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2009年1月14日

ライブフォーユー

 昨年末の就任発表から新年を挟んで約2週間、全国9千8百万とんで3人のコンサドーレサポーターが待ち望んだノブリンこと石崎信弘監督がついに来道、1月13日に就任会見が行われました。周知の通りコンサドーレ札幌の前身である東芝サッカー部出身のノブリン。現在のコンサドーレにも受け継がれている赤と黒の縦縞のユニフォームはノブリンが考案したものというのは一部で有名な話ですが、東芝で現役を引退した1993年から16年を経た今年、再び赤黒のユニフォームを身に纏うことになります。まぁ監督はユニフォーム着ませんけどね。
 その就任会見の中でノブリンは、札幌の監督に就任することになったことについて、「札幌で監督をやるというのが私の中でひとつの夢で、その夢がかなって大変光栄に思っております。(中略)札幌の強化担当である三上に連絡して『やらせてもらえるか?』という話をしました。」J's GOAL全文)と、人心掌握術に長けたノブリンらしくサポーターの心をわしづかみにするコメントを披露。そう言われてうれしくないサポーターがいるはずもなく、実際既に「ノブリンでダメならこのチームはどんな監督が来たってダメだ」とまで洗脳し尽くされているオレなんかはまさにこれでイチコロであり、どのくらいのイチコロ度かと言えば真珠の涙くらいです。つまり、ノブリンは魔女っ子メグちゃんだという仮説を立てることができます(できません)。
 まぁ多分にリップサービスも含まれているとしても、ノブリンはファンを大切にする人物としても有名。先日も紹介した御殿場でのエピソードもそうですが、ノブリンが大分トリニータの監督を務めていたJ2黎明期、やろうと思えば誰でも気軽にブログを開設できる現在とは違ってホームページを作って公開するにはまだそれなりの知識を必要とされた時代に「凶悪系サイト」というジャンルを確立させ、当サイトも多大な影響を受けた大分トリニータのサポーターサイト「鳥日新聞」内にかつて設置されていた掲示板に書き込んでいたことは有名な話。その後時代は流れノブリンが柏の監督になってから「最近『鳥日』ってまだやってるの? 俺王とか懐かしいね(笑)」というサイト管理人冥利に尽きるコメントも残していたそうです。もし自分がこんなこと言われたらメロメロですよ。メロメロ度でいえばメロンパンナちゃんのメロメロパンチを食らったレベル。つまり、ノブリンはメロンパンナちゃんだという仮説を立てることができます(できません)。
 その他ファンサービスについても「私ができるのはグラウンド上だけ」と述べ、「練習を見に来てくれた人に楽しんでもらう、あるいはゲームにまた観にいきたいと思わせるようなサッカーをやることが大切だと思います。選手にも話をしようかと思うんですが、やはりサポーターがいるからこそプロのチームは成り立つんだと。練習場に足を運んでくれたサポーターには、しっかりファンサービスをするように。一番はサッカーの内容が良くて勝つことだとは思いますけれど」とする一方で、「私にできることがあれば、何でもやっていきたい」とも述べるなど、ここでもファンに向けた「現場主義」へのこだわりが見えます。これぞライブフォーユー。いろいろな意味で楽しみなシーズンとなりそうです。

 ただこの会見でひとつ気になったのが、「選手の人数も27名ということで、人数の少ないなかで長いシーズンを戦っていかなければいけない」という下り。ここまでのところ札幌はFW紀梨乃、MFダニウソン改めダニルソン、そしてDF趙晟桓と3人の助っ人を獲得していますが、日本人の移籍加入はGK荒谷のみ。ルーキーも沖縄大の上原慎也、ユースから昇格の曵地裕哉、そして二種登録でチームに帯同する古田寛幸の3人しかおりません。ヴィトーリアからの帰還命令によりブラジルに帰ったままどうなったか不明のエジソンを除けば確かに合計27名。つまり補強はこれで打ち止めということで、1月18日に予定されているキックオフイベントでの背番号発表で「ゲェーーーーッ! あ、あの選手はーーーーっ!」とかいうサプライズがあったりするような可能性はなさそうです。
 昨シーズンの開始時の登録人数は32人。もっともこれはベンチ入りの人数が7人となるJ1での話であり、ベンチ入りメンバーが5人となるJ2においてそれと同じ程度の人数を維持する必要はないとはいえ、前回J2だった2007年シーズン開始時の29人に比べてもやや少ないですし、それに加えて今季は合計51試合という正気の沙汰とは思えない試合数を戦い抜くこと、そしてこの27人のうち少なくともソダンと箕輪は怪我で開幕に間に合うかどうかという状態であることを考えても、人数的には若干不安の残る体制に思います。
 もっとも予算に限りのある札幌であらゆる事態に事前に備えておくために保険をかけまくるような真似は到底できないですし、国内の場合は登録期限内であれば移籍はいつでも可能なわけですから、ひとまずはこの体制でやりくりしていって、もし何事かがあればシーズンが始まった後に力はあるのにチーム事情などで試合に出られなくなった選手をめざとく狙っていこうという魂胆なのかも知れません。そのあたりはノブリンと、そのノブリンとNEC山形時代に師弟の間柄(つまりロビンマスクとウォーズマンの関係)だった三上強化部長のコンビに期待をしておくことにします。

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