2007年Jリーグディビジョン2第48節
愛媛FC 0-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/大伍
愛媛/なし
ホームで徳島を下して3連勝を達成し、ここに来てやっと「元の自分を取り戻した」と言えるようになった札幌。第4クール突入前後の絶不調さえなければ、今頃は左うちわでJ2を眺めていることができたはずですけど、残り4試合となった第48節現在でも未だに昇格決定には至っておりません。本来であれば首位なんですから、リーグでもっとも昇格に近いチームであるはずなんですけど、そんなこんなでもたついた時期があったせいで、あれだけあった貯金をあっという間に使い果たしたため、今では鬼婆みたいな形相でピッタリくっついて離れない東京ヴェルディを始めとした2位グループに追い立てられている感じしかしません。まぁ「止まると食われる」というそのギリギリ感がいい緊張感を生んでいるのかも知れませんし、最初うまく行っていながら途中で挫折・苦境を味わってそこから復活するなんてのは、これまた黄金期の少年ジャンプパターンみたいで悪くはないのですけど、そんなことを言えるのはまず昇格が決定してからですので、このまま昇格決定まで突っ走りたいところ。 それにはまず目の前の敵を倒さなければいけません。しかし、今節の相手は愛媛FCとのアウェイ戦。愛媛がJ2に参入したのは去年の話ですが、昨年からの通算成績は2勝2分3敗とあまり相性がいいとは言えず、さらにはアウェイ戦では3試合で3敗とまだ1度も勝っていません。ホームではまだ負けたことがないだけに、松山には何か異次元の力が働いているような気がします。まぁ、実際異次元の力で2人ほど消え去った試合がありましたけどね。
で、そんな過去の成績は関係なくこの試合に勝たねばいけない札幌ですが、出場停止のダヴィと謙伍は戻ってきたものの、ケガの西谷と征也、西澤画伯はまだ間に合わず欠場とまだ万全とは言い難い状態です。前節に引き続き左サイドに砂川、右サイドに岡本が入り、短期留学先のブラジルから急遽呼び戻された、三浦監督曰く「秘密兵器」の西大伍がベンチ入りしました。
中2日ということもあり体力的にはつらいはずですが、昇格のためにとにかく勝点3が欲しい札幌と、もとより昇格よりはどんな相手でも自分たちのサッカーを貫くことがコンセプトの愛媛。このあたりの外連味のなさはいつもながら好感の持てるチームですが、試合は開始から真っ向勝負の展開となります。早めに先制点が欲しい札幌が攻め込む機会が多く、。中2日の影響はとりあえずは感じさせないな…と思っていた矢先、それは思いもよらぬ形で現れてしまいました。まだ試合が始まったばかりの前半9分、突然大塚が何もないところで膝を抱えて転倒。状況からして相当重いケガであることは明白で、すぐさま池内が投入されました。またしても前半の早い時間に選手を替えなければならない事態となってしまいました。大塚も痛いでしょうがチーム的にも痛い状況です。交代の池内は右サイドバックに入り、容臺がボランチに入る布陣。容臺はもともとボランチの選手ですし、池内も何度もやってきたポジションなので問題はないようで、大塚の負傷退場のショックはひとまずは感じられないようです。スタメン2試合目となる岡本も早くも馴染んだ感がありずいぶん自信をつけ始めているようでボールに触る機会も多く得点が入りそうな予感はあるのですが、札幌出身の愛媛MF赤井秀一がずいぶんと効いており、なかなか崩すには至りません。ちなみにこの赤井、スカパー!の中継では「コンサドーレの練習に参加したが契約してもらえなかった悔しさもある」というコメントが紹介されていました。確かにこれまでの札幌戦での彼の活躍を見れば札幌戦で並々ならぬ闘志を燃やしているのはよくわかります。よくわかりますが、選手の獲得にはチーム事情やいろいろな要因で契約まで至らないことも多々ありますので、若干逆恨みのような気もしないでもありません。赤井がルーキーイヤーだった2004年に札幌に入団したルーキー8人のうち、今現在チームに残っているのはレンタル移籍中の選手を除けばたった2人しかおらず、しかもその2人も今年はほとんど試合に出ていない(上里の場合は大ケガもあったので事情はちょっと違うかもしれませんが)のですから、普通ならそれで落とされたオレはなんだったんじゃいなどと思っても仕方がないですし、気持ちはわかならいでもないですね。ところでこの赤井秀一と同姓同名の人物が「名探偵コナン」に出てきまして、その赤井秀一はガンダムのシャア・アズナブルから名前を取ったそうです(シャアの異名「赤い彗星」にシャア役の声優・池田秀一さんの名前を合わせた)が、愛媛の赤井秀一も赤いユニフォームを着せたら3倍のスピードになったりしますかね?
愛媛も細かいパス回しや大胆なサイドチェンジでチャンスを作り出しますが、札幌の最終ラインが跳ね返すという流れです。そういえば、昔マガジンで連載していた大島司先生の「シュート!」という超人サッカーマンガ(要するに講談社型キャプテン翼)に出てくるDF氷室明彦という北海道の選手が「北海の氷壁」と呼ばれていましたが、今のコンサドーレはまさしく北海の氷壁。融解することもあるのは気にしないこととして、ここ3試合で1失点、そのうち1点も無理にでも点を取りに行った結果ですから、今の氷壁はそう簡単には破れないでしょう。ちなみに氷室くんは劇中で卒業後コンサドーレ札幌に入団しています。元祖超人サッカーのキャプテン翼には松山光という選手が同じくコンサドーレに入団していますが、彼もDFでした。そんなに北国は守りの生活だと思われてるのでしょうか。どうせニポポ人形が大きな鍵を握ってるとかナホトカ生まれで心臓に持病を持ってるとか女子高生が羽はやして戦闘機と戦うとか思われてるに違いない。そんなわけで前半は0-0のまま終了。
後半も似たような試合展開が続きますが、しかしやはり点が取れません。三浦監督は後半12分に元気に替えて謙伍を入れて戦局の打開を図りますが、さすがに少し焦りが出てきたか、前がかりになりすぎるという感じではないものの、ちょっと攻撃が単調になってしまい、徐々にペースを愛媛に握られていきます。後半24分には早くも最後のカードを切る三浦監督。疲れの見えた岡本に代えて大伍を投入します。しかしこの時間くらいになると前線にあまりボールが行かなくなり、大伍もほとんどボールに絡めない状態です。基本的に彼もボールを持ってなんぼの選手なので、ボールが回ってこないとキツいものがあります。こういう時いつもなら頼りになるはずの砂川もちょっとお疲れ気味でボールを持ってもパスミスが目立ち、かといってダヴィが一人で何とかできる選手ではないのはそのめんこさとともに証明済みで、要するに八方ふさがりの状態。愛媛が元気すぎというのもあるんですが、1.愛媛攻める→2.札幌跳ね返す→3.ボール奪う→4.ミス→1.に戻るというのを延々繰り返すだけでそれ以外に特に特筆すべきことはなんにもなく、いつの間にやら試合もアディショナルタイムに突入。このままスコアレスドローかと皆が思っていたであろう終了間際に、ドラマは意外な形でやってきました。なりふり構わずソダンを前線に上げてのパワープレイで、砂川が入れたクロスをソダンが競ってこぼれたボールはいったん愛媛のDFにクリアされかけますが、そのボールに走り込んで奪った大伍が角度のないところから右足のシュート。「実はクロスだった」というボールはスローモーションのようにGKの頭上を越えクロスバーにあたりゴールインしました。窮地のチームを救う値千金のゴールを決めたプロ初ゴールの大伍に待ち受けているのは当然芳賀主将を始めとするラッシュ…かと思いきや、小悪魔的なルックスでサポーターはもちろん選手の間でも腐女子的な意味でかわいがられている大伍を待ち受けていたのはチームメイトによる大伍争奪戦でした。大伍に折り重なるチームメイトたちの姿を見て不穏な妄想をした終わってる方々も多いかと思われます。
そんなわけで、劇的な勝利で4連勝と松山での初勝利を記録した札幌は、がっちりと首位をキープ。昇格へまた一歩近づいたのでした。
コメント (2)
コンサには氷室君や松山君のほかに小田和正君も入っていた
はずですが。ええ、南宇和中戦でシュートを外しまくった
ふらの中のFWです。今ごろは地域リーグにレンタルという
裏設定があったりして。なお、松山君もイーグルショットが
「せっかく養生したドームの芝を傷めるので使用禁止」との
通達にブチ切れて、とっくに移籍したという裏設定を聞いた
ことがあります。
>終わってる方々も多いかと思われます
webでも見られる報知の10月28日付記事の写真。
コレを撮ったカメラマンは確実に終わっている人種だと
思います。この写真の3人にフキダシ付けて「セリフを
入れなさい」という企画でもしたら、どんな展開になる
ことやら。
つーか、優也よ、新妻ひとりでは満たされ【以下自粛】
投稿者: はかたん1号 | 2007年11月 6日 02:27
日時: 2007年11月 6日 02:27
北海の氷壁が融解しがちなのは地球温暖化のせいっすかね?
ちなみに松山君に関しては、なんとはなしにFC瓦斯に移籍したと言われてしまえば納得してしまうかもしれません。今野の活躍と共に。
投稿者: 野幌侍 | 2007年11月 7日 01:47
日時: 2007年11月 7日 01:47