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2008年3月18日

まぁいいや

2008年Jリーグディビジョン1第2節
コンサドーレ札幌 1-2 横浜F・マリノス
得点者:札幌/馬
     横浜M/大島×2

開幕戦で鹿島アントラーズにアウェイで大敗を喫したコンサドーレは、ホーム開幕戦を迎えました。6年ぶりのJ1の舞台となった札幌ドームで、ホームのサポーターに初勝利をプレゼントしたい札幌ですが、相手はこれまた強豪チームの横浜F・マリノス。かつて地元出身の中心選手としてその期待を一身に背負い札幌でプレイしていた、今では日本代表の10番をつけるまでになった山瀬功治を始めとして、中澤佑二ら代表の中心選手を抱え、前節はやはり優勝候補の一角である浦和レッズに競り勝ったチームが相手。Jリーグでもトップクラスの高さを誇る中澤を擁するマリノスを向こうに回して、唯一その中澤を空中で撃墜できる可能性を持つソダンは腰の痛みを抱えて開幕戦に引き続き欠場、西谷とノナトもまだケガが癒えず、守護神高木も間に合わずと相変わらず苦しい状況です。

 そうでなくてもJ1最下層の戦力に過ぎない上に、怪我人が続出したり助っ人がハヤテのごとく去っていったりなどでチーム作りが遅れた状態でJリーグ王者を相手にしなければいけなかったとはいえ、開幕戦では45分で決壊したディフェンスとろくすっぽチャンスも作れずじまいだったオフェンスに対して、さすがに三浦監督もテコ入れを行ってきました。まず守備については新井場や野沢に蹂躙され続けた右サイドに、開幕戦ではセンターバックでの出場だった坪内を入れ、空いたセンターバックには開幕戦はベンチだった吉弘を入れました。攻撃面ではボランチで使ってくるかと思われたクライトンをFWに入れてダヴィとの2トップとし、両サイドも開幕戦で左サイドでスタメン出場した砂川を外して右サイドで出場した大伍を左に入れ、右サイドに藤田征也を入れてきました。

 未だチーム作りに試行錯誤をせざるを得ない中、鬼が出るか蛇が出るかといった感じのスタメン編成。戦術にブレはそれほどないため、あとはその中で(強いチームを相手に)誰がどれくらい出来るのか、ということになるのかと思いますが…それはともかくとしてキックオフのボールを何の考えも無しにどかん前に蹴って相手に渡すのは可能であれば遠慮していただきたいんですがどうなんですかその辺。ただでさえマイボールに出来ることが少ないのに、その数少ないマイボールを簡単に相手に渡してしまうなんて、札幌の選手はもっとボールを大切にするべきだと思います。翼くんも言ってるじゃないですか。「失って初めてわかる、ボールは長い友達」だと。
 そんなわけでやっぱり試合は開始からマリノスペース。鹿島戦と同じようにマリノスの細かく速いボール廻しに守備は後追いを余儀なくされ、あちこちにほころびが生まれます。11分、坂田にスルーパスからラインの裏に抜け出され、飛び出してきた優也までも交わされて無人のゴールへシュートを打たれてしまいます。万事休すかと思われた刹那、スライディングで飛び込んできた吉弘が顔面でクリア。石崎くんもかくやというような吉弘のプレイで息を吹き返したか、20分過ぎから札幌がペースをつかみ始めます。21分には大伍が中に切れ込んで打ったシュートが詰めていた征也に渡り、征也がダイレクトで打った当たり損ねのシュートをクライトンが押し込みます。これはオフサイドで得点は認められませんでしたが、鹿島戦では揺れまくりだった味方のゴールネットに対してついぞ揺れることのなかった相手のゴールネットが揺れたことで、ある程度の自信が付いたのかもしれません。その後もクライトンを中心に何度かチャンスを作り出し、43分にはダヴィがうさんくさいPKをゲットして絶好の先制機を得ますが、このPKでクライトンがクロスバーにぶち当ててゴールならず。ダヴィが蹴って失敗するならわかりますが、クライトンまでが失敗するとは思いませんでしたね。やっぱりプレデターだけに温度変化のない無機物は見えなかったんでしょうか。
 というわけで絶好のチャンスをフイにしてしまった札幌。鹿島戦では後半から一気に崩れてしまったこともあり、前半のうちにリードできなかったのはかなり痛いかと思われましたが、意外にも先制したのは札幌でした。後半7分、左サイドでボールを持ったクライトンが右足アウトサイドでクロスを入れると、そこへ走り込んできたのは、前半は対面の小宮山への対応に追われてなかなかボールに絡めなかった征也でした。相手のマークを受けながらも征也が胸でボールを落とすと、待ちかまえていたダヴィがボレーでの必殺ひづめシュートをお見舞いします。不得手な右足で打ったため、大げさな前振りにしてはボッテボテなシュートだったのが幸いし、キーパー榎本も一歩も動けずマリノスゴールに突き刺さり、待望の先制ゴールが生まれました。
 さて、先制したはいいものの、試合はアディショナルタイムを含めればまだゆうに40分以上は残されているという時間帯です。J1相手に無失点で抑えることの難しさは開幕戦で身に染みていますから、可能であれば2点目を取りにいくことが求められるわけですが、点を取りに行って点が取れるようなチームであればそもそも苦労はしないわけで、格下相手に流れの中で失点をして尻に火が付いたマリノスに対して防戦一方となってしまいます。三浦監督も岡本を投入したり砂川を投入したりとなんとか反撃の手を打ちますが、カウンターをお見舞いしようにもボールを奪う位置が低い上にクリアが精一杯の状態だったので、なかなかボールを前に運べません。
 一番痛かったのはダヴィを交代させざるを得なかったことでしょうか。もともとかぜっぴきで頭痛を抱えていたそうですが、39分に元気と交代。既に守りきることを考えるべき時間帯でしたから交代策としては間違いではないのですが、マリノスとしてはクライトンの次にイヤだった相手がいなくなったことで、ほぼ後ろを気にせず攻めることができるようになりましたからね。結果、40分にCKからどフリーの大島に決められると、そのわずか1分後に山瀬のシュートを優也がはじいたこぼれ球を再び大島に押し込まれてあっという間に逆転されてしまうともはや札幌に反撃の体力は残されておらず、結局そのまま1-2で敗戦となってしまいました。

 というわけで、手に仕掛けていた初勝利をわずか2分で逃してしまった格好ですが、それなりに手応えを得られた試合だったように思います。とはいえ、最初のCKからの失点は余計でしたね。飛び出してボールに触れなかった優也と、大島を捕まえきれなかったマーカー、2つミスが重なればJ1ではほぼ確実に失点してしまうわけで、せめて引き分けにはおさめたかっただけに残念な失点だったと思いますが…。まぁ優也はあれが普通ですし。
 目に付いたところでは、まずは鹿島戦ではほとんど何もさせてもらえなかった大伍がずいぶんとボールに絡めていたこと。まぁもう少し粘ってほしいところもありましたし、一発チョロパスをカットされてピンチを招くプレイもありましたが、少なくともこの先の可能性は感じられました。同じようびっくりどっきりパスは大塚さんもやってますし
 あとは移籍後初スタメンの吉弘も総じて危なげのないプレイをしておりました。開幕戦でスタメンから外れた理由は戦術理解度によるものみたいな報道がありましたが、少なくとも能力的にはJ1でも十分やっていけるレベルにはあることを証明したと思います。主にネタ方面でもがっちりサポーターのハートをキャッチと、ソダンとのコンビは別の意味で新しい世界を見せてくれるかもしれません。
 対照的に平岡は…どんなもんでしょうね。カバーリングは確かにうまいのですが対人や高さ面ではやや弱く、一番の売りのはずのスピード面も坂田に簡単に振り切られてましたし…まぁ坂田のスピードも相当なものですから相手が悪かったとも言えますけどね。鹿島戦と合わせて見ても今のところは確かにブルーノの穴を埋めていることは間違いなさそうです。けっこう自信なさげにプレイしているように見えるので、慣れてくれば化けるかも知れません。
 岡本も鹿島戦に引き続いて何もさせてもらえませんでしたが、彼もあまり心配はしてません。近いうちに仕事ができるようになると思いますし、まだ札幌にはノナトやソダン、ぎーさんがいます。まぁノナトは未知数としても、あと2回変身を残している状態です。もっとも、2回変身してもトランクスにあっさり切り裂かれたりする運命かも知れませんけど。幸いナビスコカップという絶好のテスト機会があるわけですから、これがMAXではないことを見せてもらいたいと思います。

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コメント (1)

魚鬼:

地面に叩きつけるのがヘディングの基本ですが、吉弘のアレは自分の頭を芝生に叩きつけてのクリアーで、頭よりも頚椎大丈夫?と思いました。

ソダン始め怪我人のその後の情報がありませんね。格上相手に、こっちが駒落ちではもっと苦しいわけで、復帰が待たれます。

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