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2009年8月21日

長良川艶歌

2009年Jリーグディビジョン2第34節
FC岐阜 0-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/ダニルソン、砂川
     岐阜/なし

 久しぶりの連勝を果たして勢いの乗るコンサドーレ札幌は、3連勝を賭けてFC岐阜とのアウェイゲームに臨みます。第2クール最後となるこの試合、しっかり勝点3をゲットしていい形で第2クールを終えたいところですが、真夏のアウェイ連戦の上、チームも怪我人や出場停止の選手がだいぶ増えてきています。そんな中でめぐってきたチャンスをしっかりものにしている古田寛幸の台頭や、石川直樹のレンタル補強はあったものの、もともと開幕当初から少ない人数でやってきただけに、そのやりくりにはノブリンも頭を悩ましていることでしょう。メンバーは前節に引き続き趙晟桓が出場停止のためDFラインは前節と同じ。前節4枚目のイエローカードを受けた藤田征也も出場停止で、岡本賢明も怪我で戦線離脱中ということで、左のサイドハーフとしてスタメン入りを果たしたのはベテランの砂川誠。2トップは紀梨乃と西大伍、ボランチはダニルソンと宮澤裕樹という布陣。大伍と宮澤の位置が前節と逆となった(というか戻った)感じですが、この辺は特に2人ポジションにこだわらずに試合の流れによって入れ替えるということでしょうか。まぁノブリンとしてはなんかもうどっちでもいいやという気になってるのかもしれませんが。
 相手の岐阜とは初対戦となった第1クールの試合(札幌ドーム)で、西嶋弘之、岡本賢明、上里一将のゴールで3-0の勝利と、札幌が数少ない完封勝利を果たした相手だけに厄介な相手というようなイメージはあまりないですが、岐阜のホームスタジアムである岐阜メモリアルセンター長良川競技場は、メモリアルとついても別にときめきがあったりはしませんが、ここでの岐阜は滅法強くここ11戦は負けなし、首位セレッソ大阪にも勝っています。前節終了時点の成績では札幌と岐阜との勝点差は6とそんなに離れてはいませんから、簡単な試合にはならないでしょうが、昇格へのわずかな望みを繋ぐためにも負けられない相手です。

 さて、札幌がこの長良川競技場に来るのはJFL時代の1997年にナビスコカップの予選対横浜マリノス(現横浜F・マリノス)戦でホームとして使用して以来のこと(隣の球技場では同年の9月に西濃運輸とのアウェイ戦を行っている)。何せ12年以上も前のことですから、その時にチームにいたのは1997年~98年まで選手として在籍していた赤池保幸GKコーチくらいで、サポーターの中でも当時を知る人はかなりの古参の方に限られるでしょう。もちろん、現在ハタチのオレも知りません。

 まぁそんなわけで試合は、キックオフ時点でまだ30度オーバーという気温の中だけに静かな立ち上がりになるだろうと思っていたら、そんな予想を見事に覆してくれたのがMFダニルソン。普段はどちらかと言えばそのあきれるほどのスピードに裏付けされた守備範囲の広さと、野生の勘に基づいた獰猛なディフェンスっぷりが目立ち、攻撃面ではたまに遠目からのシュートを狙ってあさっての方向に蹴るくらいで、あまり自分でゴリゴリ行くようなことはなかったのですが、この日はキックオフからなんかいつも以上にハッスル三昧。開始早々に紀梨乃とのワンツーで群がる相手を蹴散らして突っ込んでいったと思ったら、前半3分には自らドリブルで突破して左足を振り抜き、岐阜GK野田恭平の脇下をすり抜けてゴールイン。シュートは決してジャストミートというわけではありませんでしたが、開幕前のFC東京戦での2点目のゴールや愛媛FC戦のゴールもそうでしたが、ダニルソンのシュートって一見イージーでもGKが取り損ねるみたいな感じのものが多い気がしますね。あの膝から下にもう一つ関節があるかのような軟体動物みたいな足から放たれたボールは、なんか変な回転がかかってたりするんでしょうか。
 とにかく先制点をゲットして気をよくしたのか、その後も同じ人類とは思えないプレイでピッチを蹂躙。ずっとダニルソンのターンかと思われましたが、どうやら彼にはカラータイマーでも搭載されているのか、開始10分を過ぎたあたりからそれまでのパフォーマンスは影を潜めてきました。それに伴ってほぼ一方的に攻め込んでいたチーム全体も徐々に受けに回るシーンが多くなりますが、それだけに余計にダニルソンの出会い頭の先制点が重要な意味を持ってきます。暑さを考えれば遅かれ早かれ札幌のワンワンサッカーが機能しなくなるのは予想できたことですからね。それが意外と早かったというか、いくら何でも早すぎるというのはありますが、何度か岐阜にいい形を作られながらも荒谷僧正の法力などでなんとか守り、前半は1点リードのまま終了。

 15分のインターバルで少しは回復したか、後半はやや持ち直したのですが、それでも決定的なチャンスを作るまでには至らず。ボールキープ率は札幌のほうが上ですが、いい形を作るのは岐阜のほうで、ペースとしては五分五分といった感じ。そんな状況にノブリンは宮澤に代えて芳賀博信を投入、ひとまず中盤の守備強化を図ります。まぁ実際この試合の宮澤はあまりよくなかったので交代はわかりますが、これによって多少守備は落ち着いたものの、攻撃面では相変わらず。というか何しろセカンドボールが全然拾えてないので、とりあえず跳ね返すことは跳ね返しても、すぐにボールがこっちのゴール近くまでやってくる、といった感じです。
 そんなイヤな流れをうっちゃったのはやはりこの男。そう、ダニルソンでした。しばらく攻め込まれていた後半28分、大ヒロが相手と競り合ってこぼれたボールに鋭く反応しボールを奪うと、すぐさま野生の勘で迷わず前線の大伍にパス。この時点で3対2と完全にカウンターの形となり、ボールを受けた大伍が右サイドを駆け上がる砂川へパスを送ると、ベテラン砂さんはこれを落ち着いてゴールに決め、待望の追加点をゲットしました。
 試合の流れからすれば、こうなった時点で札幌が考えることはまずは守りきること。当然ノブリンもそれはわかっているようで、続く交代は中山元気。前線から激しいプレスをかけて後ろの人たちを楽にし、あわよくば点を取ってくれるような気がしないでもないという、こういう時にはうってつけの人材です。その中山さんは、疲れの見えた紀梨乃と交代で入ってきた上原と共に期待通りの奮闘で残り時間を守りきり、札幌は3連勝を達成。第2クールをいい形で終えることができました。

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コメント (1)

魚鬼:

ダニルソンのシュートは、こちら(FM北海道)で平川弘さんは相手DFに当たってと言っていました。
スローで見る限り、私の目にはフォークボールのようなシュートで、相手GKの手の前で沈んで、弾んてゴールのように見えたんですけど。

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