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2008年11月24日

去る者追わず、来るもの拒まず

2008年Jリーグディビジョン1第32節
東京ヴェルディ 1-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/ダヴィ
     ヴェルディ/大黒

 先制してミス絡みで追いつかれるのはいつもの通り。まぁ「ミス絡み」といっても失点するにはどんなチームであってもたいていの場合多かれ少なかれミスが絡んでいるもんなんですが、札幌の場合は前節の浦和戦の2失点目もそうだったように、かなりアレな感じのミスといいますか、「そりゃないだろう」というような失点が多いというのが特徴で、この試合の失点もヴェルディのディフェンスラインからの何の工夫もないロングボールを平本に落とされて、画伯のクリアミスからのこぼれ球を大黒に決められたもの。DFのクリアミスよりもそもそも何であの時点で平本がノーマークだったのかと。ラインを上げるのは構わないのですが前線がDFラインにプレッシャーに行ってないのにラインを上げればああなるのは至極当然なわけですが、かといって相手がDFまでボールを戻してるのにラインを下げれば中盤のスペースを空けることになりますから、DFとしてはラインを上げたい場面ですよね。だとすればプレッシャーに行かないFWに原因があると思うのですけど、2トップに入ったクライトンが下がり目のポジションを取ってた関係で実質ダヴィの1トップであるなら、それもまた難しいところではあり、要するにチームとして失点したという感じです。たらればの話をするならばクライトンじゃなくて元気がFWだったら防げた失点だったかもしれないとは思うものの、たぶん三浦監督は怪我人が多かったからという背景はあるにせよ、あまりうまく行ったことがないクライトンをFWに持っていっても上里の先発をチョイスしたかったのでしょうし、その上里もまぁいいプレイと悪いプレイがはっきりしてはいましたが悪くはなかったと思います。
 で、そこからいつもの通りならばもう1回やらかした挙げ句に逆転されるのがパターンですけど、そこで逆転されなかったことについては判断が微妙なところで、踏ん張った、というよりはどっちかというとヴェルディのミスに助けられたといった感が強いような気がします。実際、後半平本のポストを叩いたシュートはその前のプレイで完全に失点を覚悟しましたしね。全体的な印象としては、J2時代を引きずってるのかヴェルディが勝手に札幌を警戒して自滅したという感じでした。
 まぁあとはダヴィがPKながらも先制点を決め、今季15ゴールを決めています。現在得点ランキングで単独2位につけており、残り試合から考えても得点ランキングトップのマルキーニョス(鹿島アントラーズ)の21得点とは少し離れており、残りの試合数を考えてもまぁ逆転する可能性はほぼないですが、ろくすっぽチャンスも作れない札幌においてこの数字は立派の一言。しかし試合では熱くなってアホみたいなこともやったりしますが基本的に性格は明るく、ブラジル人には珍しく前線からの守備もいとわない、日本語も日常会話レベルならほぼ問題なく、その上今季の基本年俸も得点ランキングに名を連ねている他の助っ人達に比べれば破格とも言える安さの彼には既に非公式な獲得の打診が複数届いていると言われており、ダヴィを引き留める財力を持たないどころか、むしろ積極的に売らないと財政がヤバいクラブ事情を鑑みても、来季も札幌のユニフォームを着てプレイする可能性はほぼないと思われます。そのような背景があるだけに、自分の中では彼がゴールを決めるたびに「ちゃりんちゃり~ん」という小銭の音が聞こえてくるわけですが、財政的な面はともかくとしても、戦力的な面では彼の穴を埋めなければいけません。そんな中、既に来季の新助っ人についての話が聞こえてきています。コンサドーレ札幌は来季の新戦力として、スウェーデンリーグでプレイするブラジル人選手を獲得することが確実となった、という記事がメディアに載っていました。

 オファーを出したというのは、スウェーデンリーグ1部のジュールガルデンIF(Djurgarden IF)というクラブに所属するブラジル国籍のチアゴ・キリーノ・ダ・シウバという選手。ストックホルムをホームタウンとし、1891年創立という長い歴史を誇るジュールガルデンは、2008年シーズンは16チーム中12位とあまり振るわなかったようですが、2005年シーズンを含む11度のリーグ優勝と2度のカップ優勝を経験しています。
 クラヲタ的には北欧諸国というのは優れた作曲家や演奏家を生み出している国なのですが、シベリウス(作曲家)やサロネン(指揮者)を生み出しているフィンランド、グリーグ(作曲家)やアントンセン(トランペット奏者)を生み出し、オスロフィルという素晴らしいハーモニーを持つオーケストラを持つノルウェー、ニールセン(作曲家)を生み出したデンマークに比べるとあまりなじみがない国がスウェーデンで、自分のCDライブラリを漁ってもスウェーデンの作曲家のCDはクット・アッテルベリというどマイナーな作曲家の1枚しかありませんでした。つーかなんでこんなものを買ったのかさっぱり憶えていないのですけど、聴いてるだけで大笑いできる素敵な曲でした。ちなみにこの人はプロの作曲家ではなく普通の公務員だったそうです。
 まぁそれはともかくとして、そんなスウェーデンを経由してやってくるブラジル人選手、日刊スポォツでは同選手の名は「カリーノ」となっていますが、「Thiago Quirino da Silva」という表記からは「キリーノ」のほうが正しいのかな。キリーノといえばアニヲタとしてはバンブーブレードの部長を思い出すわけですが、1985年1月4日生まれの23歳、183cm79kgと年齢的にも体格的にもほぼダヴィです。二匹目のドジョウを狙うにしてもわかりやすすぎですけど、ジュールガルデンの公式サイトでは既にキリーノとコンサドーレ札幌についてのニュースがリリースされています。スウェーデン語だったらお手上げだったのですが、幸い英語版もあるので読んでみたところ、まだクラブ間で詳細の詰めは残されているものの大筋では合意しており、コンサドーレへ12月1日に加入することになるだろう、と具体的な日程まで挙げておりますので、まぁよっぽどのことがない限り来るのは間違いなさそうです。
 そうなると気になるのが今度は彼がどのようなプレイヤーだったのかと言うことなんですが、英語版のWikipediaによれば、ジュールガルデンでの通算成績は2006年から2008年までの3シーズン、53試合に出場して11ゴール。期待されていたがあまり振るわず、多くの試合をサブとして過ごしていたらしいですね。まぁ183cmという身長もスウェーデンだと普通クラスじゃないかと思いますし、日本でどう変わるか楽しみではありますね。
 それはともかく、日刊スポォツではチーム名も「ユルゴールデン」という表記をしていますが、そっちのほうがスウェーデン語の発音に近いみたいですね。Wikipediaでは「ユールゴーデン」となっていて、直訳すると「動物園」だそうです。

quirino.jpg
キリーノ選手

 OK、納得した。

 ところでスウェーデンリーグについて少し調べてみたら、スウェーデン(というか北欧)も日本と同じく春秋制でシーズンが行われているんですね。「ヨーロッパでは秋春制」というのはまったくの嘘っぱちということですね。「北欧は欧州ではない」という暴論を振りかざすなら話は別ですけど。

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