« 水戸泉 | メイン | スペシャルウィーク »

2007年4月23日

単独首位

2007年Jリーグディビジョン2第10節
コンサドーレ札幌4-3東京ヴェルディ特許許可局
得点者:札幌/馬×2、神、プリンス
     ヴェルディ/金澤×2、超人

 首位ですよ。

 三浦監督も言っているとおりこの時期の首位なんてあまり意味はありませんし、以前も書いたとおり戦力的には決して充実しているとは言えない札幌としては、他のチームのスリップストリームで何となくついて行っているという状態が理想的なので、そんなに浮かれるようなことでもないんですけど、それでも首位という響きに悪い気がするはずもありませんし、J's GOALなんかの順位表ページを意味もなく開いて一番上の「コンサドーレ札幌」という文字を見てニヤニヤしたりするわけです。まあコンサドーレはお休みとなる次節の東北ダービーでベガルタ仙台が勝てば再び仙台に首位を明け渡してしまうんですけどね。まぁそれならそれでまたスリップストリームに入ればいいだけの話。

 ということでヴェルディ戦。ホームゲームが室蘭→西が丘と続いたため、第4節湘南戦以来1ヶ月ぶりの札幌での試合は、ここの所の好成績を反映してかお客さんの入りも上々。1万8千人を超える観客が詰めかけました。
 そんな中迎え撃つヴェルディは、昨季札幌で25得点を挙げたフッキ、柏で21得点を挙げたディエゴ、そして服部年宏、名波浩といった元日本代表選手らなりふり構わない大補強を敢行。誰もが昇格候補として名を挙げる陣容を整えました。しかし、開幕当初こそ前評判通りの強さを発揮していたものの、第7節の福岡戦で初黒星を喫した途端にずるずると3連敗。6位にまで順位を落としています。まぁ、選手の性能の差が戦力の決定的な差ではないことを4年も前にイヤと言うほど教わっている我々としては、別段驚くようなことでもないのですけどね。しかしそうは言ってもフッキの怖さも重々承知している札幌としては、フッキ以外にも得点能力の高い選手の揃うヴェルディの攻撃力はやはり脅威なのは間違いありませんし、ヴェルディはその高い攻撃力の反面守備面はあまり強くはないとはいえ、元とはいえ日本代表もいます。フル代表の経験がある選手もおらず、いるのはせいぜい「元・鳶職」とか「元・気」という札幌にとっては、いかにしてヴェルディの攻撃を凌いで少ないチャンスをモノにするかが鍵となるはずでした。
 ところが試合は意外な展開を見せます。前半2分、最初のコーナーキックから西谷の蹴ったボールをソダンがヘッドで突き刺し先制。確かに「数少ないチャンスを生かす」という意味では確かに思った通りの展開ですし、取れる時に取っておくに越したことはないんですが、たとえて言うならコイン投入後にいきなり天和を上がるスーパーリアル麻雀くらいの空気の読めなさです。ちなみに、この日のスタンドには「見に行くと高い確率でソダンがゴールする」うちのおかんがいました。
 さて思わずリードを奪ってしまった札幌は、まるで任天堂のサッカーをやってるみたいに簡単にゴールを奪っていきます。前半10分にはゴールキックから元気が競って落としたボールを拾おうとしたヴェルディDF土屋が抑えるよりも早くダヴィが足を出してシュート。このシュートは相手GKにいったんははじかれますが、跳ね返ってきたボールを冷静に流し込み追加点をゲット。さらに15分には服部の中途半端なバックパスをかっさらった征也がGKを交わしてこれまた冷静に流し込んで、開始わずか15分でなんと3点のリードを奪ってしまいました。
 人間やり慣れないことをすると戸惑ってしまうものです。まるでキモオタの自分には無縁と思っていたバレンタインデーに自分の机の中にチョコが入っていたのを発見した時のように、喜ぶよりもまず「ドッキリか!?」と周りを見回してしまうような、そんな展開に戸惑ったのはサポーターだけではないようで、ヴェルディが逆に開き直ってしまったこともあるでしょうが、ここから徐々に札幌が劣勢になり始めます。前半25分には金澤の飛び出しを抑えきることができず1点を返されてしまいました。ヴェルディが前がかりになっており、ディフェンスラインの連携に不安を残すヴェルディだけにカウンターは狙いやすかったはずですし、事実何度かカウンターを仕掛けるシーンもあったのですが、どフリーのシュートをダヴィが外すなどトドメを刺すことができずに3-1で前半を終了。

 さて後半。ヴェルディは45分もあれば2点くらいなんてことはない攻撃力を持っています。しかし札幌もダテにリーグ最少失点の守備陣を抱えているわけではありません。45分間2点のリードを守りきるのは無理な相談ではないでしょう。1点はやられるかも知れませんが、まぁ充分セーフティーリードであろうと感じていました。よっぽどのことがなければ。

 でまぁ、ご存じの通りその「よっぽどのこと」があったわけなんですがね。

 後半11分、裏に抜けようとしたヴェルディFW船越をソダンがペナルティエリア内で倒したとして、家本主審はPKを宣告。限りなく船越のシミュレーションくさいように見えたんですが、このPKをフッキに決められて3-2。その差は1点となりました。
 つーかね。PK自体は別にいいんですよ。まぁ勝ったからそう言えるのかも知れませんけど、山形戦でのPKも「ホントにPKでいいの?」って感じのものでしたし、札幌にとっていい時もあれば悪い時もある。レフェリーの判定が勝負のアヤとなることもあります。それはしょうがない。家本主審がジャッジがヘタなのも、百歩譲って仕方がないと思うことにしているんですけど、それでもただひとつ、主審に近寄る札幌の選手たちを「(カードの入っている)胸のポケットに手をかけて威嚇していた」のはどうしても許せません。札幌の選手たちがエキサイトして審判に詰め寄るという感じでもなかったですし、そもそも主審のカードってそういうものじゃないでしょ? カードはあくまでスポーツの試合を行う上で著しく不利益となる行為を罰するものであり、断じて「主審の伝家の宝刀」などではありません。なんか勘違いしてるんじゃないですかね。昔はひどいレフェリングだったけど研鑽を積み今では多くの選手・サポーターから信頼を得ている審判員もいますけど、ああいうことをやっている限りはこの先審判技術の向上なんて彼には望めないですね。しかもそれがプロのレフェリーと来たもんだから、一体どうなってるんだって話ですよホントに。
 で、珍しく自分がエキサイトしてしまいましたが、このPKでいよいよもってヴェルディが調子づきます。こうなると追う側は強いもので、そのわずか3分後には心理的に守りに入ってしまったか札幌のDFラインが乱れたわずかな隙を突かれて再び金澤に決められ、ついに追いつかれてしまいました。
 3点のリードを奪っておきながらこの状況はどう見ても逆転される流れです。今までの札幌であればそうなっていたかも知れません。しかし、決してあきらめないのが今の札幌。追いつかれてからわずか5分後、奥さんが来日していいところを見せたいダヴィが西谷のスルーパスを落ち着いて決めて再び突き放すことに成功しました。
 ダヴィの値千金のゴールで再び落ち着きを取り戻した札幌は、なりふり構わず攻め込んで来るヴェルディをなりふり構わぬ守備で封じ込め、4-3で逃げ切って連勝。試合のなかった仙台を抜いてついに単独首位に浮上したのでした。

 どうでもいいですけど、久しぶりに見たフッキは、去年散々見ていたはずのうちのカミさんが一目見るなり「誰これ?」とのたまった通り、札幌にいた頃みたいなやんちゃ坊主みたいな面影はなく、伸ばした髪をメッシュにするという妙な風貌になっていました。都会に出てきて大学デビューした田舎のあんちゃんみたいな感じというよりは、往年の武田鉄矢によく似ています。思えば遠くへ来たもんだ。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kingofsapporo.com/old/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/426

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 単独首位:

» 夫婦道 送信元 夫婦道
武田鉄矢 高畑淳子 ドラマ主演 最新情報 [詳しくはこちら]

コメント (4)

TV観戦していた知人の名言です。
「誤審流家元」。

匿名:

まとめると、chooさんのおかんにシーズンチケットを!ってことですね(違

魚鬼:

TV観戦でした。
前半で3点取った時は天にも昇る気持ちでした。サッカーの
神様がご褒美をくれたのかな、なんて思いました。
ここからヴェルディがひっくり返すなんて展開は、「いくら
なんでも、まさかねぇ」。同点になった時は絶句。
コンサが4点目を取った時は、嬉しさの直ぐ後に「残り時間
長すぎるぅ」。胃が重たかったけど、終了のホイッスルが鳴
ると、胃が軽くなりました。胃袋って、ゲンキンな物です。

野幌侍:

試合前半のフッキコールで、思いっきり苛立っているのが遠めで解るあたり、やっぱり髪型が変わってもフッキはフッキのままドームに復帰した、とオヤジギャグ言っちゃってもいいですか?

ともあれ、仙台が引き分けたことで、試合数を考えても首位ですね。今後の展開として、ボロ負け泥沼○○連敗とか、ここでタイミングよく不祥事ですよ、なんて予感がしてしまい滅茶苦茶居心地が悪いっすけど、こんな居心地の悪さなら何回でも味わいたいぞ!って思います。

ちなみに、調布昭和44年が負けました。どんどん次期監督にあの人が就任?という日本サッカー界にとっての悪夢が実現に向かっているような・・・。

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ