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2007年7月30日

データで見るコンサドーレ

 まだ仙台戦の観戦記すら書いていないのですが、ちょっと久しぶりにコラムっぽいコラムを書きたくなったので仙台戦及び鳥栖戦は後回しにして先にこっちを書こうと思います。まぁ月コンの連載も終わって観戦記以外の文章書くこともなくなりましたしね。で、なんでまたいきなり書きたくなったのかと言えば、スポーツナビの斉藤宏則さんのコラムを読んだからです。内容については三浦監督体制下でのコンサドーレの前半戦の戦い方と課題を宏則さんらしくわかりやすい文章で書かれています。で、ここまでの戦術はともかくとして、これからの課題として「今後、札幌でポイントになるのは得点力だろう。」としております。自分も以前似たようなことをここで書いたことですのでやはり守備にある程度のめどが立った以上、この先求められるのは攻撃力ということになると思います。実際上のコラムでも書かれているとおり、前半戦終了時点での札幌のチーム総得点33は、1位ベガルタ仙台(44点)、2位京都サンガFC(43点)、3位アビスパ福岡(40点)、4位東京ヴェルディ1969(39点)、5位湘南ベルマーレ(38点)についで6位。確かに物足りない数字です。上位3チームがいずれも40点を超えていることから、この先の争いを生き残っていくためには攻撃力アップが急務であることは紛れもない事実です。
 しかし、科学は疑うことから始まります。ピンクの象さんが見えていたらその存在を疑わなければいけないし、時には自分の部下も犯人と疑わなければいけないこともあるのです。まぁよく考えれば科学じゃないような気がしますけど、まぁ攻撃力を上げる必要があるのは事実としても、ここであえて「本当に札幌の攻撃力は貧弱なのか」と疑ってみたいと思います。具体的には、「アクションサッカー」を標榜し攻撃型サッカーを展開していた昨年と比べ、今季は言われるほど攻撃力が落ちているのかと思ってちょっと調べてみたのです。

 昨季(2006年シーズン)の前半戦終了時点でのコンサドーレ札幌のチーム総得点がどうだったかというと、39得点でした。今年が33得点ですから、その差は6点とまぁ確かに得点数自体は下がっているのですけど、この去年の39点というのは、ベガルタ仙台の41得点に次いで、柏レイソルと並ぶ2位タイの数字です。もちろん、去年とはリーグのチーム構成も違いますし、どのチームも選手が変わっているのですから単純比較はできません。ただし、前半戦終了時点でのJ2全体の得点数を見ると、2006年が393点、そして今年が389点と、リーグ全体での切った張ったについてはほとんど差がありません。そう考えると、40点超えが3チームもある今年のほうが異常という見方も出来なくもありません。
 で、去年と今年の戦力の一番の大きな違いとして、フッキがいるかいないかが挙げられるでしょう。事実、フッキがいた昨季の39得点の内訳はフッキ11点、砂川と西谷が5点、謙伍とアイカーが4点、池内が3点、カガケンが2点、ソダンと智樹で1点ずつ、魅惑の助っ人オウン・ゴール選手が3度降臨と、やはりフッキの得点が突出しています。そのフッキが抜けたのですから、多少の得点力ダウンは否めないでしょう。ちなみに今季の33得点の内訳は、ダヴィ8点、西谷6点、ソダン5点、征也4点、元気3点、謙伍とカウエが2点、ブルーノ、アイカー、芳賀主将が1点ずつ。フッキがいなくなったのと、途中出場の多くなった砂川の得点が減りましたが、そのぶん征也やソダンの得点が増えていますし、意外とダヴィが頑張っているのもわかります。加えて、攻撃的といわれた昨季でも、1試合で1点も取れなかった「無得点試合」が4試合あったのに対し、今季は3試合とむしろ減っています。
 前半の試合のうち1-0、いわゆるウノゼロの試合が24試合中8試合と3分の1を占めていることからも、爆発的な攻撃力があるわけではないのはわかりますが、それでも割とまんべんなく点が取れているということですし、強力なストライカーがいなくなったということを考えれば、イメージほど得点力ががた落ちしたというわけでもないのではないかと思います。
 まぁだからといってこの数字だけを見て「だから今年の札幌も得点力バツグンなんです!」と言えるほど平和な思考回路は持っていないのですけどね。シュートの数を比べてみると、昨季の350本に対して今季は244本と、まぁ100本以上の差があったりします。つってもそのうち101本はフッキ1人でぶっ放したシュートだったりするんですけど、やぶれかぶれシュートも少なくなかったとはいえ攻撃力という観点からはやはり昨季に比べれば今年は落ちると言えると思います。ただ、決定率については昨季が11.1%、今季は13.5%となっています。まぁ得点を取るのにリスクは多少覚悟でチャンスそのものの数を増やそうというのが去年のサッカーで、攻撃にあまりリスクをかけず、セットプレイなど数少ないチャンスを狙うのが今年のサッカーと、コンセプトそのものが違うので当たり前といえば当たり前なんですが、攻撃力という意味では落ちている反面、決定力は上がっています。ただそのトータルとしての得点力はさほど落ちているわけではない、要するにナムコスターズにしてはよく頑張ってるほうじゃないかと思うわけです。

 まぁそうは言っても攻撃力があるに越したことはないと思いますので、今後は相手をねじ伏せるような攻撃力もできれば身につけて欲しいとは思います。補強も含めてこれからの戦い方に期待したいですね。

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