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2007年10月31日

また一歩

2007年Jリーグディビジョン2第47節
コンサドーレ札幌 1-0 徳島ヴォルティス
得点者:札幌/元気
     徳島/なし

 10人でのアウェイ戦をルーキー岡本のゴールで辛くもものにした札幌は、今節は中3日で徳島ヴォルティスを迎えてのホームゲームです。試合会場が当初の厚別公園競技場から札幌ドームに変更となったこの一戦に集まったサポーターは10,733人。平日夜の試合だったとはいえ、全天候型で市内中心部からのアクセスも良いドームでかろうじて1万人越えというのは、昇格争いまっただ中にいることを考えるとちょっと寂しい気もしますね。かつてとはチームを取り巻く状況そのものが違うのもわかりますが、これが今のコンサドーレの現状だと認識するほかないですね。おニャン子クラブ最初のソロデビューメンバーとして一世を風靡しながら、晩年は札幌ペニーレーンでライブをしていた河合その子を思い出します。でも哀愁のカルナバルは名曲だと思います。
 さて、ザスパ草津、アビスパ福岡を下してようやく不調から脱したと言っていい札幌だけに、前節終了時点で13チーム中12位とブービーに沈む徳島を相手のこの試合は、ホームゲームだけに負けるわけには断固としていきません。しかし、西谷が相変わらず足首のケガで戦線離脱中で、福岡戦に引き続きダヴィも出場停止の上、福岡戦でイエロー2枚で退場となった石井謙伍も出場停止、さらには同じ福岡戦で太ももを痛めて負傷交代した征也も欠場と、トップスコアラーと控えの切り札、そして両翼までを欠くという輪をかけて苦しい状態。もともとFWが少ない上に相川をFC岐阜に貸しており、さらにサテライトでFWをやることも多い西大伍もブラジルに短期留学中(後日談では、こんな状況なので急遽呼び戻されてこの日はスタンドで試合を観戦してたそうです)で、出撃可能なFWの選手は中山元気と「量産型ウィル」のイタカレしかいません。ここまで来て1トップにシステム変更なんてマネを三浦監督がするはずもなく、というわけで自動的に2トップはこの2人。西谷の代わりにはこれまでと同じく砂川が入り、征也の代わりには福岡戦でプロ初ゴールを挙げたルーキー岡本が入りました。当然ベンチにFWはなし。岡本が90分持たないであろうことを考慮したのか上里、関がベンチメンバー入りしています。

 そんなわけで、試合を有利に進めるために主導権を先に握りたい札幌なのですが、どうにもイタカレと元気の連携が悪く、どうフィニッシュまで持っていけばいいのかという感じ。岡本とイタカレならサテライトで一緒にプレイすることが多いので連携面はまだいいように思いますが、その肝心の岡本が緊張からなのかあんまり足が地に着いていない感じで、いい突破を見せることがあってもクロスボールが全部あさっての方向に行ってしまい、イタカレどころか誰にも合いません。そうなると頼りになるのは砂川だけなんですが、徳島もそれは充分承知のようで、なかなかフリーにはしてくれません。イタカレも仙台戦以来の出場ですが、散々な出来で45分で替えられてしまった仙台戦からあまり良くなったという感じもせず、ボールを持ったところで「羊たちの沈黙」のレクター博士のような見た目ほどの怖さはあるわけでもなく、何となく「レオナルド根岸」という言葉が頭をよぎる今日この頃。徳島も札幌のラインの裏を徹底して狙う展開で、地元の試合で燃える石田を中心にサイドからの突破を試みますが、自信を取り戻した札幌の守備陣を崩すには至らず。お互いゴール前までは行くもののそこから先のフィニッシュまでは持って行けないもどかしい展開が続きます。
 そんな感じで前半スコアレスで終わるかと思われた43分、右足アウトでちょこんと出した浮き球パスに抜け出したイタカレが、ついているマークをものともせずゴール前までずんずんと突破。右足で放ったシュートはいったんはGKに阻まれますが、そのこぼれ球を詰めてきた元気が落ち着いて蹴り込みゴール。貴重な先制点をゲットしました。あまり効いているようには見えなかった岡本とイタカレのプレイから先制点が生まれるのですから面白いものです。

 1-0のリードで折り返した後半、札幌としてはやはり早いうちに追加点を奪い、試合を楽に進めたいところ。開始からようやく試合になれてきたらしい岡本が独特のリズムのドリブルでチャンスを演出しますが、徳島のディフェンスに阻まれ得点には至りません。方やイタカレといえば、全体的に札幌がゴール近くまでボールを運べるようになったため、前半よりはゴール近くでボールに触る機会が増えましたが、クロスに対しても有利なポジションを取れなかったり、ドリブルで攻め込んでも地球を蹴ってしまったり、フリーのヘディングで枠を外したり(オフサイド)とまだ攻撃に効果的に絡むことができず。まぁ冷静に考えればC契約の20歳の選手に過剰な期待をするのもどうかとは思いますけどね。北海道民にもスキーできない人は決して少なくないのに、道民はみんなスキーがうまいなんて思われてしまうのと同じように、ブラジル人だからみんなサッカーめっちゃうめーというわけではないのかもしれませんしね。まぁイタカレはサッカー選手なわけですけど。
 追いつきたい徳島もカウンターから得点機を見いだそうとしますが、10人で福岡を相手にアウェイで守りきった札幌はだいぶ自信を取り戻したようで、徳島の攻撃を単発程度に抑えます。いやぁ、キレイに揃ったラインは美しいものです。といっても、この3ラインシステムがいったいどんな強さを持つのか、未だによくわかってないんですけどね実は。結局、マンマークだろうがゾーンだろうが連敗時と何が変わったかと言えば、フォローの意識が強くなったことと、そのためか次のプレイの予測ができてこぼれ球を拾えるようになったことだと思います。結局追加点は奪えなかったものの、しっかり守りきった札幌が逃げ切って3連勝。昇格へまた一歩大きく近づきました。
 欲を言えば、後半の流れで1点も取って欲しかったですけどね。結局一番惜しかったのは、単独突破でGKとの1対1のチャンスを作り出した守備固めで投入されたはずの池内のシュートくらいだったというのも、いろんな意味でどうかと思いました。

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コメント (1)

野幌侍:

>北海道民にもスキーできない人は決して少なくないのに、
>道民はみんなスキーがうまいなんて思われてしまうのと同
>じように、ブラジル人だからみんなサッカーめっちゃうめ
>ーというわけではないのかもしれませんしね。まぁイタカ
>レはサッカー選手なわけですけど。

<激ワロタ!
まぁ、我々は既にビジュの教訓を忘れてしまっているわけですが。柱谷哲司の記憶と共に・・・。

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