2010年Jリーグディビジョン2第10節
ロアッソ熊本 0-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いない
熊本/いない
J2リーグも気がつけば早くも10節を迎えました。既にシーズンの1/4を消化したことになるわけですが、スタートダッシュに失敗した札幌は順位を上げるどころか下がっていく一方。試合の集中するゴールデンウィークシリーズは勢いに乗れれば浮上のチャンスだったのですが、その初戦でヴァンフォーレ甲府に大敗を喫してその目論見も残念ながら霧散。調子を取り戻すきっかけすらつかめない低空飛行を続けています。
まぁここまでアレだと「調子を取り戻す」というよりかは今この瞬間が本調子といったほうがいいのかもしれませんけど、とにかくこのままずるずると沈んでしまって早々と目標を失ってしまうと、そうじゃなくてもしょぼい試合を繰り返してるのに、さらにグレートな輪をかけたしょぼっぷりを発揮しかねません。もとより今の戦い振りと成績では昇格を狙うなどとは言えないわけですけど、だからといって「J1である必要はあるんでしょうか? J2じゃダメなんですか?」などと開き直られても困るので、もう少し意地というものを見せてもらいたいわけですよ。
なので第12節のギラヴァンツ北九州戦までを含めたゴールデンウィークシリーズ残り3戦は、是が非でも連勝を…と行きたいところですが、この第10節の相手は難敵・ロアッソ熊本。初顔合わせとなった昨季の対戦成績は札幌の1分2敗と、3試合やって1度も勝てなかったばかりか、トータルで0得点5失点とただの1点も挙げられていません。せいぜい自分で自分のチームのゴールネットを揺らしたことがあるくらいで、さらには第27節ではシュート2本での勝利というJリーグタイ記録をプレゼントしています。
そんな札幌にとっての天敵ではあっても、シーズンの成績では最終順位14位に終わった熊本は、新監督として横浜FCを昇格に導いてしまったことがある高木琢也氏を迎え、さらには大幅な主力の入れ替えを敢行。昨季の最後の対戦となった第43節のスタメンと比べて、この試合でも名を連ねているのは市村篤司、矢野大輔、福王忠世、宇留野純のわずか4人だけ。ほぼ別チームと言っていい顔ぶれとなっています。
対する札幌も惨敗した前節からスタメンをいじってきました。あまり機能しなかった近藤の1トップをあきらめて紀梨乃との2トップとし、右サイドバックには西嶋が復帰。芳賀の1ボランチとする4-1-3-2としてきました。
しかし、多少システムやメンバーをいじった程度ではびくともしないのが今の札幌の暗黒面。立ち上がりにいい形でチャンスを作っていい感じかと思わせておきながら、その後はほぼ一方的な熊本ペースとさせてしまうあたりは伊達にJリーグで数々のどうでもいい記録を打ち立ててきたわけではありません。選手同士の距離が離れてしまってるためセカンドボールはほぼ相手に取られ、得点が欲しくてたまらない紀梨乃が中央に居座ったまま足元にボールを欲しがるので、本来はもっとゴール近くにいるべき近藤がサイドに流れてしまうことになり、ちぐはぐな状態が続きます。頼みの上里の長距離砲も高木監督が何の対策もなしで臨むはずもなく、なかなかシュートを打つスペースや時間を与えてくれません。結局前半のシュートはアディショナルタイムに近藤が打った1本だけという有様。ひょっとして「シュート2本で勝利」をやり返してやろうとしてるのかと思ったりもしましたけど当然そんなはずはありませんね。
後半こそ多少持ち直し、多少チャンスも作れるようになりましたが、そうかといって決定的なチャンスがあったかといわれればそういうわけでもなく、強いて挙げれば後半24分から交代出場したゴン中山が放ったヘディングシュートがサイドネットを揺らしたくらいで、結局札幌が放ったシュートは6本だけ。またしても熊本から点を取ることができませんでした。あれですかね。熊本がまだJFLだった2006年のテストマッチで、ついうっかり8点も取ってしまった(45分x4本)から、その分のツケがまだ効いてるってことなんでしょうかね。困ったもんです。
ところで、この試合の会場は普段熊本がホームスタジアムとしているKKウィングではなく水前寺競技場でした。完成したのが今から50年前となる1960年とたいそう古い競技場で、KKに比べると確かにかなりおんぼろなのですが、交通アクセスはKKウィングよりも断然によいスタジアムです。札幌との絡みでいえばベンチ入りしているゴン中山が3試合連続ハットトリックの世界記録を樹立したときが、ここ水前寺でのアビスパ福岡戦でした。そして次の試合で4試合連続ハットトリックを決めた相手がコンサドーレ札幌だったことはもはや言うまでもないことですが、自分にとっての水前寺の思い出は、2008年の熊本キャンプでの水原三星戦ですね。結局俺が生でノナトを見た最後の試合でした。