2008年Jリーグディビジョン1第7節
ヴィッセル神戸 1-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/ダヴィ
神戸/石櫃
0-0の引き分けに終わったナビスコカップ・ジェフユナイテッド市原千葉戦を挟んで、コンサドーレ札幌はヴィッセル神戸とのアウェイ戦を迎えました。水曜日のナイトゲームから中2日での試合ということで、試合の翌日に札幌に帰ってもすぐまた翌日に出発しなければならないことから、千葉戦のあとは帰札せず直接神戸に向かって現地調整した札幌は、千葉戦で入れ替えたメンバーを元に戻し、靱帯を痛めて戦列を離れた中山元気の代わりにFWにクライトンが入り、空いたボランチにディビットソン純マーカスが入った以外は第6節の磐田戦と同じメンバーで臨みます。
同じくナビスコカップでは主力を外していたホームの神戸ですが、リーグ戦では前節までで2勝2敗2分の9位。まずまずの成績ではありますが、4節までは2勝2分と負けなしだったのが、第3節ジュビロ磐田戦で負傷し戦線離脱したレアンドロの穴を埋めきれず、第5節東京ヴェルディ戦、第6節京都サンガFC戦と昇格組に連敗。これまた昇格組であり、かつその中ではもっとも戦力的に劣るチームに負けて3連敗を喫するようなことがあれば、さすがに松田監督の首筋も冷たくなってくるというもの。神戸としてはいろんな意味で負けられない試合でしょうし、実際札幌が安牌なのは事実なんでそう思われるのは仕方がないのですけど、去年はそっちだってJ2上がりだったじゃんと思うと、なんとなくいつのまにかテリーマンがジェロニモとコンビを組んでいたのを知った時のような気持ちになります。
それはいいとして試合は、キックオフから両チームとも主導権を握ろうと積極的に攻撃に出る展開。まず札幌が開始早々に神戸から期限付き移籍中の坪内のオーバーラップからコーナーキックを得ると、神戸もルーキー馬場の落としからボッティがフリーでシュートを放ちます。札幌も負けじとカウンターからクライトンのパスでダヴィが抜け出しGKと1対1になる大チャンスを作り出しますが、大方の札幌サポーターの予想通り、当たり前のようにキーパーにシュートをぶち当てるダヴィ。毎度のことながら物理法則をまるで無視するかのように相手DFを振り切って抜け出すダヴィがシュートをGKにぶち当てるまでのわずか数秒の間に、札幌サポーターの「大チャンス?」→「いやでもダヴィだし」→「でも今度くらいはもしかしたら…」→「ああああああやっぱり」という心中の流れももはや恒例。ここまで来るともうひとつの芸と言ってもいいかもしれません。まぁそんなこんなでお互い決定的なチャンスを1つずつ外したあと、ここからしばらくは神戸のペースで試合は進みます。札幌は要のクライトンが本調子になく、いつもなら2人くらいに囲まれても平気な顔してマイボールにし続けるクライトンが、相手のタックルにあっさり屈する場面も目につきます。中2日続きではさすがのプレデターも疲れるのかといった感じですが、クライトンのところでキープできないため押し込まれる時間帯が長く続きます。それでも守備陣の集中した守りで神戸の攻撃を食い止め、このままスコアレスで終わるかと思われた前半アディショナルタイムに突然やってきた今週の山場。相手のゴールキックからの流れで繋がれたボールを止めようと次々と札幌の選手が相手にスライディングタックルをかますものの、相手は屠れどボールは止められず、ペナルティエリアの中で柴田がボッティを倒してしまいPKを献上。神戸選手の屍の山を築いた上でペナルティキックとは、まさに神罰の地上代行者。
アウェイで先制されるのはまぁ展開としては予想の範囲内ながらも、前半0-0で行けそうな流れで失点してしまうのは心理的ダメージはさらに大きいわけで、そんな絶体絶命のピンチを救ったのは、守護神ぎーさんでした。ボッティが自ら蹴ったキックをドンピシャで読み切って阻止しました。
ぎーさんのPK阻止は大ファインプレイには違いないのですけど、冷静に考えればPKを与えて防ぐなんて、いわば自分のおならで昇天しそうになったのをかろうじて川の手前で引き返してきたようなもんで、結局PKを与えること自体が問題だったと思うのですけど、そんなことはおくびにも出さず気をよくした札幌は、後半開始からわずか1分、相手のクリアミスを拾ったクライトンが、走り込んだフリーの砂川にパスを出すと見せかけて逆から突っ込んできたダヴィにパス。うまく抜けたダヴィがこれまた人体構造を完全に無視したかのような無理矢理な左足の「必殺ひづめシュート」でゴール隅に流し込み、なんと札幌が先制します。
しかしここから試合はほぼ完全に神戸ペース。札幌はさすがに中2日のアウェイ連戦が効いてきたのか、ここから運動量ががくんと落ちます。普段なら執拗にボールを追い回すダヴィもあまりボールを終えなくなり、前線からのプレスが効かないのでラインもなかなか上げられず、中盤にできたスペースを自由に使われ始めます。選手交代に活路を見いだしたい三浦監督はまず砂川に替えて西谷を投入。これはクライトンがいつもの半分程度の稼働率なだけに、前線でタメを作れる選手を入れたかったのが理由だと思いますが、その交代の意図を選手たちがくめなかったか、西谷へボールがあまり集まらず。まぁ実際いつやられてもおかしくないような状況を、ホントにぎりぎりのところで止めていたので、「わかっちゃいるけどそれどころじゃなかった」というのが正解なのかも知れませんがね。なんとか踏み止まっていたとはいえ、もう徳俵に足がかかっている状態を打開するため、次いで疲れの見えた大伍を下げて当別暫定王者の池内を投入。しかし、磐田戦のように平岡を1列上げて池内をサイドバックに入れるのかと思いきや、ポジションはそのまま。おそらくは松橋を入れて3トップにしてきた神戸のシステムに対抗する、というよりはその3トップの背後からボールを供給する古賀を止めるためだったのでしょうけど、これが逆に仇となったか、その警戒してきた左サイドではなく、コーナーキックからのこぼれ球を前半から再三タイミングの良いオーバーラップと質のいいクロスで札幌を脅かしてきた右サイドバックの石櫃に見事なミドルシュートを叩き込まれ、ついに追いつかれてしまいました。
その後は絶好のカウンターのチャンスもありながら決めきれず1-1で試合終了。3対1という状況だっただけに決めていればという思いもありますが、24本ものシュートを打たれながらも1失点で済んだという見方も出来ますから、結果として勝点1は悪くない結果だったという感じでしょうか。
コメント (1)
神戸戦のスコアを今一度ご確認ください。
投稿者: ミス | 2008年4月22日 19:43
日時: 2008年4月22日 19:43