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2009年11月15日

10年後のために

2009年Jリーグディビジョン2第48節
コンサドーレ札幌 1-1 カターレ富山
得点者:札幌/石井
     富山/石田

 12位のチームを相手のホームゲームで負けなかったことだけが救い、というようなみっともない試合をしたのはモチベーションの問題なのか、それともこれが実力なのかという問題については、この時期ろくでもない試合をするのは今に始まったことでもないのできっと実力なのでしょう。チャレンジの結果のミスはある程度しかたないと思いますけど、わざわざ難しいプレイを選択して失敗するのはチャレンジと言えるんでしょうかね。まぁそうは言っても、2000年や2007年みたいに「できもしないことはやるな」を徹底した上で、あとは変態的なストライカーさえいればとりあえず昇格できたものの、そのあとは結局大したものは残らなかったことを考えれば、相手を崩すのにいろいろやるのもひとまず広い目で見ればチャレンジと言えなくもないかもしれませんけどね。 もともとヤンツーから三浦さんに変わった時も、あるいは三浦さんからノブリンに変わった時も、「攻撃(または守備)にはメドが付いた、次は守備(攻撃)」という感じの理由だったように記憶していますが、サッカーはそうそう簡単にはいかないもんだとは何となくわかってはいるものの、設立から10年以上経ってるのですからもう少しなんというか、「これが札幌のサッカー」というスタイルを確立してほしいな、と思わなくもありません。今のところ、選手や監督が移り変わってもずっと変わらないで大切にしているものって、「ロスタイムに何かが起こる」ってことくらいですもんね。できればあまり大切にしてほしくないんですが。

 まぁそんなわけで札幌は消化試合を消化試合らしく過ごしてしまったわけですが、リーグ自体はディビジョン1、ディビジョン2とも佳境に入ってきています。今節でJ2ではセレッソ大阪とベガルタ仙台が今季の3位以上を確定、来季のJ1昇格の権利を獲得し、J1では川崎フロンターレに敗れたジェフユナイテッド市原千葉の16位以下が決定してしまい、初の降格となりました。既に降格が決まっている大分トリニータに加え、降格枠の残り1チームが現在16位にいる柏レイソルということになれば、今季の降格3チーム全てがナビスコカップ王者に輝いたことがあるチーム、ということになりますね。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」というのは鴨長明の有名な「方丈記」の冒頭の一節ですが、過去には天皇杯を制したその年に降格したチームもありますし、ステージ優勝経験もあるサンフレッチェ広島も降格したことがあります。資金力の乏しいチームだけではなく、比較的潤沢な予算を誇るチームでも降格を味わった例もありますから、タイトルホルダーといえども、ひとつふたつ歯車が狂えば簡単に落ちてしまうものなんですね。
 しかしその一方で、今年11月3日に行われたナビスコカップの決勝を戦った川崎フロンターレとFC東京は、両方ともちょうど10年前には札幌と共にJ2で戦っていたチームです。10年一昔とは言いますが、同じ釜の飯を食っていながら今ではJ1で強豪に数えられるようになっていった両チームと、なかなか「J2では別に弱くはないけどかといって強くもないチーム」を抜け出せない札幌との違いはどこにあるのか、これではまるでSPEEDの新垣さんがどうとか言えないじゃないですか。
 ただ、1999年の当時に、「10年後には東京が2度目のナビスコ王者に輝き、川崎がJ1で優勝争いをしている」という話を当時の自分たちが聞けば、きっと「こいつはかわいそうな人に違いない」という目で見たと思いますし、その頃のJ1、J2チームの一覧と今年のJ1、J2のチーム一覧を見たら、多分「はいはい妄想乙w」などと一笑に付してたでしょうね。10年も経てばいろんな状況が変わるのですから、変わろうという努力さえ怠らなければ、きっと変わっていけるものだと思っています。J1の強豪の仲間入りまでは難しいとしても、10年のうちに天皇杯の1つや2つくらいは獲れるチームになっていたいものですね。

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コメント (2)

確かに99年に


「10年後には山形がJ1で磐田相手に6点ぶち込んでいる」


なんて話をしたら、間違いなくかわいそうな人だったでしょうね。


でも、そこまで遡らなくても、05年の地域決勝を熊本で見ていた自分に


「4年後にはこの赤いチームに藤田俊哉が入り、札幌相手に4点ぶち込んでいる」


と言った人がいたら、多分かわいそうな人扱いしたでしょうね。
10年と言わず、それぐらいのスパンで変わりたいものです。
2年前はJ2で、現在はセレソンでプレーしているFWもいますから。

確かに99年に


「10年後には山形がJ1で磐田相手に6点ぶち込んでいる」


なんて話をしたら、間違いなくかわいそうな人だったでしょうね。


でも、そこまで遡らなくても、05年の地域決勝を熊本で見ていた自分に


「4年後にはこの赤いチームに藤田俊哉が入り、札幌相手に4点ぶち込んでいる」


と言った人がいたら、多分かわいそうな人扱いしたでしょうね。
10年と言わず、それぐらいのスパンで変わりたいものです。
2年前はJ2で、現在はセレソンでプレーしているFWもいますから。

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