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2009年8月 3日

面白きこともなき世を面白く

2009年Jリーグディビジョン2第29節
カターレ富山 0-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いません
     富山/おりません

 今年は冷夏だと言われているとおり、本州では例年になく涼しい日々が続いておりますが、その日本の夏というのは金鳥の夏であると同時に暑い日々が続きくもので、特に7月に入れば日中は30度を超えることも珍しくはありません。そのため、Jリーグでは夏になるとよっぽどのことがない限りは日中の試合は行われず、ナイトゲームがほとんどとなります。チームにとっては照明費用など余計なコストがかかり、アウェイチームにとってもナイトゲームの場合は終わってから帰るということが難しいため後泊の必要があり、そのぶん余計なコストがかかるため、日中の試合のほうがメリットは大きいのですが、夏になると毎年のように熱中症で病院に運ばれる運動部員のニュースが出るように、そういった猛暑の中でサッカーの試合を行うのは、選手にとってはもちろん観客にとっても危険ですから、背に腹は代えられないということなのでしょうね。といってもその大部分が温帯気候に属する日本列島では、単純な気温よりも湿度のほうが大きく影響し、夜になってもあまり気温が下がらないことが多いのですが、それでも直射日光がないだけマシです。平日の試合はやむにやまれぬ事情がある場合を除いて、季節に関係なく夜のキックオフとなりますが、夏の間は週末の試合も夜行われるようになるため、この時期は全ての試合が夜行われるようになります。
 しかし、亜寒帯気候に属しており夏場の気温も湿度もあまり上がらない北海道に本拠地を置くコンサドーレ札幌は、夏場でも日中に試合を行うことができます。ですから、コンサドーレだけはこの時期でもホームゲームとアウェイゲーム、プラスしてウィークデーの試合で頻繁にキックオフ時間が変わることになります。統計を取ったわけではないのであくまでイメージなのですが、札幌って平日夜のアウェイを割と苦手にしてる印象があるのは、コンディション面から考えると、そうでなくても移動がきつい札幌にとっては、昼間の試合に慣れている体を夜動かすのは微妙に影響しているためなのかな、と思います。

 前置きが長くなりましたが、この試合もまさにそんな感じ。電撃退団したクライトンがいなくなった上に、前節4試合連続でイエローカードをくらい、最短時間で有休取得をしたダニルソンも出場停止。加えて趙晟桓も腰痛で欠場と、助っ人3人を欠く緊急事態に、ノブリンは加入したばかりの石川をセンターバックとして起用、上里を左サイドバックにしてボランチは芳賀と宮澤、左のサイドハーフには岡本ではなく謙伍を、2トップの一角には大伍というメンツ。もはや誰がどこを本職としていたのかわからなくなるようなスタメンです。
 もっとも、試合が始まったら攻撃面ではミスばっかりでろくすっぽパスも繋がらないわ、守備でも組織的に守っているというわけでもなくただ闇雲にプレスをかけて、ボールに何人も群がる中学生みたいなサッカーを展開。いや、今時の中学生でももう少し考えてやってるような気もしないでもないですが、とにかくポジションがどうこう以前の問題で、今までどんなときも、渡せばボールをキープしてくれたクライトンがもういないのですから、今までとは勝手が違うのは仕方がありませんが、判断ミス、パスミス、トラップミス、シュートミス、ジョンスミス、バルサミコ酢などおおよそミスと言えるミスは全て出し尽くすといわんばかりのミスの出血大サービス。いやそれサービスじゃないし。
 そんな感じでいつもならばチャンスを外し続けているうちにぽろっと失点し、慌てて攻め込むもやっぱり得点を奪えずそのまま敗戦というパターンなのですが、富山も富山でしょーもないミスが多く、お世辞にも固いとは言えない札幌の守備陣を脅かすシーンもあまりみられず。新規参入組の中でもっとも順位が高く、決して弱いチームではないことはその順位が証明していますが、それでも怪我人が多くなかなか満足なメンバーが組めないことが大きく影響しているのでしょう。まぁ理由はどうあれひとまずピッチ上で繰り広げられている戦いは、一言でいえば「ザ・J2」といわんばかりの残念サッカー。それ以外には特筆すべきこともほとんどなく、おかげで書くことが全然ないという週中のアウェイゲームはスコアレスドローという結果で終了。

 まぁ過密日程が選手のパフォーマンスに少なからず影響していることは否めないですし、スコアレスドローという結果もサッカーでは珍しくも何ともないのですが、どうにもここまで両チームのサポーターにとって盛り上がりの少ない試合というのも珍しいですね。プロスポーツの興行としてはあまりよろしくないことですから、試合で盛り上げないのなら別の要素で盛り上げることも考えないといけないと思いますね。試合以外で盛り上がる要素としてよくあるパターンとしては「スタジアムに犬乱入」あたりが定番ですけど、それだと確かに盛り上がることは盛り上がりますが、おかしなところに迷い込んで逃げ回る犬を追いかける警備員の姿はコミカルですから、そのドッグショーが終了して試合が再開されても、なんとなく和んだ空気のまま試合が行われてしまいかねません。それではいけません。やはりピッチ上はほどよい殺伐感があって然るべきです。というわけで、ピッチに乱入するのが普通の小型犬ではなく、闘犬や警備犬だったらいかがでしょうか。「ちんたら試合をやってたらよく訓練されたドーベルマンをピッチに放します」というルールを採用し、スタジアムの電光掲示板に現在のドーベルマン投入確率を示す「犬指数」を表示。試合状況によってリアルタイムに増減する犬指数が試合終了時点でMAXになってたら、ホイッスルと同時にドーベルマン投入、という流れにするのはいかがでしょうか。おそらく逃げ切れるのは全盛期の岡野さんだけだと思いますから、選手も必死にプレイするようになりますし、試合内容が不甲斐ないからといってピッチに乱入するようなサポーターもいなくなるでしょう。乱入した途端に餌食ですからね。そしてこの試合みたいな内容であれば、きっとアディショナルタイムあたりにはホーム・アウェイ関係なくスタジアム全体から一寸も乱れぬ「犬コール」がわき起こり、真の意味での「一体化」が見られること請け合いです。Jリーグって素晴らしい。

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