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2007年5月26日

4連勝っていつ以来だろう

2007年Jリーグディビジョン2第17節
湘南ベルマーレ1-2コンサドーレ札幌
得点者:札幌/西谷、ダヴィ
     湘南/アジエル

 前節水戸ホーリーホックを相手に順当に勝点3を挙げたものの、その試合中にブルーノ・クアドロスが腰を痛めて負傷交代するという痛い代償もあった試合から中3日でのアウェイ湘南戦。ブルーノのケガはちょとケガが長引きそうで、当然この試合も欠場なのは仕方がないのですけど、さらに悪いことにブルーノ不在時にソダンとコンビを組んでいた西澤画伯までもが負傷で欠場。池内や西嶋もセンターバックはやれますが、この2人とて今は左右のサイドバックを務めていますので、どっちかをセンターバックにした場合今度はサイドバックがいなくなってしまいます。和波が病気療養中の今、サイドバックの人材が圧倒的に足りないという、猫の手でもエキセントリック少年ボーイの手でも借りたい状況で三浦監督が打った手は、西嶋をセンターバックに回して空いた左サイドバックに今季初スタメンとなる吉瀬を入れることでした。第3節徳島戦で交代出場していますが、先発は今季初めて。徳島戦の出来を見る限りはさほど心配するようなこともありませんが、吉瀬個人の力量というよりは三浦サッカーの要であるディフェンスラインを大きく変更せざるを得なかったことについては一抹の不安は残ります。
 しかし、湘南もまた似たような状況で、こちらはDFの要であるジャーンを始めとして怪我人が多く、本来は中盤の選手である中里をサイドバック起用せざるを得ない状況と、あちらもどうやら似たような感じのようです。その湘南は中2日、札幌は中3日と日程上は1日の余裕がありますが、方や湘南はホームゲーム、しかも前節は日帰り可能な東京での試合で、札幌は飛行機とバスに乗って半日かけての前日入りとなれば、条件的にはほぼ五分と見ていいでしょうか。

 と思ったら、前半はホームの湘南に押されまくりとなります。DFラインは心配されたほどクズされはしないものの、アジエルの個人突破をカウエが止められず、ラインは下がりっぱなしで押し上げもままならないので、セカンドボールもほとんど抑えられてしまいます。前半17分、左サイドからのフリーキックを直接アジエルに決められ、痛い先制点を献上してしまいました。
 反撃したい札幌ですが、2トップは孤立し普段はそれなりに安定している元気のポストもあまり機能しません。サイドに活路を見いだそうにも、右の征也がさっぱりでそれもままならず。まぁ、なんのかのといってもまだ2年目の選手。シーズン最初からスタメンで試合に出ずっぱりで、その上代表合宿との往復で疲労は溜まっているでしょうし、それでトゥーロンユースのメンバーに選ばれてちょっと気が抜けたのかも知れません。いずれにしても消えっぱなしの上池内とのコンビも合わず、攻撃面での合わなさっぷりは左サイドの西谷と吉瀬も似たようなもの。まるっきり反撃の糸口すら掴めず前半は1点ビハインドのまま終了。

 流れを変えたい後半、三浦監督は砂川と謙伍を頭から投入という大胆な交代策を採ってきました。まぁ砂川・大塚投入はいつものことですし、征也と元気の動きが悪かったのは素人目にも明らかでしたので、あと残りの1つはアクシデントでもない限り元気→謙伍となることは容易に予想できることでしたが、まさか後半頭から、しかも2枚同時に替えるとは思っていませんでしたねぇ。
 で、その交代策がずばりと当たるもんだからこの監督は侮れません。後半11分、アタッキングエリアで砂川がプレッシャーをかけてこぼれたボールをダヴィが拾い、そのままペナルティエリアまで単独突破。右足で浮かせたシュートはキーパーに阻まれ、そのボールに謙伍が飛び込んで頭で合わせましたが、シュートは去年の横浜FC戦のアレを彷彿させる弾道で枠の外へ。もうかなりのガッカリ感で、今後しばらく石井謙伍を「ミートボール」という安易なあだ名で呼んでやろうと思い始めていたのですが、なぜか湘南の選手は早川主審に抗議をしているし、相手との接触で痛んでいた謙伍がカウエに「よくやった」みたいに言われています。え? 何? PKなの? ウソ?
 現地では全くわからなかったのでハンドでもあったのかと思ったんですが、ブデオを見直すと湘南の中里がボールに関係なく謙伍の邪魔をしたということみたいですね。でも中里が邪魔しなくても入ってなかったんじゃねぇかと思ってしまう謙伍には厳しいオレ。なんだかよくわからないけどとにかく得たチャンスを、西谷が冷静に決めて同点に追いつきました。

 同点に追いついた札幌はこれでにわかに活気づき、やりたい放題の砂川を中心に攻めます。湘南はもうこの時点で動きも落ちてきてミスも目立ち始め、勢いの差が明らかになってきました。こうなってくるとあとは札幌の変身第三段階、つまりどの時点で大塚を投入するか、そして誰と交代させるかです。残り時間はまだ30分以上あり、勝負をかけるにはまだ少し時間が早いですし、アクシデントが発生した場合を考慮するとこの段階で交代枠を使い切ってしまうのはあまりにもリスキーです。
 そして交代相手についても、これまでのパターンからもカウエとの交代が一番常識的ですが、守備はともかく攻撃面では西谷との連携があまり合ってなかった吉瀬もありといえばあり。とはいえ、吉瀬を外したら誰がサイドバックをするのかという問題があります。西嶋を左に出して池内をセンターバックに入れ、芳賀を右のサイドバックにするという方法がありますが、そうなるとけっこう大手術になってしまいます。現状を考えればこのまま1-1で終わったとしてもさほど痛くはないですから、バランスを崩してまで三浦監督がそこまでいじるとは考えにくい…と思っていたら、吉瀬を下げてカウエを左サイドバックに下げるという布陣。これは予想はしていませんでしたが、それがまた思いの外フィットするのがこの監督の恐ろしいところ。この頃には西谷はだいぶバテていましたけど、砂川の突破に手を焼いていた湘南が右サイドをケアするのに空いた左サイドを好きなように使い攻撃に流れが出てきます。逆転も時間の問題と思われた後半35分、いつものように中盤で身体を張り続ける芳賀が自陣でふんだくったボールを西谷がそのままダヴィに繋ぎ、ダヴィは右サイドを駆け上がる砂川にスルーパス。そのままドリブルで駆け上がり上げたクロスに、やはり同じようにパスを出したあと駆け上がってきたダヴィが頭で合わせ、ついに札幌が逆転に成功しました。
 その後、あとのなくなった湘南が意地を見せ札幌陣内に攻め込みますが、その湘南の猛攻に対して身体を張って守る札幌は最後までゴールを許さず、アウェイで貴重な勝ち点3をゲットしました。

 4連勝となり着実に首位固めを行ったわけですが、得点を決めてサポーターの陣取るスタンドに向けて駆けだしたダヴィがブルーノに捕捉されなかったことにブルーノ不在を痛感した水曜日の試合でした。

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コメント (2)

野幌侍:

こんにちは。

何はともあれ今期初の逆転勝利で首位固めとなりましたが、逆転勝利っていつ以来だろう?
あと、首位固めっていつ以来だろう?

某CMを見ていて、「見たことも無いコンサドーレが」というコメントのあと背中に羽の生えた征也がシーズン中にJ1へ飛んで行くという絵ズラが浮かんでしまいました。
こんな落ち着かない居心地の首位っていつ以来だろうw?

kaz8@秋田:

4連勝は実は去年も達成していました
ただ、「引き分けを挟まない5連勝っていつ以来だろう」というと、例の大記録以来となります(^^;;;

ある意味あの頃と似ているといえば似てなくもないです
まあ、茂吉みたいな化け物がいませんが、どうせあいつ有給多かったし、実質的な働きぶりはダヴィとさほど遜色無いのかも(^^;;;

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