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2010年8月19日

世界征服の基礎はまず練馬から

2010年Jリーグディビジョン2第22節
東京ヴェルディ 2-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/内村
     ヴェルディ/菊岡、平本

 前節ようやく後半初勝利を挙げた札幌は、今節はアウェイでの東京ヴェルディ戦。札幌のトップチームにとっては2002年7月28日のFC東京戦以来、ほぼ8年ぶりとなる国立霞ヶ丘競技場での試合です。この試合は「練馬区サンクスマッチ」。そろそろ札幌で暮らした年数を練馬区で暮らした年数が追い越してしまいそうな練馬区民のオレから見ると、普段生活していてヴェルディの存在を意識することは一切ないのですが、国立競技場は練馬駅から大江戸線で30分くらいで行けることもあり、練馬区とのタイアップとして去年から行われています。
 そして今回はこのコンサドーレ札幌が練馬区民サンクスマッチ。練馬区産の夏野菜のプレゼントや、小さな女の子と大きなお友達に大人気な「プリキュア」シリーズから「フレッシュプリキュア!」のメンバー来場など、練馬区にちなんだイベントが行われます。ご存じの方はご存じかと思いますが、練馬にはその「プリキュアシリーズ」や「ワンピース」などを手がける東映アニメーションや、「おじゃる丸」や「遊戯王」などを手がけるスタジオぎゃろっぷなど、大小のアニメ制作会社が数多く存在しており、練馬区の基幹産業のひとつ。「空飛ぶパンツアニメ」として名を馳せた「そらのおとしもの」や、最近では「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」の二期など、よくよく空とパンツに縁のあるアニメを制作しているAICは、うちから歩いてすぐのところにあります。そんな練馬区のライバルは「ガンダム」シリーズのサンライズや「化物語」や「ひだまりスケッチ」シリーズなどを制作するシャフトなどのある杉並区で、両区在住のアニヲタ同士で心底どうでもいい覇権争いを繰り広げていたりいなかったりします。そんなアニメの街・練馬にちなんでのプリキュア登場。練馬区民でありコンサドーレサポーターであり、なおかつアニヲタであるオレは、そんなわけで明治神宮外苑にある国立競技場にやってきたのだ。

 まぁプリキュアが来ると言ってもどのみち着ぐるみなんだろうなぁと思いつつ、ひょっとしたら昔FC東京が「キャプテン翼」の三杉くんでやったような感じのこと(その試合の相手はヴェルディでした)があるかもという希望を持って行ったのですが、実際世の中そんなにうまくできてるはずもなく、思った通りの着ぐるみさんたちだったばかりか、キュアパッションがいません。この試合に来たのが現行シリーズの「ハートキャッチプリキュア!」ではなく1つ前の「フレッシュ」だったのは、たぶん「ハートキャッチ」の着ぐるみは今サンシャインシティにて開催中のプリキュアイベントに行ってるからだと思うんですけど、パッションはどこへ行ってしまったのでしょうか。サンクスマッチのチラシにもピーチ、ベリー、パインの3人しか書かれてなかったので確かに広告に偽りないのですけど、何となく納得がいきません。
 つーか今更ですけどそもそもどうしてプリキュアなんでしょうね。東映がらみなら、一般的な知名度ではおそらくワンピースのほうが圧倒的に上だと思うんですけど。集英社へのロイヤリティも高そうですけどね。ちなみに去年のサンクスマッチ(カターレ富山戦)には「ねぎぼうずのあさたろう」がやってきたそうです。知名度的にもキャラ的にもちょっと微妙な感じですね。普段サッカーを見に来ない女児を狙い撃つ目的なんでしょうか。まぁ、プリキュアを従えて挨拶をする「俺たちのとしろう」こと志村豊志郎練馬区長というのもなかなかにシュールな絵でしたが。

 なんか試合について書くのがどうでもよくなってきましたが、しかたないので書くことにする。

  札幌は前節かわいそうな退場を食らった高木が出場停止。その代わりにスタメンに名を連ねるのはベテラン砂川誠で、それ以外は前節と同じメンバーで臨みます。ヴェルディは一時期の不調を脱し、ここ7試合は負けなし。直近の2試合はヴァンフォーレ甲府と柏レイソルという昇格争いを繰り広げている2チームを連破、特に前節はそれまで無敗を誇っていた柏レイソルに初めて土をつけるなど、勢いに乗っています。
 中断前までは似たような順位にいたのに、方やヴェルディは3位まで勝点6差にまでこぎ着け、方や札幌はついに勝点差が2桁まで開いてしまっている状況。ここいらあたりで踏ん張らないと日付通りの終戦記念日になりかねないため、ここで勝って再びヴェルディをお仲間として迎え入れたいところ。
 しかし、とにかく暑いの一言。札幌でもここのところ30度を超える日も多かったようですが、それでも日が落ちれば過ごしやすくなる北海道と違って、19:30という普段よりも遅いキックオフ時間にもかかわらず、気温は全然下がりません。風もほとんどなく、スタンドで観戦しているだけで汗が止まりません。有明方面でやっていたお祭りの熱気がヒートアイランド現象を起こしているに違いないですね。そんな暑さだけに札幌の選手たちにとってはたいそうつらかろうと思っていたら、前半10分に砂川のスルーパスに抜け出した内村が飛び出してきたGKの上をふわりと浮かせる技ありシュートで先制。
 なんだ、やればできるじゃんと思っていたのも束の間、というか良かったのはここまででした。つまり10分で電池切れ。先制からわずか3分後には高木次男のシュートのこぼれ球を菊岡に決められあっという間に同点に追いつかれると、あとは防戦一方。さすがにヴェルディもこの暑さの中ではあまり無理をしてこなかったとはいえ、止める・蹴るといった基本技術がしっかりしているヴェルディの選手たちはパス回しに翻弄されなかなかボールを奪うことができません。前半あまり攻撃的にいかなかったのは、おそらくこういう暑い中でなるべく体力を温存する作戦もあったと思いますし、当初のプランでは「前半は0-0で」という目論見があったはず。そういう意味では追いつかれたとしても1-1という前半の結果は想定の範囲内だったでしょうし、藤山や石川、高原のファインプレイがなければ1失点どころでは済んでいなかったことを考えると、「1点とっておいて良かった」というのが正直なところだったと思います。

 ただノブリンにとって誤算だったのは、前半だけで思った以上に走らされたこと、そして負傷で石川を前半のみで代えざるを得なかったことでしょうか。前のほうのメンバーははっきり言って誰を代えてもおかしくない感じでしたけど、戦術的な意味合いとしてもプレイ的な意味合いとしても、石川を代える理由は怪我以外にあり得ませんでしたから、おそらく怪我なんだろうとは思っていましたが、石川の交代はかなりチームにとって痛かったと思います。ノブリンは苦肉の策で吉弘を入れて3バックにし、前線には岡本に代えて近藤を入れてきました。とにかく前でまったくボールをキープできない状態でしたからこれも致し方ないところでしょう。しかし開始早々は多少攻め込むシーンも見られたものの、やっぱりそれも最初だけ。時間とともにやっぱりヴェルディにボールを支配されるようになり、絶体絶命のピンチを何度も迎えます。ただヴェルディも決定力に関してはあまり良くはないようで、シュートが全然入りません。実際前節までのチーム得点数は20得点で、札幌(22得点)よりも少ないですし、第13節のファジアーノ岡山戦以降は「9試合連続で1点ずつ」というすごいのかすごくないのかよくわからない記録を続けており、得点力が上がらないのもこのあたりが原因なのかな、と思う次第。
 まぁ札幌にとってはずいぶん助けられたわけで、都合4回目くらいの決定的なシーンを外した時には「もしかしたらうっかり勝てるかも」などと思ったのですが、そうは問屋が下ろしませんでした。後半39分、左サイドを崩されマークがズレ、フリーの吉田にあげられたクロスを平本に押し込まれて逆転を許してしまいました。
 既に追いつく体力すら残っていなかった札幌は、試合終了間際の2度のチャンスもサイドのユース出身コンビが肝心なところでトンチキクロスを上げてしまいジ・エンド。結局90分で放ったシュートは得点に結びついた内村のゴール以外はたったの2本と内容的にも完敗。シュート3本のチームに負けることができるのなんてコンサドーレ札幌くらいしかないですよね。都合10回目の観賞となった「涼宮ハルヒの消失」を朝倉さんが襲ってくる前に切り上げてまで駆けつけた国立は、やっぱり今日も勝てませんでした。

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