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2010年3月 アーカイブ

2010年3月 1日

可もあり不可もあり

 開幕を翌週に控えた2月28日、大分県にある九州石油ドームにて大分トリニータとのプレシーズンマッチが行われました。この28日をもって九州石油とのネーミングライツ契約が終了となるため、「九州石油(九石)ドーム」と呼ばれるのはこの日が最後となります。まだ新しいスポンサーも決まっていないため、今後は大分スタジアムの名称に戻ることになります。長引く不景気の影響がこんなところにも現れているといった感じです。それを考えると、「球技もできる陸上競技場」としてではなく、野球とサッカーの兼用を前提とした多目的施設として設計され、その結果高い稼働率を誇りネーミングライツを行使することなくオープン以来黒字営業を続けている札幌ドームは、多目的ゆえの中途半端さへの批判はあるにせよ、「アイディア勝ち」といったところでしょうね。「ドラえもん」のひみつ道具で2つのものをくっつけて1つにする「ウルトラミキサー」というものがあって、のび太とドラえもんが家の中のものを好き勝手にくっつけてしまう(トイレと冷蔵庫とか)という話でした(初期のドラえもんはのび太と一緒に悪さをすることが多かった)が、発想的にはそれと似たような感じです。

 さてそんな与太話はともかくとしてこの大分戦。シーズン前最後の対外試合というだけでなく、開幕の迫ったこの時期に、同じカテゴリのチーム、それも力量が似通っているであろうチームと、リーグ戦とほぼ同じ状況で戦うことは、今後のリーグ戦を占う上で大変に重要な意味を持ちます。相手がJ2降格によって大幅に戦力がダウンし、なおかつ怪我人などでメンバーが揃わない状況ではありますが、もともと大分は札幌にとってあまり相性のよくない相手。というよりかは全体的に九州の試合って割と苦戦する傾向があるように思います。今季から今までのような3クール4クールではなく純粋なホームアンドアウェイ形式という最低限文化的なレギュレーションになったとはいえ、大分が降格し、ギラヴァンツ北九州が新規参入となり、合わせて5つの九州チームがJ2に集合したため、苦手な「九州めぐり」が確定している今季、大分のホームでいい内容で勝利することができれば、少なくとも上位争いをしていけるだけの自信が生まれる、という気がしないでもない。
 そんなわけで、この試合はスカパー!で生中継があったため、おそらくサポーターの注目も高かったと思いますが、結果は2-2の引き分け。結果はともかくとしても、内容的には正直言って去年とあまり変わっていないなぁという印象でしたね。可もなく不可もなし、というよりは可もあり不可もありといった感じでしょうか。収穫は確かにあったんですけどね。近藤が攻撃の軸となれそうなこととか、相手DFの裏への意識が去年より高くなったこととか、岩沼がだいぶ伸びてるようだとか、近藤ってレスリングの伊調姉に似てませんかとか、近藤と藤山ってセクシーコマンドー部だよねとか、それなりに見所はありましたよ。しかしその一方で相変わらず決めなければいけないところで決められないし、内村はもう少しボールを持ったら勝負して欲しかったですね。
 守備面でも簡単に裏を取られてしまうとか、セットプレイで簡単に失点してしまうとか、漢宰の守備はサイドバックのそれじゃないなとか、今日もうっかり二度寝して超やばいとか、その辺は何とかしないといけないですよね。いや二度寝しなければいいんですけど。怪我人は少なくないながらも核となるであろうメンバーの大部分は健在という札幌が引き分けに持ち込むのが精一杯、失点シーン以外でも高原の落ち着いたセーブがなければもっと失点を喫していた可能性もあります。アウェイということを考えても先行きは決して明るいとは言えないというのが正直なところ。
 この一週間でどこまで状態を上向きに持って行けるか、ラストスパートに期待しましょう。

2010年3月10日

最低限

2010年Jリーグディビジョン2第1節
サガン鳥栖 1-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/せいや
     鳥栖/いいお

 いよいよ2010年のJリーグが開幕しました。コンサドーレ札幌は3月7日にベストアメニティスタジアムにてサガン鳥栖とのアウェイ戦となります。どのチームにとっても開幕戦は重要ですけど、J2では例年開幕ダッシュに成功したチームが昇格を勝ち取ることが多いため、昇格を目指すチームにとっての開幕戦はより重要な意味を持ちます。もちろん過去には開幕ダッシュに失敗したチームが最終的に昇格した例がないわけではないですけど、開幕からの数試合の結果がシーズンの行方にも大きな影響を及ぼすことは確か。特に今季からJ2も純粋なホームアンドアウェイ方式となって試合数が大きく減ったため、例年よりリカバーが効きにくくなっています。まぁこちらとしては今までは試合数が多すぎて更新が追っつかなくて、気がついたら3試合前のことを書いてたりしてましたから、試合数が減るのはありがたいんですけど、チームにとっては昇格を狙うのであればなおさら負けるわけにはいきません。もっとも、「開幕ダッシュに成功したから昇格できる」のではなく、単に「最初から最後まで安定した力を発揮したチームが昇格する」わけであり、身も蓋もない言い方をすれば「強いチームはいつだって強い」ってだけなんですけど。
 とはいえ、「スーパーマリオブラザーズ」で景気よくダッシュをかまそうとしてそのまままっすぐクリボーに突っ込んだら一気にやる気がなくなるのと同じように、最初からつまずくのとそうでないのとは天と地ほどの差はありますから、開幕戦の「相手がどこか」というのはけっこう重要だったりします。そういう意味では今年の開幕戦の相手である鳥栖は非常に厄介な相手。昨季のリーグ戦では勝点79で6位の札幌に対して勝点88で5位という結果が示すとおり、実力的には札幌と同等程度以上、今季も島田裕介や高地系治ら主力が退団したものの、モンテディオ山形のJ1昇格の原動力となったFW豊田陽平やFW萬代宏樹、DF木谷公亮といった実力のある選手が加入、大きな戦力ダウンには至っていないようです。どうでもいいけど磯崎や飯尾に加えて萬代・木谷とはずいぶんカニくさいチームになりましたね。
 そんな難敵とのアウェイゲームで開幕を迎えるというのはなかなかに厳しそうな感じの札幌ですが、ご存じの通りDF陣に怪我人が続出しており、箕輪は帰ってきそうになったらまたいなくなっていつ帰ってくるかわからない寅さん状態、吉弘も復帰は早くてゴールデンウィーク頃、趙晟桓もかかとの具合が思わしくなく帰国中と、本職センターバック(ガチムチ系)総倒れの中、センターバックは西嶋弘之と石川直樹という2人がコンビを組むことになりました。左サイドバックは開幕初スタメンとなる岩沼俊介、右サイドバックは李漢宰ではなく芳賀博信、ボランチは上里一将と宮澤裕樹、サイドハーフは左が藤田征也、右が古田寛幸、そして2トップはエースの紀梨乃が右足を痛めて遠征メンバーから外れたため、近藤祐介と内村圭宏がコンビを組みます。ゴールキーパーは高原寿康という布陣。決して万全とは言えないものの、若手中心ながらもそれなりに試合経験を積んできているメンバー。はまれば充分勝負になりそうです。はまればですけど。

 で、やっぱり開始からあまりはまらずに鳥栖の猛攻を受けます。もともと開幕戦は固くなりがちではありますけど、それを差し引いてもまったくボールが繋がらず、クリアするのが精一杯だったり、中途半端なクリアで相手にボールを渡して大爆笑といういつもの光景が見られたりと、ある意味札幌らしくて安心するというかなんというかな立ち上がり。鳥栖は今季から監督に復帰した松本育夫監督らしい…というよりはここ数年のJ2のトレンドとなっている「鬼プレスからのハーフカウンター」が機能。肉弾戦なら札幌の選手もノブリンのもとで割と鍛えられているはずなんですが、それでもはじき飛ばされたりで、若干分が悪い感じ。
 しかしそれでも先制したのは札幌でした。前半21分、高原からのボールを近藤が頭で逸らしたところに藤田征也が走り込み、軽く浮かせたボールはいったんはポストに阻まれますが、跳ね返りをプッシュしてゴール。
 1点取って調子に乗った札幌はその後もサイドを中心に鳥栖ゴールに襲いかかりますが、いつもの通り肝心なところのパスでミスが出てゴールには至らず。この辺も極めて札幌らしいところですが、鳥栖も鳥栖で惜しいシーンは作るものの決定的なところでミスが出て得点できず、前半は札幌リードで終了します。

 後半は早く追いつきたい鳥栖とあわよくば追加点を奪いたい札幌との一進一退の攻防が続きます。お互いボールを失ってもすぐさま守備に入ってボールを奪い返し、めまぐるしく攻守が入れ替わる展開が続きます。こう書くとなんだかすごい試合なんですが、結局のところお互いに厳しいプレッシャーを受けながらもボールをキープできるわけではないので、早くボールを動かそうとする余りにミスが出て相手にボールを渡してしまうというだけなんですけどね。札幌は前がかりになっている鳥栖のDFの裏を突きたいのですが、ボランチのところでボールが収まらず、上里も宮澤もなかなか前を向けないので、裏に抜けるのが得意な内村へいいボールが出ず、あまりらしさは見られず。近藤が思った以上に身体を張れることはわかりましたし、サイドも割と機能してはいただけに、もう少しボールの落ち着きどころがあればそこそこいけそうな気はするのですけどね。
 そんな状況の中で守備も集中力を切らさずによく頑張ってはいたと思うのですが、それだけにあのリスタートからの失点はもったいなかったですね。息をつくヒマがあまりなかったので、プレイが切れた時にふっとエアポケットができてしまった感じで、それを見のがさなかった萬代や金を褒めるべきなのでしょうけど、札幌にとっては悔やまれることでしょう。ただ、勢いに乗る鳥栖のペースに飲まれかけそうになっていたところを引き分けに持ち込めたのは、ロスタイムに出場したゴン中山の存在が大きかったかも知れません。けっこうあれで雰囲気が引き締まりましたしね。

 そんなわけで勝てなかったことは残念ですが、難敵を相手のアウェイ戦で最低限の結果を出したのは悲観することではないでしょう。もっとも、選手たちも言っているようにホーム開幕戦できっちりと勝点3を得なければこの勝点1の価値も薄れてしまいます。スーパーマリオブラザーズでせっかくフラワー取った直後に穴に落ちるのと似ています。今後の試合では、堪忍袋の緒が切れるのはいいですけど集中力を切らすのは避けてもらいたいものですね。

2010年3月16日

少しくらいはカッコをつけて

2010年Jリーグディビジョン2第2節
コンサドーレ札幌 0-3 アビスパ福岡
得点者:札幌/いませんでした
     福岡/丹羽、大久保、永里

 開幕戦のサガン鳥栖とのアウェイゲームで勝点1をゲットした札幌は、長いキャンプを打ち上げ本拠地札幌に帰還し、札幌ドームでホーム開幕戦を迎えます。昨季は3戦して2勝1分のアビスパ福岡。札幌と同様福岡も台所事情は相当に厳しいのか、黒部光昭や久永辰徳といったベテラン選手が退団しながらも、補強と呼べるのはヴェルディから移籍の永里源気くらい。助っ人選手もおらず、J2で11位とクラブワーストの成績に甘んじた昨季からほとんど補強らしい補強ができずに臨んだ2010年シーズンですが、フタを開けてみれば開幕戦で昇格候補の一角であるヴァンフォーレ甲府に3-1という快勝を収め、幸先のいいスタートを切っています。おそらく最大の補強は中払の引退に違いありません。
 ホームの札幌は、開幕戦に欠場した紀梨乃が出場。「ジャクソン5」というよりかは「アーノルド坊や」と言ったほうがふさわしい髪型でホームのサポーターの前に姿を現しました。FWの相方は近藤、前節2トップの一角としてスタメン出場した内村はベンチスタート。その他は前節と同じメンバーで福岡を迎え撃ちます。

 で、試合。用事があってリアルタイムでは見られなかったので、速報を見るかどうか最後まで迷っていたのですが、結局は事前に情報を得ずに録画したものを見ることを選択。結果としては正解でした。たぶん録画見る気が失せていたでしょうからね。中古で買ってきた「かまいたちの夜」のセーブデータを見たら「僕:犯人は/彼女:○○○○(犯人の名前)」とモロに書かれていたのと同じ気分でしょうかね。もっとも、「かまいたちの夜」の場合はミステリ篇のネタバレ食らったところで実際はそれ以降が楽しいんで、もっと正確に言うと古本屋で買ってきた推理小説を読んでたらで登場時に「こいつが犯人」と丸印をつけられてた気分といったほうが正しいでしょうかね。そしてこの試合の場合だと、結果を見てしまった瞬間「負け」は逃れようもない事実なのであり、なおかつ失点シーンを3回も見せられながらもこちらの得点シーンはただの1回も見られないのは確実であり、そんな試合結果では「内容は良かった」などということはほぼあり得ないのであり、そして実際そうだったのであり、残念度としては「犯人を知ってしまった上にトリックもしょぼかった」というレベルだと言えます。
 まぁそんなわけで、結果を知っていたらたぶん完全に見る気を消失していたであろうことで、一応最後までちゃんと見られたことは見られたんですが、だからといって結果が変わるわけではない以上、変わるのはがっかりするタイミングだけの話であって、同じ消失なら「涼宮ハルヒの消失」を見に行ったほうが断然マシだったというのは言うまでもありません。
 にしてもひどい試合でしたね。開始早々にぽんぽんとボールを繋いで古田がシュートに持って行ったまでは良かったんですが、オープニングシュートで勢いに乗ると思ったら福岡の反撃を受けてあっという間に大騒ぎ。中途半端なクリアでやらんでもいいコーナーキックを与え、そのコーナーキックからあっさり失点してしまいます。こうなったらもう札幌はやりたいこともできない世の中になってしまい、攻守にわたってまるでいいところなし。22分には中島のクロスを大久保に余裕を持って頭で押し込まれて2失点目。天空の覇者だった頃の曽田さんがいればまだしも、さすがに190cmのビッグマン相手では分が悪いのはわかりますが、これでかなり状況は不利になってしまいます。早いうちに1点でも返しておきたいというのはわかりますが、ちぐはぐというかディグダグといった感じで、落ち着いてやればいいところで闇雲に突っ込んでいったかと思ったら、一気に行くべきところでもたついて相手の戻りを許して攻めきれず、前半は0-2で終了。
 後半に入って内村を入れ多少は攻撃が回るようにはなったものの、浮き足だったリズムそのものまで変わったわけではなく、カウンターから追加点を許す最悪の展開に。こうなるともう福岡は無理する必要はまったくないわけで、札幌は余裕を持って守る福岡のブロックラインの前でボールを回すだけとなり、結果遠目から蹴った瞬間に大気圏突破ルートとわかるシュートを打たされるか、なんとかゴール前にボールを上げてもシュートミスで自滅かどっちかで、結局ただの1度も福岡のゴールネットを揺らすことができず、「札幌ドームに2万人以上入るととたんに勝てなくなる法則」を覆すことはなりませんでした。

 さて、甲府に勝ったのもフロックではないと思えるくらい福岡の出来が良かったのは確かですけど、それにしても昨季3試合で2勝1分けと1度も負けてない相手に対して、決して落としてはならない試合を落としたのは至極残念というかなんというか。開幕戦ということで緊張があったのかどうかはわかりませんが、もしそうだったとしたらこれはもうサッカー以前にメンタル中心のトレーニングメニューをしていくしかないと思いますよ。
 具体的には、スーパーのタイムサービスで目的のブツをゲットするトレーニングです。つまり、文字通りにタイムサービスのワゴンに群がるおばさまたちとの押し合いへし合いを制し、肉や野菜を勝ち取ることができるか。いったん掴んだブツは是が非でも死守しなければ横からかっさらわれる弱肉強食の世界、その緊張感と修羅場っぷりは国際Aマッチにも匹敵するレベルだと思います。メンタルとともにフィジカルも鍛えられる一石二鳥のトレーニング。言っときますけどカーチャンたちはアントラーズより強いですよ? 文字通り生活かかってますからね。「しまふく寮」の寮生達なら自分たちのおかずを自分たちで安く調達することになるわけですので、コンサドーレの家計的にもメリットありまくりです。

2010年3月23日

風と共に去りぬ

 栃木戦が行われた3月21日は、試合をやってる時間に栃木まで行かずに娘と「プリキュアオールスターズDX2」を見に行く予定を立てていたので、いつもの通りスカパー!の録画予約をかましていたわけなんですが…。日本全国に吹き荒れた強風の影響でうちのスカパー!のアンテナがずれてしまいましてね。前にも書いた気がしますが、うちのアンテナは一応マンションに共聴アンテナがあものの、J2の放送を主に行っているスカイTVの番組が映らないタイプなんですよね。なので個別にアンテナを立てているんですけど、ベランダに直接設置したりするといろいろとうるさいので、アンテナマストをベランダに置くだけの簡易的なものにしてまして。なので先日のように風が語りかけて来やがったりすると、ずれて受信できなくなることが多いんですよ。そしてそのたびにアンテナを直さないといけないんですけど、うちのパターンで便利なのは風が吹いてもアンテナマストそのものがずれてくれるおかげで、アンテナの角度まではずれないのですね。なので今まではマストの位置さえ直せばアンテナそのものの角度は調整せずにすぐに復帰できてたんですが…。今回はどう頑張っても映像が全然受信できません。共聴アンテナに繋げばちゃんと映像が受信できるんでチューナーの不具合でもないっぽいし、念のためアンテナ角度なども調整してみて受信レベルが50前後まで上がるんでアンテナ事態の不具合でもなさそうなんですが、受信レベルが充分あっても映像が出てきません。つーか受信レベルが上がったところでアンテナ思い切りずらしたら、下がるはずの受信レベルがなぜか下がらんし、再度受信レベル最大になった状態で電源を再投入したらやっぱりレベル0に戻ってるし、どうせならレベル5のレールガンだったらよかったのに、なんだかわけが分かりませんの。こちらとら電波を発信するのは得意だけど受信するのはあまり得意じゃないのですよ。どっかの総理大臣じゃあるまいし。もともとデジタル放送はアンテナ調整がシビアでありますが、今までこの手の作業は何度もやってきてあまりそんな苦労はなかったんですけどね。
 そんなわけでもうめんどくさいので当面はマンションの共聴アンテナを直接繋ぐことにしました。前述の通りJ2のライブ中継はスカイTVのJCSAT-4を使う182~185あたりが多いので、JCSAT-3(180~181chあたり)で中継があるまで待たないといけないのですが、見れないよりはマシ、と考えることにします。もっとも、どこまで我慢できるかわかりませんけどね。「見られるけど見ない」ってのと、「見たいけど見られない」ってのは同じようで大きく違いますからね。ただし、「見えそうで見えない」のとは全然違いますし、「見えないものがいつも見える」のはダメだと思います。人として。

 まぁ要するに何が言いたいかというと、そうでなくても遅い試合観戦記がより遅れますということなんですけどね。栃木戦も再放送が今朝でまだ最初のほうしか見てないですし。次のファジアーノ岡山戦も生中継は183chでアウト、181chでの放送予定は試合から4日後の4月1日。とりあえず人より3~4日は遅れて生きようと思います。

2010年3月26日

ようやく初勝利

2010年Jリーグディビジョン2第3節
栃木SC 0-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/内村
     栃木/なし

 開幕2試合で1分1敗と、スタートダッシュどころかいきなりこけた感のある札幌は、今節はアウェイでの栃木SC戦を迎えます。昨季の栃木は8勝13分30敗で18チーム中17位。最下位のファジアーノ岡山とはわずか勝点1差という薄氷のブービーという不本意な成績に終わりましたが、栃木も岡山も参入初年度ということを考えれば致し方ない部分もあるでしょう。J1まで経験しておきながら44試合でわずか5勝しかできなかったチームもあることですし、それに比べればいいほうなんじゃないでしょうか。まぁ何の自慢にもなりゃしませんが。
 それはともかく、出遅れた札幌としてはこの栃木戦から次の岡山、FC岐阜と昨季下位に終わった相手が続く3連戦は何としても3つ勝って強敵である柏レイソルとの試合を迎えたいところだけに、まずはこの栃木戦でどんな形でも勝たなければなりません。昨季3戦3勝と相性のいい相手ながら、栃木も今季はFC岐阜のMF高木和正やサガン鳥栖のFW廣瀬浩二ら実力のある選手が加入。そしてリカルド・ロボというまるで突っ込まれるのを待ってるかのような名前のブラジル人FWを獲得しています。あれですか、やっぱりゴールを決めたら栃木サポーターは「ロボだこれー!?」って叫ぶんですかね。去年とはずいぶん違ったチームになっていると思われますが、それでもここで勝てないようでは昇格を目指すなどとは言えなくなりますから、早くも札幌の真価が試されます。シンカーといえば潮崎です。

 いずれにしても内容はともかくとにかく勝たねばならないこの試合、ノブリンは前節3失点した守備陣のテコ入れをしてきました。まず懸念だったボランチは上里の替わりにこれまで右サイドバックに入っていた芳賀を入れ、空いた右サイドバックにはセンターバックだった西嶋を置きました。そして西嶋の替わりのセンターバックに入ったのはベテラン藤山。攻撃陣では怪我の影響かいまいち精彩を欠いていた古田の替わりに内村を入れてきました。
 とはいえ、どうにもこうにもチーム全体につきまとう「おっかなびっくりさ」は払拭しきれず、試合はどちらかと言えば栃木のペースで進みます。札幌のやり方が決してダメというわけではないのですけど、ボールを奪うまではよくても、そこから攻撃となるといまいち自信なさげと言うか、一言で言ってしまえば「手探り」な感じで、意味のないようなパスも少なくないし、そのパスも弱いので素早く相手陣内に攻め込めず、相手に戻る時間を与えてしまう状態。相手の守備陣形がしっかり整っている場合、そこをこじ開けるには敵をいかに欺くか、というのが重要になってくるわけで、これまで何度も書いているとおり相手の予測の裏を突かなければいけないのですが、見られるのは主に味方を欺くプレイばかり。そりゃまぁ、「敵を欺くにはまず味方から」という言葉もありますけど、欺くにもほどがあるというか、帰りのホームルームでクラスメイトから問題提起されるレベル。
 しかしそんな重い雰囲気を変えたのが、愛媛FCから移籍してきた内村圭宏でした。前半19分、相手のクリアミスを拾った紀梨乃からのパスを受け、フェイントで相手を抜ききらないまま打ったシュートは逆サイドのポストに当たってゴールイン。なんとなくプレイのフォームが西谷に似ている内村の点取り屋らしい移籍後初ゴールで札幌が先制します。
 ひとまず先制点をゲットした札幌はその後多少ボールの回しもスムーズになり、その後も何度かチャンスを作り出します。しかしフィニッシュの精度がよくないのは相変わらずで、前半30分には紀梨乃の折り返しに走り込んだ近藤がシュートを放ちますが、ボールは見事な軌道を描いてゴールから逃げていきゴールならず。前半40分にも内村のクロスに紀梨乃が頭で合わせますが、シュートは惜しくもポストに嫌われゴールならず。ジャストミートとまでは行かずとも、あともう少しボールに深く触れていれば入っていたシュートだっただけに、今後のさらなる爆発に期待したいところですね。主に髪の毛のボリュームの方面で。

 そんなわけで前半は札幌の1点リードで終了し、迎えた後半。試合の流れとしては相変わらずで、さほど危ないシーンは見られないものの、かといってこちらもチャンスこそ作るものの決めきれません。まぁチャンスを作れているだけまだマシという見方も出来ますけど、それにしても征也のプレイに迷いがあるように見えるのが気になりますね。後半30分過ぎには自慢の俊足を飛ばしてDFの裏を突き、GKと1vs1まで持って行ったり、ファーサイドへの飛び込みも何度も見せていたように身体のキレなんかは悪くないみたいですけど、その分だけ判断の遅さというか迷いが際立っているというか。去年もシーズン当初はそんな感じでしたよね。チャンスには絡むけど自分のシュートは入らない、みたいな。北海道が暖かくならないと征也も暖かくならないんでしょうか。
 その後は栃木もいろいろ手を変えてきたものの、守備陣はさほどの破綻を見せることもなく今季初めて無失点におさえました。しかし攻撃陣はやはり最後の詰めを欠いて1点止まり。この辺は何とかしたいところですよね。三浦監督時代は1点でも取れば不思議と点を取られませんでしたけど、いまはそういうサッカーじゃないですし、昨年のセレッソみたいにコンスタントに2~3点取れるような戦力があるわけではないですが、取れる時に取っておかないと…というのは去年も散々見てきたことですからね。
 まぁそんなこんなで内容的にはいろいろと言いたいことがないわけではないですけど、とりあえず1つ勝ったことでひとまず安心と言ったところでしょうか。まぁ安心してると転ぶのが我らがコンサドーレ札幌なんで、その辺気をつけて欲しいところですけどね。

 ところで、栃木サポーターがキックオフ前に歌う「県民の歌」はいいですね。栃木出身ではない松田監督も口ずさんでいるのを見て、小さいことですが「地元密着」のひとつの形を見た気がします。こういう地元色を前面に出すのっていいと思いますよ。そうじゃなかったら「そこの土地にチームがある」意味がまるでないですからね。

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