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2007年11月14日

そう簡単には…

2007年Jリーグディビジョン2第49節
サガン鳥栖 1-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/なし
     鳥栖/衛藤

 愛媛戦での劇的ゴールから天皇杯を挟んでの今季アウェイ最終戦。J2やJFL、大学生チームがJ1チームの前に相次いで敗れ去る中、J1アルビレックス新潟に逆転勝利を収めて現在のところ唯一のアップセットとなったのが本日の対戦相手となるサガン鳥栖です。そんな天皇杯を余裕の自主免除で左うちわとなっていた我らがコンサドーレ札幌は、この試合に勝てば他の条件次第でJ1昇格が決定します。ところで前回のエントリで昇格条件を「京都と仙台が負けなければいけない」と書きましたが、正しくは「京都と仙台が引き分け以下」でした。ごめんなさい。もっとも、この試合の後に行われた京都サンガFC対モンテディオ山形戦で京都が勝ったため、いずれにしても今節の昇格決定はなかったわけですけど、結局それとは関係なく0-1で敗れてどうでもよくなりました。

 ありがたいことです。

 いや、ホームで昇格というお膳立てが整ったという単純な理由じゃないんですよ。もちろん結果的にはそうなったわけですけど、既に昇格の目のない鳥栖が本気で来てくれたことについては感謝したいです。こういうギリギリの状況でしんどい思いをしてJ1昇格をつかみ取ることができたなら、前にも書いたとおりそれは大きな財産となると思いますし、そこまでして得たものをそう簡単に手放すわけにはいかなくなるでしょう。まぁそこまでして上がれなかったらどうすんだって話もあるんですが、その場合は何かが足りなかったから、と思うしかないですよね。どちらにしても残り2戦全力でやって勝ちに行くしかないわけです。

 さて試合ですが、新潟を倒す前のリーグ戦でも京都を相手に3-0で快勝し、今やノリにノってると言っていい鳥栖が、開始からガンガン前に出てきます。現在ゴールランキング日本人トップを走る藤田祥史は執拗にラインの裏を狙い、高さのある金信永もその藤田をサポートする形でポスト、飛び出し、シュートなどあらゆる役割をこなし、2列目3列目はもちろんサイドバックまでガンガン上がってきます。90分戦うことなど最初から考えていないかのような攻撃に札幌のラインはどんどん押し込まれます。札幌の守備陣もさすがにそうそう簡単には崩されないレベルにはなっていますが、とはいえ守護神高木のファインセーブでなんとか防いだシュートも決して少なくありませんでした。
 こちらが反撃しようにも、鳥栖に押し込まれてラインの下がった位置からFWめがけてロングボールを蹴ったところで正確性は落ちる上、ダヴィや元気が競り勝ったとしても間延びしたポジションでは中盤がボールを拾うこともままなりませんし、たまにヨンデや芳賀主将を経由して大胆なサイドチェンジからいい展開に持っていくこともあるのですけど、砂川が好調時のキレには程遠く、また征也も本調子とは言い難い出来。中盤がキープできなければサイドバックも怖くて上がれませんから、波状攻撃を仕掛けることも出来ず札幌の攻撃はいずれも単発に終わります。ロングボールもダメ、両翼が死んだも同然ならば残る策といえば札幌の奥の手である必殺セットプレイ。というよりは、今季は毎試合最初から奥の手しか使ってないような気もしないでもないんですけど、その奥の手もチャンスらしいチャンスといえばこれくらいで池内のロングスローからこぼれ球を元気がボレーシュートを放った惜しいシーンがあったくらい。このシュートは身体を張ってクリアした鳥栖DFを褒めるべきでしょうけど、元気ってこういう「格闘ゲームで苦労して出した必殺技をあっさり返される」パターンが多いですよね。きっと好きなマリオカートでも、みんなから赤亀ぶつけられまくって抜かれまくってるに違いありません。

 そんなわけで前半は0-0で終了したわけですが、危ないシーンもあったとはいえ、結果的に「相手が攻めているのに点が取れない」という札幌にとっては黄金パターン。あとは後半も相手の運動量が落ちる頃を狙って先制点を取ればいつもの理想的な展開…だったんですけど、そんな後半は鳥栖以上に大きな敵が待っていました。そう、大洋です。いや違います。ポンセとか田代とかレイノルズとかじゃないです。スーパーカートリオでもありません。間違えました。太陽です。鳥栖スタジアムはどうやらホーム側のゴール裏スタンドが南西の方角を向いている構造になっているようで、時間帯的に後半はホーム側に陣取った札幌は太陽に向かって攻めることになります。直射日光が目にはいるのか、何となくやりにくそうな守備陣。そして後半4分、相手DFがクリアしたボールを競りに行ったソダンがバウンドに合わせ損なってボールを後ろに逸らしてしまいます。その逸らしたボールを金信永に拾われ角度のないところから打たれたシュートはいったんはGK高木がはじきますが、こぼれ球を詰めてきた衛藤に押し込まれ失点をしてしまいました。敵にパスすることはあってもハイボールの目測を誤ることなど滅多にないソダンが、別に変な回転がかかっていたわけでもなさそうな単純なボールに合わせ損なうんですから、やっぱり太陽が目に入ったんでしょうね。
 1点を追う立場になったとはいえ、まだ時間はたっぷり残されているのですから、まずは追いつきたい札幌は、ますますかさにかかって攻めてくる鳥栖の攻撃を何とかかわしながら反撃のチャンスを伺います。いつもは慎重な三浦監督も早め早めの選手交代で、13分には不調の砂川に替えて岡本を、その5分後には元気に替えて謙伍を、さらにその6分後に池内に替えて大伍と立て続けに若手を投入します。さすがに鳥栖の運動量が落ちてきたのと、中盤でのポイントが出来たのでそれなりにチャンスを作ることは出来るようになりましたが、肝心のフィニッシュがどうにもこうにも悪く決めることが出来ません。ヨンデのミドルシュートは入ったと思ったんですけどねぇ。ダヴィのめんこいドリブルやめんこいシュートも、そのあふれ出るめんこさとは裏腹にあまり相手には脅威になっていないようで、最大のチャンスと思われた岡本からのスルーパスも、大事に行きすぎてあまり得意ではないはずの右足に持ち替えてしまいGKに阻まれてしまいます。刻一刻となくなっていく残り時間、せめて1でも勝点をとばかりにソダンを前線に上げて最後の最後までゴールを狙いましたが、サポーターとしても奇跡の展開を期待してしまうのですけど、結局ゴールを破ることは出来ず。何となく「奇跡は起こらないから奇跡って言うんですよ」というセリフが頭をよぎったわけですが、アウェイ最終戦を勝利で飾ることは出来ませんでした。

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コメント (2)

魚鬼:

必殺技って、外しても「すげぇ威力だ」でなければなりません。
ギャラクティカ・マグナムだって会場の壁に大穴が空きます。
なのに元気の必殺技は放物線を描くばかりです。
嗚呼、華麗な直線を引くような元気のシュートを見てみたいです。
(叩き付けるヘディングも可)

野幌侍:

西の速さは~、征也超えてる~。
静かに上げてるように、クロスが来る~。
J1目指さないほうがグゥレイト!と言うけど~。
僕は多分グゥレイト!しないハズだから。
僕が選んだコンサを見~たい。J1で。
ダヴィのシュートは~、股を抜いてく~。
キーパー泣いているように、胸に響く~。
(某同人誌ガン○ムエンディングテーマの替え歌)

どんなに吹き飛ばされても僕らはまたJ1昇格を目指すよ。
一緒に闘おう!

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