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2008年2月19日

敵は水前寺にあり・その2

 前回の続き、レギュラー組が登場した3本目と4本目についてです。

 3本目のメンバーはGK優也、DF左からつぼちん、ソダン、ミツ、容臺、MF左から西谷、芳賀、マーカス、スナマコ、2トップがダヴィとノナトというメンツ。J1でも戦力は最低クラスとは言え、それでもさすがにサブ組とは迫力が違います。水原は3バックのようですが、割と高めのラインの裏を突こうという意志は見えるものの、ノナトがオフサイドに引っかかることが多く、逆に開始早々に相手CKからのクリアミスを決められいきなり1点のビハインドとなります。とはいえソダンとミツのCBについては、ソダンの空中戦は昨季Kリーグ2位の水原のレギュラークラスを相手にしても決して見劣りはしませんし、ミツもさすがに(札幌にしては)大枚をはたいて買っただけあって対人にしろカバーリングにしろ空中戦にしろさほどの欠点は見られず、おそらくはこの2人が中心となるだろうという感じで、少なくともブルーノが抜けた穴を感じることはありませんでした。まぁところどころスペクタクルが出るのはお約束ですけど。なんだかんだでブルーノもけっこうスペクタクルでしたし。とはいえ、サブ組もそうでしたがグアムキャンプでDF陣の別メニューが多かったこともあるのか、連携面ではまだ多少の不安が残ります。
 試合は全体として荒れ気味で、ノナトが相手を押したのをきっかけに乱闘になりかけたり、ダヴィもかなりいれこんでイライラしている感じで、なかなか思うように行っていないことを伺わせます。そのダヴィとノナトの2トップは、のっぽとふとっちょという対照的な外見とは裏腹に、プレイスタイルはあまり変わらないのか、ノナトもダヴィ同様自分からボールを持って仕掛ける「アタッカー」というよりは、周りのお膳立てをゴールにねじ込む「フィニッシャー」というような感じで、球離れはいい反面強引さはあまりなく、オールラウンダーで俺様だった俺王様とは体型以外の共通点はなさそうです。まぁあまりボールが回ってこず気の毒な面もありましたが、気になったのがボールに対して同じ動きをしてしまう、要するに「かぶる」ことが多かったこと。攻撃でまったく同じ動きを求められるのは第7使徒を倒す時くらいだと思うのですが、これじゃ相手は崩せません。その後も何度か攻め込む機会はあるものの、フィニッシュまで持っていくことが出来ずに決められない中、逆に3本目終了間際に左サイドからのクロスを決められて0-2となり3本目を終了しました。
 ここまで0-4といいところなしの試合となれば、あとはもうここまでのテストマッチで2得点を挙げている岡本賢明に期待するしかないわけで、地元熊本出身とあってご家族やルーテル学院サッカー部の後輩たちも見に来ていましたが、4本目の頭から出てくるかと思いきや、交代出場したのは吉弘に替わって入った西嶋と西谷に替わって入った征也の2人のみ。坪内がCBに入り西嶋が左サイドバック、スナマコが左サイドに回って征也が右サイドというフォーメーションで、サブ組でも出場した征也を再び使うということは、岡本の出番はなさそう。前日の練習でもフルメニューをこなしていましたし、控え選手のアップも普通にしてましたので怪我や病気などではなさそうでしたが…(後日談として、脚に張りを訴えて大事を取ったとのこと)。いずれにしても熊本キャンプ最大の注目点を見ることが出来ずしょんぼりなオレ。
 で、試合のほうは3本目とあまり変わらず。失点こそなかったものの、多分に相手のシュートミスなどに助けられている感があり、横パスをカットされたりなどの危ないパスミスが随所に見られたり、相手の9番(ブラジル人)に翻弄されて崩されたりと、むしろピンチは3本目よりも多かったと思います。
 そのぶん(と言っていいかどうかはわかりませんが)決定的なチャンスがないわけでもなかったのですが、4本目終了間際のダヴィのシュートが相手GKにはじかれたところを詰めてきたマーカスが放ったシュートがゴールライン上で相手DFにクリアされるなど、「なんでこれが入らないのかなぁ」というシーンもあり、ツイてない日でもあったんでしょうね。その流れを作ったのはおそらく1本目開始早々の決定的チャンスでに盛大にぶっぱずした智樹ではないかと思いますが。まぁ、相手のGKもうまかったのですけどね。多分あれが韓国代表(を招集停止されている)GK李雲在なんでしょうね。試合中ウィンドブレーカー着てたので背番号がわからなかったのですけど。
 で、トータルして「去年とどこが変わったか?」といわれれば、良くも悪くも去年とあまり変わっていないですね。去年も勝っていたとはいえ内容的に相手を上回った試合はさほど多くはありませんでしたし、そう考えると劣化はしていないものの現状で大きな進化も見られない、という感じでしょうか。ただ、いろいろ去年と違うことをやろうというのは何となく見えたような気がします。具体的にはサイドチェンジの多用、高いラインの維持、ボランチの飛び出しなどですが、いかんせん今のところはそれが裏目に出ることも多く、連携の熟成も含めてまだ少し時間はかかりそうな印象です。個人技で点を取れる選手がいないこともあって、やっぱり今年もセットプレイが鍵を握りそうですね。後ろ向きの意味で。

 とはいえ、翌日の練習も終始和やかな雰囲気で行われており、チームの雰囲気自体は悪くありませんでしたから、その当たりは救いでしょうか。熊本キャンプも始まったばかりで、開幕までトレーニングとテストマッチを繰り返す中で戦術の熟成を指定ってもらえればいいと思います。水原戦に欠場した岡本もフルメニューをこなして終了後も松井さんとマンツーマンで基礎トレーニングを長い時間行っていたところを見ると、大した怪我ではない模様です。もっとも、終了後の「松井さんプレス」による別な怪我をしていなければの話ですが。
 あと、その自主練習でのフリーキック練習を見ている限りでは、今年の直接フリーキックは征也に蹴らせてみたら面白いのではないかと思いました。

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