来季の新戦力として、新人選手4人の加入が発表されたことはここでも触れたとおりですが、いずれも将来性のある有望選手だとはいえ、さすがにルーキーだけでJ1を乗り切るのは無茶というもの。クラブは来季も三浦俊也監督に指揮を執ってもらう方針でいるようですが、一般的に言う4-4-2のサイドバックというのは、守備ラインにいながらも攻撃への有効な参加機会を求められ、それゆえに守備力と攻撃力を高いレベルで兼ね備えている選手が求められます。とはいえ、そんな選手がそうそう転がっているわけもないので、現実は守備といっても多くの場合は相手のサイドアタックを封じる役割がメインで純粋なディフェンダーとして求められる役割とは多少異なりますし、攻撃時の数的優位を作り出すための強襲用兵器として、どちらかと言えばアタッカー色の強い選手や有効的な攻撃参加を行うためにスピードのある選手を配置するのが一般的です。極端な例ですが元ブラジル代表のロベルトカルロスのような感じの選手ですかね。
対して今季を見ててわかるとおり、三浦監督の4バックはセンターバックタイプを4人並べるのが基本形。おそらくこれはクロスに対して逆側のサイドバックが中に絞った際のマークのミスマッチを減らす意図があるのだと思いますが、今季でいえば右から西澤画伯、ソダン、ブルーノ、西嶋といういずれも高さがあって空中戦に秀でた選手がメインでした。来季も三浦監督が指揮を執るのであればやはりこの形が基本になると思いますが、ブルーノが退団し、さらに吉瀬広志もガイナーレ鳥取に期限付き移籍となったこともあって、ここの補強は何かしらあるだろうというのが通説でした(その後、上田常幸もツェーゲン金沢への期限付き移籍が延長された)。
というわけでその補強第一弾(たぶん)となる、清水エスパルスのDF平岡康裕選手の期限付き移籍が発表されました。「ディフェンダーの平岡が来る」と聞いててっきり平岡靖成か平岡直起かジャスコ平岡が来るのかと思ってしまったりもしましたが、こっちの平岡選手は1986年5月23日生まれでまだピッチピチの21歳。名門・清水商業出身でU-18、U-21、U-22日本代表候補にも名を連ね、層の厚い清水のDF陣の中にあってなかなか出番には恵まれないがらも2年目から試合に出場しており、能力的には折り紙付きの上、ファン感謝イベントでは女装姿を披露という、割と真面目な選手の揃うコンサドーレにおいては異色の存在となりうる逸材です。182cmと上背がある割には65kgとスポーツ選手としては線の細い感じではありますが、とりあえずしまふく寮でいっぱいご飯を食べて大きくなって欲しいと思います。いろんな意味で。