« 正念場 | メイン | 西が丘は今日も雨だった »

2007年4月10日

2位

2007年Jリーグディビジョン2第7節
ベガルタ仙台1-1コンサドーレ札幌
得点者:札幌/そだん
     仙台/ばんだい

 勝てば首位。

 こんな言葉を札幌が耳にする日が再び来るとは実はあんまり思ってませんでした。ベガルタ仙台とのアウェイ戦は、首位をかけた一戦となりました。気がつけばローカルなチームばっかりになってしまったJ2で、まだ第1クールなれど覇権を争うのが北海道と東北のチーム。どちらがいなかっぺ大将か決定戦です。そう考えるといまいち盛り上がらない首位決戦ではありますが、我々にとっては正真正銘「7年ぶりの頂上決戦」。今週の山場です。

 などと茶化すのはほどほどにして、客観的に見ればリーグ最多の13得点という攻撃力の仙台とリーグ最少の2失点という守備力を誇る札幌という対決は普通に見所のあるゲームでしょう。攻める仙台に守る札幌という図式が容易に想像できたわけですが、フタを開けてみれば前半は札幌が攻め込み仙台が守るというまるで逆の展開でした。札幌のやることはいつもと変わってはいないのですが、両サイドからの攻撃が増えてよりチャンスが増えるようになってきました。この辺、ホントに徐々にですがカードは増えてきていると思います。手持ちのカードは多いほうがいい。そして、トランプには使いようによっては弱くも強くもなる、でもないよりはあったほうがいいカードがあります。そう、ジョーカーです。コンサドーレにとってのジョーカー。それはソダンです。
 といっても今シーズンになってからのソダンはジョーカーと呼ぶには失礼なくらい安定しているのですが、この日もブルーノと共に仙台の攻撃を跳ね返し続けただけでなく、「座りヘディング」という不思議な新技まで披露。それに加え、先制点まで取ってしまうのですからまさしくエース。ハートのエースだと思います。いつもの通り0-0で終わるだろうと思い始めた前半41分、セットプレイ崩れから征也のクロスをヘディングで突き刺し今季初ゴールを決めたソダンは、キャプテン芳賀の「芳賀ラッシュ」の洗礼を浴びつつサポーター席に自らの存在をアッピール。アウェイの地で貴重な貴重な先制点です。

 さて望外の先制点を得た札幌にとって、後半は守備を固めつつカウンターを狙うというのが定石。ある程度引いて守り相手に球を持たせて…と書けば聞こえはいいですが、開始から作戦コマンドを「ガンガンいこうぜ」に変更した仙台のペースにタジタジとなります。人数をかけて間髪入れずに波状攻撃を仕掛けてくる仙台に対して作戦コマンド「いのちだいじに」の札幌は完全に防戦一方。実際菅井や田ノ上といったサイドバックも、もはやサイドバックじゃなくてサイドフロントじゃんというくらい上がりっぱ。すごいショットガンフォーメーションです。相手が攻撃に人数を割いているということは後ろの人数が足りないということであり、そのこと自体は札幌がつけいるスキとなりうるわけだったんですが、前半飛ばしすぎたのか運動量も落ちてきていたため守備も後手後手に回り、既にクリアするだけで精一杯。そんな状態では前線に効果的なボールを送ることなど出来るはずもなく、裏を突くどころの話ではありません。三浦監督は後半12分に相川に替えてダヴィを投入。これ自体はおそらく前線のターゲットを増やす目的なのでしょうが、せっかく入れたダヴィもほとんどボールに触ることが出来ず。そんな感じですからまたすぐにボールが札幌陣内へ帰ってきてしまい、なんとかクリアしてもやはり味方には渡らず、また攻められるというデススパイラル。長い時間守備をしているというのは思った以上に疲れるもので、もう「いのちだいじに」というよりはほとんど「みんながんばれ」といった感じ。高木の好セーブや最終ラインの必死のブロックでなんとか水際で食い止めていましたが、多くの時間札幌陣内でのプレイとなった状況ではいつ破られてもおかしくありません。
 旗色が悪いと見た三浦監督は、今度は元気に替えて大塚を投入。前線にボールが行かないのであれば無理に前の人間を増やす必要はないですし、バイタルエリアを好き放題使われていた状況ではそのポイントに動ける選手を入れるのはおかしなことではありません、というか単純にロペス対策だったんだと思いますけど、まぁ本気になったロペスはそう簡単に止められるもんでもないですね。
 それでもアディショナルタイムを含めて残り10分くらいというところまでは我慢できたんですが、ついに辛抱たまらんといった感じで萬代にゴールを決められ同点に追いつかれてしまいました。
 結局試合はそのまま引き分けで終了。まぁ先制しただけに追いつかれたのは残念ではありますけど、後半の仙台の怒濤の攻撃を1失点に抑えたのは御の字だと思いますし、あれだけ攻め込みながらも1点しか奪えなかった仙台は「勝点2を失った」というイメージのほうが強いでしょう。セオリーでいえば上位チーム相手のアウェイ戦で引き分けというのは充分に及第点の結果です。
 ただ、失点シーンの直前にソダンが田ノ上にヒジ打ちを喰らってるんですよね。失点自体にはさほどの影響を及ぼしてはいないと思いますけど、あれをファウル取ってくれていればあの失点はなかったと思うと、若い時の村上ショージによく似た河合主審は気づかなかったみたいですね。まぁ「ザ・ソダンショー」の幕切れとしてはふさわしかったのかも知れません。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kingofsapporo.com/old/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/421

コメント (4)

じゃがバター塩辛:

>自らの存在をアッピール。
以前から感じていたのですが、chooさんはセーターをスウェーターと発音するクチでしょうか?まあ、それはともかく。


私がソダンだったら、芳賀ラッシュを受けたら「厭ね!」と言い「ここ(仙台)で50回戦っている!」と脅しながら、この野郎とばかりオーヴァー・ラップを仕掛けて強引に追加点を取りに行く。得点した後は芳賀に対して「元FWでした」と言っておく。しかしながらCBの立場上、自陣に引き下がるのが妥当か…
いずれにしても、こういう勝ちを逃してしまった試合は後々まで引きずらず、バランタイン30年でも一杯飲んで忘れることは言うまでもない。

choo :

いえ、セーターはセーターと発音しますよ。ジューシーはじゅ~すぃ~と発音しますけど。

じゃがバター塩辛:

あ、柘植久慶氏の読者では無かったんですね…コメント汚し失礼…orz

じゃがバター塩辛:

連投すみません。元ネタは
ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1172025556/l50 です…

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ