2009年Jリーグディビジョン2第22節
湘南ベルマーレ 3-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/クライトン、西
湘南/中村、阿部、猪狩
この試合は平塚競技場で湘南サポーターの友人と一緒に見ておりました。普段はどうしても自分のひいきチーム中心の視点にならざるを得ないわけですが、じゃあ相手から見たコンサドーレというチームはどうなんだろう? ということについては、なかなか客観的な視点を持つことは難しいですから、他の目線からの話を聞くのはいろいろと参考になるものです。まぁオレが参考にしたところで別にチームがどうにかなるものでもないんですけど、ともすれば悪いところばかりに目に付きがちなひいきチームに対して新しい発見が出来ることもあり、単純に楽しいものです。
そんなわけであれこれ会話しながら試合を見ていたわけですが、昇格圏内へ食い込むためにはむろんのこと、上位とこれ以上離されると、ともすればアイスクライマーで最後の1人が置いてけぼりになった状態になりかねません。札幌にとっては大事な試合であることはもちろんなんですが、逆に湘南にとってどうだったかといえば、勝点にして15も離れた6位のチーム、7人の悪魔超人で言えばザ・魔雲天くらいの序列に過ぎない札幌を迎えたホームゲームながらも、まるで昇格を争う直接のライバルに対するような感じでした。もう10年もJ2にいて、その間ずっと昇格を目指しながらその夢が叶わなかったチームのサポーターですから、順位表の一番上にいる状況ですら、たとえ下位のチームが相手だったとしても「確実に勝てる」などとは全然思っていないようですが(それは逆の立場だったとしても同じでしょうが)、少なくともコンサドーレ札幌というチームに対して、今現在の順位以上の評価をしているということは間違いないようです。
まぁ、結果としてはその気合に屈した形で首位湘南の引き立て役となってしまったわけですが、それでも札幌としては及第点以上の試合ができていたと思います。前半はブラジル帰国から戻ってきたばかりのクライトンを中心に、首位のチームをアウェイで押し込む堂々たる戦いを繰り広げます。共に観戦していた友人もメリハリのある札幌のサッカー、とりわけ一発でのサイドチェンジに対し、湘南がどちらかと言えばこぢんまりとした中央突破に偏ったサッカーであることと比較して賞賛の声を上げていました。それでもカウンター1発でキッチリ失点するあたりは札幌らしいと言えば札幌らしいのですが、湘南GK野澤のファインセーブがなければ前半のうちに追いついてもおかしくない展開。意地と意地がぶつかり合う好ゲームとなりました。
そして後半はさらに札幌ノブリン、湘南ソリさんというこれまで数々の修羅場をくぐり抜けてきた監督同士の腕の見せ合いが加わります。まず後半頭からノブリンが岡本賢明に変えて中山元気を投入。3-5-2のフォーメーションにします。この形が奏功し、開始早々に宮澤がペナルティエリア内で倒されPKをゲット。このPKをクライトンが決めて同点に追いつくと、さらにその9分後には右サイドからの征也のクロスを逆サイドから突っ込んできた大伍が頭で決めて逆転に成功します。逆転された反町監督はすぐさま先制点を決めた以外は動きのあまり良くなかった中村祐也に替えて阿部吉朗を投入。逆転した後に再び4バックに戻した札幌に対し、さらにその9分後に左サイドバックの鈴木伸貴に替え、友人曰く「もともとFWだった」という島村毅を入れて今度は湘南が3-5-2にシフトチェンジ。アジエルを少し下げた位置にしてよりボールタッチの機会を増やそうという狙いだったのでしょうが、その通りキープ力の高いアジエルに翻弄され、また疲労もあってか徐々に中盤でのプレッシャーもかからなくなってきます。もしこの試合でダニルソンが出場停止じゃなければ、ここでアジエルを封じることが出来ていたかも知れませんが、それもたらればの話。後半38分、下げられたラインに対して上げられたロングボールはいったん西嶋がクリアしますが、そのこぼれ球をダイレクトに阿部に叩き込まれ同点。この失点で集中の糸が切れたか、そのわずか4分後にはアジエルからのスルーパスをセンターバックの間に抜け出された猪狩に決められあっという間に逆転を許してしまいました。第1クールでの中村祐也に引き続き、一緒に観戦した友人と同じ中学校出身という平塚生まれの猪狩にプロ初ゴールを献上。友人とあれこれ雑談する中で、自分が「札幌って残り30分の失点が多いんだよ。このままでは終わらないと思うよ」、「札幌はプロ初ゴール献上することが多いんだよね…」、「札幌はセンターバックの間が弱点」などということを言っていたのですが、何も全部証明してくれなくてもいいのに。
その後、ノブリンが上原を投入して最後のあがきに出ますが、何でもないロングボールでぽこぽこ失点するようなプロチームなんてないですよね普通。いたら見てみたいものですよ。4分間のアディショナルタイムでも見せ場自体は作ったものの、決めることが出来ず結局2-3で敗戦。試合そのものはガチンコのぶつかり合いでしたし、両監督の采配も含めて見応えのある試合だったと思いますが、さりとて札幌はいつもの悪いクセが出てしまったことが悔やまれます。わかっているのに毎度同じような形でやられる様は、スーパーマリオでもいっつも同じところでハンマーブロスに当たって死ぬのと同じような感じではありますが、フィジカル的な問題なのかメンタル的な問題なのか、あるいはその両方か、いずれにしてもこれを克服しない限りは昇格争いなんて言えるもんでもないと思いますので、なんとかなるもんであればなんとかしてもらいたいものです。
コメント (1)
湘南戦の応援に2号が上京していたのですが・・・
今回は「水道橋界隈に週プロ三沢追悼号を買いに行った」と
思うことにします。
>7人の悪魔超人で言えばザ・魔雲天くらいの序列
7人中何番目なんでしょうね、魔雲天。
バッファローマンがいるから最強ではないし、
ステカセキングがいるから最弱でもないし。
7人のうち、最も体格に恵まれている一方で、
シングル戦績が異様に悪いテリーマンにKOされたというのは・・・
確かに「強いとも弱いとも言い難い」という点では
札幌と通じる位置にいるのかも。バキに例えると、
金竜山ぐらいの序列でしょうか。猪狩にやられたし。
投稿者: はかたん1号 | 2009年6月24日 08:44
日時: 2009年6月24日 08:44