最終戦も4-0の大勝で締めくくり、終わりよければすべてよし、というには今季はいろいろありすぎましたけど、最後の最後に砂さんの直接フリーキックゴールというあり得ないものまで見てしまったので、ひとまずはいい気分でシーズンオフを迎えることが…できるかと言えばそういうわけでもなく、ご存じの通り大手スポンサーの契約満了や興行収入の減少などで強化費の大幅削減を余儀なくされる今オフ、アルビレックス新潟へ期限付き移籍中の西大伍は、どうやら鹿島アントラーズに完全移籍が濃厚ですが、名古屋グランパスに同じく期限付き移籍中のダニルソンはレンタル延長が正式決定と、大幅な収入には至らず。大伍の完全移籍によるチーム孝行分がどのくらいの金額かはわかりませんが、多く見積もっても昨季からの強化費マイナス分の補填ができればいいほうでしょうか。札幌としては売れるなら売りたかったんでしょうけど、いくら天下のトヨタをバックに持つ名古屋といえど、昨今の円高の影響では5億円とも7億円とも言われる移籍金(違約金)をポンと出せるほどの余力はなかったのでしょうかね。かといって「契約期間満了までレンタルで凌がれる」というパターンは札幌としては一番避けたいでしょうから、おそらく「札幌と契約を更新した上でレンタル」という川崎フロンターレ時代のフッキみたいな技を使ってるんじゃないかと思います。たぶん。知らんけど。
いずれにしても来季の戦力補強にはあまり大きな期待をかけることは難しそうです。大型補強なんてどだい無茶なのもちろん、現有戦力の引き留めもどうなるかといった状況ですが、ひとまず既にノブリンが来季も引き続き指揮を執ることが決まり、今季の主力選手たちも契約更改が始まり、順調に進んでいるような印象です。ただ気になるのは助っ人選手がどうなるかというところ。既にシーズン途中で趙晟桓が退団、桐乃についても現状どうなるかは不明ですが、19ゴールを挙げた昨季とはうって変わって、今季のゴール数はわずかに2と、インパクトを残したのは髪型だけという結果に終わっています。完治に時間のかかるグロインペイン症候群を患っていることを考えると、推定年俸1500万と札幌にしては高額な年俸もあり来季は微妙な状況といわざるを得ません。
今のJ2は、かつてに比べると各チームの実力差はだいぶ小さくなってきています。もちろん優勝争いをするようなチームは別ですが、中位くらいのチームは最終的にどこが上の順位になってもおかしくはないといった感じです。移籍金制度が撤廃されてから、中堅クラスの選手の移動が活発化されたこともひとつの理由だとは思いますが、参入歴の浅いチームでもそれなりの戦力を整えられるようになっています。ただ札幌がそうであるように、予算規模はおおむね似通っているなら、そうそう派手は補強はできないわけですから、差がつくとすれば助っ人選手次第ということになるでしょう。助っ人について三上強化部長は、「日本人選手でチームの骨格を固めてから足りないところを助っ人で補う」という考えのようですので、2004年のように助っ人なしという編成は考えていないようです。まぁ今年みたいに「助っ人はいたんだけど、気がついたら日本人だけになってました」って可能性もないこともないですが、少なくとも純和風チームで臨むつもりはないような感じ。
とはいえ、助っ人獲得にかけられるお金もたかが知れてますので、既に実績のある選手の獲得は無理目。というわけでまだシーズンが終わる前ですが、4人の外国籍選手を練習に参加させたりしてました。最初はエメルソン選手とクレイトン選手という、どっかで聞いたような名前の2人のブラジル人選手が参加。その後、オヒク選手、アグー選手という2人のナイジェリア人選手が参加しています。各選手とも獲得となるかどうかはわかりませんが、札幌としてもしばらくオモシロ人間分が不足してますので、ナイジェリア人選手には期待したいところですね。でもナイジェリア人だからといってみんながみんなボビー(今は日本人)であるとは限りませんよね。
日本人選手の新戦力も、現在のところ確定しているのは室蘭大谷高校のMF櫛引一紀選手のみ(一応MF三上陽輔もユースからの昇格が決定していますが、彼の場合「現有戦力」の意味合いが強いですから除外)。「補強」という単語の本来の意味において、「補強すべき弱いところはどこですか?」と聞かれれば、「弱くないところがあるとでも言うのかい?」と言わざるを得ないのですが、ひとまず最優先は壊滅状態(主に人数的に)にあるセンターバックの補強でしょうね。ここのポジションに外国籍選手を入れてうまくいったのって日本語ペラペラのブルーノさんくらいでしたから、やはり日本人ということになるでしょう。噂では柏レイソルのDF蔵川洋平や、横浜F・マリノスとの契約が満了となったMF山瀬功治(!)といった名前が挙がっていますが、蔵川はサイドバックが本職ですよね。確かに今の札幌に本職のサイドバックはいませんけど…できる選手は少なくないですし、山瀬は言わずもがなの攻撃的MFで、札幌でも比較的選手が多いポジションですから、どうなんでしょうねぇ。これから年末にかけて騒がしくなってくると思いますが、果たしてどんな選手が来るでしょうか。