清水エスパルスとのテストマッチから一夜が明け、本日は通常練習の日。いつものごとく2部練習の予定ですが、午前練習はたいていの場合フィジカルトレーニングがメインなので、見たところで別段面白いものでもありません。しかしそうかといって別に他にすることがあるわけではないので、とりあえず午前中から見に行くことにしました。しかしそれはいいのですけど、モバイル版の公式サイトに出ていた2月15日の練習場所は「未定」。要するにどこで練習するかわからないのです。
ひとまず場所は熊本県民総合運動公園であることはたぶん間違いないのですが、ここの公園にはサッカーの練習ができるグラウンドがKKウィングスタジアム、補助競技場、サッカーグラウンドと3つあります。未定というのはつまりこのうちのどれでやるかわからない、ということでしょう。ただ、今までも練習場所が急遽変更になり、赤いトレーニングウェアの人たちを探してうろうろ歩き回ったことはありますし、逆に言えばこの3つのうちどこかには必ずいるということですから、とりあえず行ってひとつずつ潰していけばいいやと大して問題視はしませんでした。
というわけで我々はまず駐車場から一番近いサッカーグラウンドへ。しかしサッカー選手らしき人たちはいるもののどうやらコンサドーレではないみたいです。ここではなさそう。であればと補助競技場に向かいましたが、ここは無人。陸上トラックでトレーニングをしている小学生の集団がいるくらい。となると、残りはスタジアムしかないので中に入ってみると…。
いねぇじゃん、札幌。
正確に言えば札幌の選手は確かにいることはいたのですが、いたのはネ申、ダニルソン、紀梨乃の3人のみ。つまり別メニュー組だけで他の選手は影も形も見当たらず。この3人がここにいるということは別の会場での練習することになった、ということも考えにくいですから、きっと運動公園のどこかにはいるのでしょうけど、さりとてめぼしいところにはもういないことは確認済です。しかたがないのでPCサイトに何か情報が載っていないかとノートPCを取り出して電波が悪い中なんとか公式サイトを開いてみると、2/15の午前練習は「KKトレーニングルーム」となっていました。ああ、トレーニングルームだったんですか。じゃあ今まで見つからなかったのも納得がいきますね。で、どこですかそれ。
ひょっとしたらパークドームというKKウィングに隣接している屋内施設ではないかと思いそっちに行ってみましたが、やはりコンサドーレの選手の姿はなし。まぁトレーニングルームということは筋トレでしょうからそんなモン見てどうするんだって話もありますけど、ここまで来たら練習を見るというよりも選手を発見するのが目的です。しかし思いつくところはもうなく、途方に暮れていると遠くのほうでなにやら赤いトレーニングウェアを来ている人が3人ほど歩いています。向かう先はどうやら補助競技場の模様。もしかしたらアレか? と思っていたらその赤い人たちが次々と増えていきます。ようやく見つかりました。
というわけで我々も補助競技場に歩いて行ったところ、ちょうどノブリンと鉢合わせ。話を聞くと、KKウィングの中にトレーニングルームがあって、そこでやはり筋トレしていたようです。スタジアムの中というのは盲点でした。まぁどのみちそこまでは入れないと思いますけど。後残りは20分ランニングをして午前練習は終了とのこと。せっかくなので見ていくことにしたのですが、先ほどの補助競技場の陸上トラックで練習していた小学生達が、どこのチームなんだろうみたいなことを話していました。コーチらしき人が子供達に、「コンサドーレ札幌だって」と伝えたところ、男の子の1人が「お、じゃあ得点王のダヴィってのがおったな。ダヴィおる?」。
ごめんな。ダヴィは名古屋に行ってしまってもうここにはおらんとですよ…。
しかし正確には得点王ではないですけど、サッカーではなく陸上をやってる男の子ですらダヴィの名前を知っているんですから、やっぱりJ1というのはそういうところなんだなぁと思いました。でも、ひとまず熊本の子供達に最初に名前を出してもらえるよう、その時彼らのすぐ近くを走っていた熊本出身の岡本賢明くんには是非とも頑張ってもらいたいと思いました。
さて午後練習は(念のためスタッフに確認をして)KKウィングスタジアムで行われました。紀梨乃は最初から別メニュー、ダニルソンと元気はストレッチまでは加わっていましたがその後は別メニュー、リハビリ中の曽田さんとキャンプに来ていない箕輪を除けばこれで全員…かと思いきや、午前練習にはいたはずの小ヒロ(古田)がいません。まだ彼は高校生ですから、もしかしたら明日から学業復帰のために午後の飛行機で札幌に帰ったのかと思っていたら、しばらくして曽田さんと共に登場。そのまま練習には加わらず足首をアイシングしてましたのでどうやら怪我をしてしまったみたいですね。おそらくは曽田さんと筋トレをしていたんじゃないかと思いますが、個人的には曽田さんに勉強を教えてもらっていたということにしておきます。
チームの練習は、清水戦の反省を生かしてか主にサイドからの崩しに重点を置いたメニューでした。ただ単にサイドにパスを出してクロスにFWが飛び込むというものではなく、まず片方のサイドからスタートしてボランチを経由してサイドチェンジを行い、逆サイドに振ったパスをサイドハーフが受けた位置が高ければ受けた選手がそのまま持ち込み、低い位置ならばサイドバックが追い越していってそこにパスを出すか判断させ、そしてサイドからのクロスにはFWの選手がそれぞれニアとファーに走り込むという内容。まずはディフェンスの選手を置かずにやって、その次は攻撃8人に対しDF4人とボランチ2人の6人を守備に置きより実戦的に行っていました。あくまでもサイドアタックの基本でしかないですが、こういう基本の繰り返しこそが重要だと思います。
それにしてもクライトンはやっぱりうまい。ミドルレンジのサイドチェンジのパスがぴったり相手に合うキックには、今更ながら惚れ惚れします。キープ力は言わずもがな、J2なら確実に反則クラスの選手だと思います。
ところで、練習生として参加している岡山環太平洋大学のFW森川龍誠くん、清水戦ではこれといった印象はなかったんですが、本職ではない中盤でプレイしたせいもあったようで、FWの位置でプレイしたこの日の練習ではいいシュートを次々と決めていました。どうやらペナルティエリア近くで勝負強さを発揮するタイプのようです。2年生ながら県学生リーグベストイレブンに選ばれ、国体の成年男子代表として選ばれ準優勝に貢献したというのもうなずけます(1回戦で北海道選抜を相手に得点したことが縁で呼ばれたんでしょうか)。まだ2年生ですし今すぐどうこうという話はないと思いますが、そうでなくても人数が少ない上に怪我人も多い札幌では学徒動員でもしないと始まらないので、せめてキャンプの間はよろしくお願いします。
練習終了後は、恒例…かどうかはわかりませんが砂さん、征也、カズゥの3人によるフリーキック練習。既に暗くなり始めていたのであまり長いことやっていたわけではありませんが、征也と砂さんが1本ずつきれいに決めたのに対し、左のフリーキッカーとして期待のかかるカズゥは、決めるどころか壁を越えることすらなかなかできません。3本続けて練習用壁人形・通称「いけにえくん」にぶち当てる有様。しかも左から2番目の「いけにえくん」だけを倒し続けただけでなく、そのかわいそうな生け贄くんを見かねて代わりに左から2番目に入った高橋エキップマネージャーにお約束のようにぶつけるという、ある意味正確無比なキックを披露しておりました。結局どこから蹴っても生け贄くんにぶち当て1本も決められなかったカズゥ。そういえば清水戦でも攻撃練習でもサイドチェンジのパスがどうしてもオーバー気味になってしまっており、ひょっとしたら知らない間にパワーアップしたオノレを制御できていないのかも知れません。これを乗り越えれば、きっとニュータイプとして目覚めることができるのではないでしょうか。期待しています。