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2011年6月15日

そんなの、芳賀さんが許さない

2011年Jリーグディビジョン2第16節
コンサドーレ札幌 0-2 横浜FC
得点者:札幌/いませんでしたね
     横浜FC/西田、魁皇

 前節の大分戦での勝利でなにやら1年以上ぶりの連勝を果たしたという、喜んでいいのか悪いのかわからない札幌は、今節は室蘭でのホームゲーム。室蘭は高校サッカー界でも名が知られており、多くのJリーガーを生み出している室蘭大谷高校がある都市です。道外の方は北海道というと全域的に豪雪・極寒地帯というイメージがあるかもしれませんが、室蘭市をはじめとする胆振地方の沿岸部は比較的温暖で、積雪も少ない地域です。札幌市ではもう雪が積もり始める初冬や、まだ雪が深く残る初春でも室蘭にはサッカーが出来るため、かつては3月~4月または11月~12月の頃のホームとしておなじみのスタジアムでした。札幌ドームが出来てからはこの時期でも札幌でサッカーができるようになったため、日本ハムファイターズと札幌ドームがバッティングしない限りは原則年に一度の開催となっています。札幌ドームを本格的に使用するようになってからの室蘭開催での成績は、12試合で5勝6敗1引き分け。よくはないけど決して悪くもない微妙な感じです。札幌がJリーグ初めての降格チームとなった因縁の場所でもある一方で、上里の直接FKゴールみたいなレアなものも見られる場所でもあります。
 そんな室蘭に集まった観客は7,330人と、7千人超えは昨年大分戦に続いて2年連続。厚別よりたくさん入ってますね。もちろん地元室蘭の人たちだけでなく、札幌からも大勢のサポーターが足を運んでいるのでしょうけど、もともとスタジアム自体がそんなに大きくないこともあって、これくらい入ればほぼ満員御礼とも言える状態。いっぱい来てくれたお客さんのためにいいところを見せて欲しいものでしたが、試合は勝利どころかシュートも公式記録でわずか2本という今季最低記録を更新。ここまで来たらもう史上初の無シュート試合の達成を目指すべきなのではないだろうかと思うほどの攻撃拒絶っぷり。守備は相変わらず頑張ってはいたんですが、2失点とも打った西田とカイオを褒めるしかないくらいの見事なミドルシュートで、いくら河合と山下でも自分の守備範囲外から打たれたら対処しようがないし、ホスンもあれを2つとも止められるくらいなら、今すぐアディダスキャップをかぶってドイツに渡るべきですね。

 まぁそれでも負けは負けなわけで、その要因はいろんなところにあるんですが、結局のところ一番大きかったのはMF芳賀博信の不在でしょうかね。彼の穴を埋めるためにこの試合でノブリンが中盤の底で起用したのは宮澤裕樹と左サイドバックの岩沼俊介の2人。もともとボランチの選手だったとはいえ、プロ加入してから本番でボランチをほとんどやっていない岩沼と、前線での起点役を捨ててまで決して守備が得意というわけではない宮澤を起用しなければいけないほどブルーノさんの守備が危なっかしくてたまらないということなんだと思いますが、ブルーノもアンドレジーニョもためを作るタイプではないため、前線でボールをキープすることもままならず。
 それでも岸野監督のいてまえサッカー(プレス的な意味で)を真っ向から受ける形で、高い位置でボールを奪ってから、岩沼の代わりに左サイドバック入った上原がそのスピードを生かして何本かいいクロスを供給していたのですが、前半の全体的な印象としてはリングの中央で足を止めて殴り合いをしているものの、お互い手打ちで決定打を与えられない感じ。

 だもんで、後半はリスク覚悟で宮澤とブルーノの位置を入れ替えたのですが、もしブルーノの相方が芳賀さんだったら、リスクとしてもまだあそこまで爆発物ではなかったかも知れません。それでもまだかろうじて保たれていた中盤での小競り合いにも劣勢に立たされるようになり、その結果こちらもある程度守備面でのリスク覚悟の上で攻撃のメリットを取ったであろう本職FWの左サイドバック上原についても、攻撃を封じられて守備に終われればリスクのほうが目立ち始めるわけで。こうなるともう札幌はマジ受け専門。攻めとかあり得ない。だいたい「×」の後ろ側に来ます。
 まぁそんな中で2本のミドルを決められたわけですが、前述の通り確かに2本とも見事ではあったものの、もし芳賀さんがいたら打たれる前に止められていたかもしれない、という思いもないわけではないのですよ。どっちかは決められていたかも知れないですが、今の札幌で、しかもこの日だと特に、1点ならまだなんとかなるかもしれないけど2点取られた時点で負け確定ですから、その差は大きいと思います。
 そもそも芳賀さんがいれば岩沼をボランチで使うこともなかったでしょうし、上原も「岡ちゃん時代の左サイドバック黄川田」みたいな扱いをされることもなかったでしょう。まぁたらればの話にはまったく意味はないですし、芳賀さんがいれば勝ってたなんて言えませんけど、こと守備面において彼がどれだけ札幌にとって重要な存在かがよくわかった試合でした。芳賀さんならきっと予約期間が過ぎて入手不可能なレアものフィギュアでも定価で買ってきてくれるに違いありません。

 まぁそんなわけで恒例のチアゴ大作戦もいつものように実らず、ここまでわずか2勝、リーグワースト3位タイの失点数で20チーム中18位にあえぐ横浜FCを相手にホームで完敗。つくづく相手の良さを引き出すことにかけては天才的なチームですね。コンサドーレは。

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