« 伊予の花嫁 | メイン | 蝦夷の花嫁 »

2009年9月17日

小瀬の花嫁

2009年Jリーグディビジョン2第39節
ヴァンフォーレ甲府 2-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/藤田
     甲府/まらにょんx2

 更新が遅いのは何も寧々さんとちゅっちゅしたりピュアな人しか入れないクラブに通ったりで忙しいわけではありませんよ。ええ、ありませんとも。

 さて、愛媛戦で2点差をひっくり返して勝点3を手にした札幌は、いよいよ4強の一角ヴァンフォーレ甲府とアウェイで対戦します。昇格へわずかな可能性にかけるには、まずここで甲府を倒さなければ始まりません。今季の対甲府戦は1敗1分とさっぱり勝てていない札幌ですが、32節以降負けなし、7試合で19得点という勢いに乗って甲府を倒したいところ。
 しかし結果だけを見れば確かに好調に見えるのですが、相変わらず失点は少なくないですし、前節も逆転勝ちというのは確かに盛り上がりとしては最高潮だったとはいえ、前半の出来は惨憺たるものでした。もちろんいつも90分同じペースで相手を圧倒し続けるなんてよっぽど力の差がなければ無理ですから、勝負事には流れというものが確かに存在するものなのですが、それにしても前半はひどすぎる内容で、ナディアでいえば南の島編くらいのまったく無駄な時間を過ごしていたことにノブリンもおかんむりだったのか、「勝ってるチームは変えるな」というサッカーの原則を曲げてスタメンとシステムをいじってきました。紀梨乃のワントップは変わらないですが、ハファエルを初めてトップ下として起用、ボランチをダニルソンと宮澤の2枚にし、センターバックには出場停止の石川のところに吉弘を入れてきました。
 クライトン退団以降、試行錯誤の末に編み出したワンボランチではなく、クライトンがいた頃の4-2-3-1システムにしたのは、おそらくハファエルの守備に不安があることと、愛媛以上にプレスのきつい甲府は当然ダニルソンのところをいの一番に狙ってくるでしょうから、その対策だったのかもしれません。結果として、その試みはうまくいかなかったのですが。
 昇格枠3つを4チームで争う、文字通りの椅子取りゲームを繰り広げている甲府は、前節終了時点で3位の湘南ベルマーレと勝点、得失点差とも同じながらも勝利数の差で4位。各チームの勝点差はほとんどないとはいえ、上位陣はさすがになかなか負けてくれないだけに、ここに来ての取りこぼしは致命傷にもなりかねません。ですから甲府が本気と書いてマジと読むくらい本気で潰しに来るであろうことは想像に難くなかったわけですが、前節の反省から「試合の入り方」に逆に慎重になりすぎてしまったのか、そうでなくてもハードワークに関してはJ2でもトップクラスの甲府の厳しいプレスにほぼ一方的に押し込まれる展開に。前半9分にはセットプレイからマラニョンにピンポイントであわされて早速失点。マラニョンの身体能力の高さにしてやられたという感じですが、彼が触る前にGK出れませんでしたかね。高原が体型がエヴァンゲリオンなのにATフィールドが小さいのはわかっていましたけど、そういえば第1クールの試合での最初の失点は優也のポジショニングを前に取りすぎてボールに触れなかったんでしたっけ。もしゴールマウスを守っていたのが荒谷僧正だったらどうだったでしょうか。きっと飛び出したはいいけど触れなくて失点だったかもしれません。どうも失点以外の道は残されていないようです。
 まだ時間的には充分残されていることが救いと言えば救いでしたが、その後も甲府のペースは変わらず、札幌は前節と同じようにろくすっぽ攻撃の形も作れないまま時間だけが過ぎていきます。前節は後半見違える動きになったので、その二匹目のドジョウを期待してひとまず早いところ前半終わってくれんかな、などと負けている側とは思えないことを考えていたのが悪いのか、前半終了間際に上里のパスミスをきっかけに、再びマラニョンに決められ2点差に。カズゥまで「キャプテンの呪い」にかかってしまっているんでしょうか。

 後半、やはり前半の動きに業を煮やしたかノブリンは後半頭から一気に2枚をチェンジ。小ヒロを砂川に、ダニルソンを大伍にチェンジし、上里をボランチに入れサイドバックに大伍を入れ、砂さんが左、征也が右サイドハーフに変更します。ダニルソンを変えてくるとは思いませんでしたが、前半足を痛めたことも関係しているかもしれません。この交代が奏功してか、後半4分に紀梨乃のパスから征也が絶妙のコントロールでゴール隅に決め1点差に詰め寄ります。
 残り時間はまだたっぷり残されている状況で1点を返したことで息を吹き返した札幌は、ここから互角の勝負を見せます。選手の動きも見違えるほどよくなり、こうなれば札幌としては一気に攻勢をかけて同点、そして逆転を狙いたいところです。とはいえ、リーグ2番目に失点が少ない甲府の守備力は伊達ではなく、ダニエルを中心とする甲府の守備ラインをサイド攻撃だけで破れるほど札幌も攻撃力も突出しているわけではありません。であればなるべく攻撃のバリエーションを増やすして、揺さぶりをかけるしかありません。ただ中央突破にしろロングボールでの放り込みにしろ、前線の紀梨乃もハファエルもそれほどキープ力があるほうではないですし、前線に上がった宮澤も含めても高さはあってもさほど空中戦に強いほうではありません。攻撃パターンの幅は増やしたくても、不得手なプレイをさせては効果が上がるはずもなく。よろしい、ならば中山元気だ。
 と思ったら最後のカードとしてピッチに入ってきたのは背番号13番じゃなく26番。あれ? 元気は? と思って今更のようにベンチのメンバー表を見てみると、確かに中山元気の名前がありません。怪我でもなければメンバーを外れる理由は思いつきませんからおそらく何かあったのだと思いましたが(実際はインフルエンザだったようですね)、いずれにしても裏に抜けるのが得意なスピードタイプの上原に元気と同じ役割を期待するのは酷というもので、さりとてリードしている甲府が彼の使いたいスペースを与えてくれるはずもなく、逆に落ち着いた甲府のカウンターの餌食になるシーンも。相手のシュートミスで失点こそ免れ、むしろ札幌がいつもやらかしている「決定的チャンスを逃しているうちにミス絡みで失点」というパターンも少し期待したのですが、残念ながらこのコンボの発動条件って札幌限定みたいです。
 結局惜しいチャンスもなくはなかったものの、決めることができず1-2のまま敗戦。札幌は8位に後退しました。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kingofsapporo.com/old/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/707

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ