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2007年9月 6日

小股すくい

2007年Jリーグディビジョン2第37節
水戸ホーリーホック 2-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/馬
     水戸/とき、妙子

 まだまだ続く地獄の遠征シリーズ。山形戦を勝って幸先のいいスタートを切ったコンサドーレは、今節は水戸ホーリーホックとのアウェイ戦となります。現在の水戸は4勝20敗9分という札幌とほぼ真逆の成績で最下位となっている水戸が相手で、後には苦手の愛媛と四国が控えているだけにここは順当に勝っておきたかったんですが、前半10分に先制される苦しい立ち上がり。直後にダヴィのゴールで追いついたもののそのすぐ後にまた失点してしまい、結局その後はゴールを挙げることも出来ずにそのまま敗戦。今季5敗目を喫してしまいました。
 首位のチームが最下位のチームに負けるというのは、ちょっと情けない話ではありますが、もうこのまま永遠に続きは書かれないだろうと思われていたHUNTERxHUNTERが連載再開されるくらい何が起こるかわからないのが世の中なんですから、首位のチームが最下位のチームに負けるくらいのことは起こりえます。水戸も最下位とはいえ、これまでの4勝の中には東京ヴェルディ1969を5-1で虐殺した試合もありますし、第3クールに入ってからの8試合で8失点というのは実は札幌と同じ。もともと笠松はあまり得意な競技場ではありませんし、しかも連続アウェイ戦。波乱の起きる下地は十分ありました。

 今季はここまで33試合を戦って、前半の15分までの失点が未だにないほど試合の入り方が慎重な札幌ですが、この日は立ち上がりから何となくおかしかったように思います。高木の飛び出しのタイミングが遅かったり、ブルーノも簡単に入れ替わられてGKとの1対1を許したり、ソダンも相手に競り勝てなかったりと特にディフェンスラインが不安定。まぁ高木はもともと積極的に前に出るタイプのGKではないですし、ブルーノももともと1対1に強さを発揮するタイプの選手ではないですし、ソダンよりもマーク相手だった西野晃平のほうが身長が高かったのですけど、それにしても普段の高木ならもう少し反応がいいはずですし、普段のブルーノならもう少し粘り強い守備が出来るはずですし、コンサドーレの飛翔の神、つまりマリポーサであるところの普段のソダン(韻)なら10cmくらいの身長差ならものともしないはず。ちなみにマリポーサといえば、王位継承編でキン肉マンチームと戦った場所がコンサドーレもキャンプ地として使っている熊本市の象徴・熊本城。築城400年を迎えた現在は大規模な復元工事が行われており、その修復費用を賄うための寄付を今年3月まで募っておりました。1万円以上寄付すれば城内に名札が飾られるという「一口城主」の効果もあり、最終的に12億円以上もの金額が集まったのですが、述べ2万7千人以上におよぶその一口城主の中に、ロビンマスクとの闘いで熊本城を破壊してしまった「キン肉マンマリポーサ」という名前があるのは割と有名な話です。そういえばソダンもキャンプの合間のオフにここを訪れていますが、とりあえずこの話は水戸戦とは何も関係はありません。
 まぁそんなわけで、そもそもそれぞれの選手の出足が鈍く、ボールの出所を抑えきれなかったという意味ではチーム全体の責任ではあるのですが、これまでは多少マークがルーズになったとしてもほぼ防ぐことができていた守備の屋台骨部分が不安定では、相手が最下位水戸とはいえそうそう簡単に守れるものではありません。

 案の定出足からバタバタしっぱなしの札幌は、前半10分に札幌側から見て左サイドからのクロスを塩沢に頭で合わせられ失点。クロスの出所へのプレッシャーが遅れ、さらにソダンもあっさりと塩沢に前にはいるのを許してしまっており、これでは点を取られても仕方のないディフェンスです。いつもは15分間は持っていたスーパースターの無敵時間もこの試合は10分で終了でした。
 そのわずか1分後、元気が前線でカットしたボールがうまいことダヴィのほうへ転がり、このボールをダヴィが右足でファーサイドに決めて追いついたまではよかったんですけど、さらにその9分後の前半19分、今度は札幌側から見て右サイドからのゴールに向かうアーリークロスを、「デカい和波」西野に頭で合わせられて再びリードを許してしまいました。ここでもソダンが競り負け、高木もパンチングに行ったもののタイミングが遅れたための失点。まるで2004年の試合を見ているかのような失点パターンでしたが、ボールの代わりに西野の頭をパンチングしたのはぎーさんのせめてもの仕返しだったのでしょうか。
 再びリードを奪われてしまった札幌ですが、やはり動きはピリッとしないまま、失点次と似たような状況を作られてしまうシーンが目に付きます。札幌の守備は常に後手後手で、見た目明らかに身体が重そうです。前半はリードされたまま終了。

 後半、三浦監督は元気に替えて謙伍を投入し前線の活性化しようとしますが、どうにも動きはよくないまま。西谷のスルーパスに謙伍が抜け出したり、チャンスがないわけではなかったのですが、チャンスの数よりもピンチの数のほうが多い有様。どっちが首位なのか全然わからない内容です。いつもは慎重な三浦監督も後半12分には征也に替えて砂川を、17分には西澤画伯に替えて池内を投入し打開を図りますが、やはり得点の匂いはしません。まぁ今までの得点だって得点の匂いがしてたかといえば、むしろ得点の匂いなんて滅多にかいでないような気もするんですけど、得意のセットプレイもなかなかうまく行かず。
 ところで、水戸の注目といえばやはり元札幌のビジュ。2002年に札幌を退団して以降、京都、鳥栖、甲府と渡り歩き、今季途中から水戸に加入しましたが、今年33歳を迎える今では札幌にいた頃のような本能の赴くままのプレイはさすがに影を潜めましたが、それでも持ち前の運動量でフィールドを所狭しと駆けずり回り、妙な体勢から無理矢理クリアしたり、ぴょんぴょん跳びはねて一人ヘディングを繰り返したりと、すごいし面白いけど人類としては間違っている宇宙人的な動きは相変わらずで、あり得ない場所に出現してはクリアしていくビジュによって札幌の攻撃は潰されてしまいます。まぁ、ビジュだけじゃなく水戸の守備も集中していましたけどね。個人で打開できる選手がいない札幌にとっては、あれだけしっかり守られるとそうそう崩せるものではありません。
 結局、最後は禁断のソダン大作戦まで繰り出して追いつこうとしましたが、結局追いつくことはできませんでした。

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コメント (1)

じゃがバター塩辛:

chooさん、得点者のところ京都になってます…
野暮な突っ込みはおいておきまして、ビジュ出てたんでしたね。ビジュ対インテリビジュとの対決を見たかったのですが…

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