サイボーグ009で言えば「9人全員張々湖」みたいな気がしないでもありません。

 まぁそれはいいとして試合ですが、開始からしばらくは札幌が押し気味に試合を進めますが、なんだかはっきりしない攻めでジャーンに跳ね返されているうちに徐々に湘南がペースを掴みます。縦横無尽に動くアジエルを中心に攻める湘南の攻撃に幾度か崩されかけ、危ないシーンも何度か作られますが、何とか水際で食い止めている状況。こうなるとがっぷりよつで押し返すのもなかなかしんどいですから、カウンターに活路を見いだしたいところですけど、なんだかどいつもこいつも動きが重くてそれもままなりません。西谷は徳島戦の40メートルドリブルでよっぽど疲れがたまったのかまったくキレがなく省エネプレイに終始しているし、芳賀や西嶋も守備はいいとしてもいざ攻撃に移った時の押し上げが遅いので2トップは前線で孤立。元気はポストはいつもの通り安定してはいたものの、世の中うまく行かないもので今度はポスト以外のプレイを忘れちゃったみたいな感じですし、ダヴィはそれなりに勝負をしようという意志は見せるものの、ほとんど読まれて抜けず、じゃあ右の征也を使おうとしても、何度かあったチャンスでクロスを上げようとしてことごとく地球を蹴るし、かといって画伯と池内のサイドバックじゃ深くえぐるようなプレイは望めそうもないし、シビレを切らしたブルーノが鋭い出足でインターセプトを見せ、そこからワンツーパスを駆使して怒濤のオーバーラップを仕掛けようという意図はよくわかりましたけど、ワンのパスで湘南の選手にパスしてちゃツーのパスが戻ってくるはずもなく、絵に描いたような八方ふさがり。
 とりあえずソダン、ブルーノ、画伯、池内、そして元気とダヴィと並ぶセットプレイはやたらと迫力だけはありますので、セットプレイには期待できそう、というよりはセットプレイ以外では点が取れそうもなかったんですけど、その肝心のセットプレイが全然取れないんじゃお話にもなりません。廣瀬主審が比較的流し気味のジャッジをしていたこともありますが、直接フリーキックはおろかコーナーキックさえ取れないんですから、どれだけ形を作れてなかったかがわかろうもの。何しろ札幌の前半のシュートはたったの1本、それもジャーンから無理矢理ボールをふんだくったダヴィが打ったキーパー正面のシュートだけ。まぁシュート打てばいいってもんじゃありませんが、一時期よりは多少衰えたとはいえ百戦錬磨のジャーンと斉藤コンビに単純な攻めが通用するわけもない上、この試合のスタメンで唯一攻撃にアクセントを付けられる西谷が、試合序盤の鋭い切り返し一発でハナクソをほじる力ものこっちゃいねえ状態になっちゃったんですから、この体たらくもさもありなんといったところ。

 そんなわけで攻撃に関してはちっとも期待できない状態だったわけですが、それでも狭いエリアでプレッシャーを受けた時に、それなりに落ち着いてボールを回せるようになったのは数少ない収穫でしょうかね。以前であれば焦って簡単に相手にボールを渡していたりしたところでしょうが、曲がりなりにも3年間培ってきたことがようやく出てきたのかも知れません。それなのになぜか余裕を持って相手にパスするのはどういうことなのかと思ったりもしますけど。あとは交代で入ってきていきなりバー直撃の惜しいFKを放ったカズゥとか、途中交代で入ってきた砂川の1.5列目的なポジションがけっこう良かったとか、まぁ数少ないながらも収穫はないわけじゃなかったですし、湘南に17本シュートを打たれながらも(ホームゲームであるという前提はさておくとして)無失点で凌ぎ、地味に3試合連続無失点とした守備に関しては、危ない場面もちょっとありましたけどなんだかんだで安定感も感じられるようになってきましたし、決して「たまたま」というわけではなさそうです。三浦監督も就任から開幕までの短い期間でまず守備を重点的に取り組んできたとのことですから、攻撃に関してはこれからってところでしょうか。去年みたいな爆発的な勝ち方はないでしょうけど、当面はしぶとく勝点を拾いつつ、そのうち48の殺人技とか52の関節技とか77歳の職人技とか覚えてもらえれば、結構やれるかも知れませんね。

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コメント (4)

じゃがバター塩辛:

…まあ「後半ロスタイム」に「石原直樹」に決められるという、男の同級生に友達だと確認しあったり、南の彼方のマグロ漁船に乗り込まされたりと予定調和なバッドエンドを向かえなかっただけよかったと思いますよ。勝ち点1でも取れた分だけ。

>9人全員張々湖
噴いた。「全員ジェロニモ」だったら、それはそれで
迫力満点のDF陣なのですが。


DF陣は全員張々湖でかまわないので、攻撃陣に1人
アルベルトがほしいですね。攻撃力の向上には、まずは
ミドルレンジでミサイルぶっ放すべし、と思うので。

じゃがバター塩辛:

>はかたん1号さん
>攻撃陣に1人アルベルト
そっちの方が吹いたw
まあ我が侭を言わせれば、ジョーも1人欲しいところですが…。


>そのうち48の殺人技とか52の関節技とか
某ヒロイン声優二人の断末魔が聞ける、魔法少女の皮を被って実際には肉体言語で敵を倒すOVAをおすすめします。
…プリキュアをみている大塚家では子供の教育上よろしくなさそうなのでアレですが…。

野幌侍:

>じゃがバター塩辛さん
「後半ロスタイム」に「石原直樹」に決められる

<ドームで見ていてなんとなくそんな気がしていましたが、昨年と違ってなんとかしのげそうな根拠の無い予感がしていました。
別アニメですが、どっちかっていうと攻撃陣に一人アルベルトよりは、中盤に一人アラレちゃんが欲しい!と思うのは私だけでしょうか?

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