2007年Jリーグディビジョン2第45節
コンサドーレ札幌 2-1 ザスパ草津
得点者:札幌/サザエさん、ジャッキーさん
草津/陳念さん
あれだけあったリードが気がつけば東京ヴェルディにすぐ後ろまで迫られ、まさに尻に火がついた状態のコンサドーレ。まぁJ1へはとにかく2位以内に入りさえすれば昇格の権利を手に入れることができますし、もっといえば最悪3位でもJ1への道は残されているわけですけど、いかんせん追ってきてるのがヴェルディや京都サンガ、ベガルタ仙台といった地力上位のチームだけに、毎度馬にたとえて申し訳ないですが逃げ専門場みたいな札幌にとっては、1度でも抜かれたら最後馬群に沈んでいきそうな気もしますんで、最後まで粘れるだけ粘ることが大事。それだけにこの草津戦は、下位とのホームゲームという意味でも非常に重要な試合でした。重要度で言えばミラーマンにおける鏡くらいのレベルです。
前節セレッソ大阪戦で、敗れはしたもののある程度守備のやり方を思い出したのか、それともいい加減開き直ることができたのか、とにかく手応えを掴んだらしい札幌は、開始からアグレッシブなディフェンスを見せます。あとは攻撃面をどうするかなんですけど、前回のエントリでも書いたとおりもともとパスを繋いで攻撃を組み立てていくなんて芸当は最初っから持ち合わせてはいないわけで、そんなことができるチームなのであれば去年だって昇格はできないまでももう少しいい勝負はできてたはずで、だったら勝ってた頃はどうしてたかといえば前線からプレスをかけて高い位置で奪ってそのままゴール前まで持っていくか、あるいはうまくフリーキックをもらってセットプレイで決めていたかだいたいどっちかのパターンでした。ロングボールによる攻撃、いわゆる「縦ポン」にしても、やり方そのものの是非はともかくロングボールは「通ればラッキー」程度で、長いボールを前線に送ってその間にラインを上げて、相手に渡っても前からプレスをかけて高い位置で奪ってしまおうという、積極的なんだか受け身なんだかあんまりよくわからない「誘い受け」な攻撃方法だったのかも知れません。そこでうまく奪えれば攻撃チャンスが広がるし、守備が機能してなければまたすぐ最終ラインまでボールが戻ってきて、やっとこさっとこ奪って前線に送ったけどやっぱりすぐ戻ってきての繰り返し、そのうち集中が切れてあっさりやられる、というのがここ最近の失点パターンだったように思います。
まぁそれが改善されてきて、開始から積極的にプレスをかける札幌がペースを掴みます。前半5分、ゴール前まで攻め込んでダヴィがペナルティエリアに突進していき、このボールはいったんはクリアされたものの、そのボールを西嶋が拾います。西嶋がボールを持った位置はエンドこそ違うものの、前節セレッソ戦で元気に合わせたクロスを上げたのとだいたい同じ。元気の水魚のクリアで得点には至らなかったものの、絶妙なピンポイントのクロスでした。この位置からなら、西嶋の持つ最大最強の「ダイナミック・ヒロユキ・クロス」が生きてきます。ちなみに西嶋の唯一の技でもあります。で、その西嶋が放ったダイナミック(略)、いつものコンサドーレであれば「中に誰もいませんよ」となるはずですが、この時はドンピシャの位置でダヴィがなぜかどフリー。けっこう難しいボールだったと思いますが、うまく頭で合わせて先制点をゲットしました。
開始早々のゴールでずいぶんと楽になった札幌は、その後も快調に攻め立てます。狙うは当然追加点。足を痛めた西谷に変わって左ハーフで先発出場した砂川を中心に次々とチャンスを作り出します。そして前半18分、左サイドの相手陣内深くでボールをキープした砂川が戻したボールを受けた芳賀が、すぐさま再び前線にスルーパス。このボールに走り込んでいたのが砂川でした。フリーでボールを受けた砂川はGKとの1対1を落ち着いて左足で決め、2点目をゲットします。早い時間での追加点で、札幌が試合を優位に進めます。
しかし、この得点以降札幌の攻撃は停滞します。守備自体は機能しているので得点を取られる心配はあまりないものの、若干受け身になったのか攻撃もややペースダウン。まぁ2-0ですから前半でそんなに無理をすることはないのですけど、あまりシュートシーンも見られなくなりました。前半はそのまま2-0で終了します。
後半に入ってもあまり状況は変わらず。草津が前がかりになってきたためカウンターのチャンスが増え、ゴール前までボールを運ぶシーン自体は増えましたけど、それでも最後の詰めが甘く得点には至りません。後半1点でも決めて3-0にしておけば草津も戦意を喪失したでしょうし、そうなれば大量点も望めたかも知れませんけど、そこで思惑通りにならないのがこれまた札幌というチームなわけで、点を取ろうという意志は見えるもののそれが結果に結びつかず、やきもきしたまま45分が過ぎてしまいました。そして、後半アディショナルタイム。「最後のチャンス」とばかりに得たコーナーキックからのカウンターで失点してしまい、結局そのまま2-1で試合終了。完封勝利を逃したのはもったいなかったですけど、あれはまぁ、個人的にはあまり監督や選手を責める気にはならないんですよね。確かにあの場面は、ショートコーナーにしてコーナーフラッグ付近でキープして時間を潰すのがセオリー。加えて、草津は点を取るためにコーナーキックでの守備を捨てて前線に5人もの選手を配していました。守りきろうとするのであれば、札幌も前線には上がらずにカウンターに備えて少なくとも同数の選手をマークにつけていたでしょう。もし1点差の状況で同じことをしたのであればオレも怒り狂いますけど、この時点で2点差。まぁ札幌の場合、アディショナルタイム突入の時点での2点差はリードのうちに入らない前科があるんですけど、それはともかくとしてたとえ1点取られてもまだ札幌が勝っています。1点差にされるリスクを充分承知の上で、3点目を取りに行った姿勢そのものは悪いことではありません。得失点差を考えて安全策を採るべきだったという意見も正しいのですけど、逆に言えば得点差を考えたがゆえに3-0にしておきたかったという見方もありますし、後半3点目を取るチャンスが何度もありながら外し続けたこともあって、「どうしても3点目が欲しかった」のだと思います。ギャンブルだったことは否めませんし、そもそもいくつかあったチャンスで3点目を決めていればギャンブルに出る必要もなかったんですけど、決して分の悪い賭けではなかったと思います。もっとも、そこそこ分のいい賭けにあっさりと負けるのも札幌らしさではありますが。
三浦監督はあの場面で「時間をかけろと指示しなかった」ことを悔やんだそうですが、そういう選手の気持ちを感じ取って、指示しなかったのではなくできなかったんじゃないかと思います。その上で、選手に責任の矛先が向かわないようにそういう発言に至ったんじゃないでしょうか。ソダンのミスはしょうがないですね。、あまり膝の状態はよくないのかも知れません。
とにかく、かろうじて首位を守ったコンサドーレ。まだまだ気の抜けない状況は続きますが、もうここまで来たら後先考えずに目の前の試合に全力投球を続けていくしかないと思います。
コメント (2)
またマニアックなネタを紛れ込ませてwww
投稿者: 匿名 | 2007年10月17日 18:55
日時: 2007年10月17日 18:55
厚別で見ていましたが、草津は前半2点目を獲られた時点で選手交代+鳥居塚がトップ下1.1列目位に入ったなんちゃって3トップを敷いたように見えました。
しかし攻撃に人数をかけた途端に危険度が下がるという、ソレ○タルビ○イング並みの矛盾振り。
どっちかといえば右からど真ん中へ流れてくる鳥居塚ならブルーノとソダンの2人掛でも受け流せない程危険度が高かったような気がします。
さて、明後日はどうなることやら・・・。
投稿者: 野幌侍 | 2007年10月18日 23:01
日時: 2007年10月18日 23:01