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2011年9月25日

それでも首位は首位

2011年Jリーグディビジョン2第5節
コンサドーレ札幌 4-2 東京ヴェルディ
得点者:札幌/古田、近藤、岡本x2
     ヴェルディ/河野、小林

 前節、なんだかよくわからないまま3-0というスコアで不思議な勝利を上げた札幌は、東京ヴェルディとのホームゲームとなります。東日本大震災の影響で順延となった第5節の代替日程で、この日に行われるのはこの札幌対ヴェルディ戦のみ。首位FC東京に勝点2差まで迫っているコンサドーレ札幌がこの試合に勝つことができれば、首位に立つことができます。もちろん他チームより一試合し消化が多い上での暫定ですが、それでも東京をはじめとした上位チームにプレッシャーをかけることができるだけに、大きな意味を持つことになるに違いありません。たぶん。
 そして自分は17日から札幌に帰省しておりました。仕事の都合で21日には戻らねばならず、本来なば試合は見られなかったのですが、この日は台風15号の影響で首都圏の交通網が大混乱となった日。当然空の便が無事であるはずもなく、当日の朝には早々とスポンサーである日本航空様から「お゛め゛ぇ゛の゛飛゛行゛機゛ね゛ぇ゛がら゛あ゛!」というありがたいメールが来ており(一部捏造)、この日に帰ることをあきらめざるを得ない状況に。まぁ自然現象には逆らえませんので、それならそれでコンサドーレ見に行けるじゃん、ということで家族を引き連れて札幌ドームへ。

 さて、相手の東京ヴェルディは、昨オフ清水エスパルスに移籍した高木三兄弟の長男・俊幸の穴は大きかったのか、(順延ありとはいえ)開幕3連敗でスタートするなど勝ちきれない試合が続きました。さら次男・善朗がオランダリーグ1部のユトレヒトに移籍し、「ヴェルディはもう終わったか」と見られていましたが、そこから5連勝を記録するなどで7位にまで順位を上げています。その原動力はなんといっても爆発的な攻撃力で、第28節終了時点でチームの総得点は51得点。首位FC東京の43得点を凌駕する堂々のトップです。前節は横浜FCを相手に7得点というアホみたいなスコアで勝っており、リーグ2位の守備力を誇…ってんだかてないんだかわかりませんがとにかくリーグで2番目に失点数が少ない札幌でもロースコアに持ち込むのは難しそう。
 となればいかに相手より多く点を取るかですが、札幌は攻撃の中心であるジオゴの怪我が癒えず、ギラヴァンツ北九州戦に引き続き欠場。そればかりか、攻撃の起点になることが割と多い宮澤裕樹も怪我で欠場。北九州戦同様近藤・内村の2トップにサイドハーフが古田と砂川、ボランチ岩沼と河合、4バックは右から高木、山下、櫛引、日高という布陣です。ジオゴと宮澤がいないとなると点をたくさん取るのはちょっと難しそうなメンバーだと思っていたのですが、開始2分にはハーフウェイライン手前当たりで近藤がボールを奪って内村につなぎ、折り返したボールを古田が冷静に決めて早速札幌が先制します。これでずいぶん楽に試合を進められるな、と思ったのも束の間…というか実際はそんなことを思う余裕もなく、そのわずか1分後にはDFラインの裏に抜け出た河野に決められ、あっという間に同点にされてしまいました。
 その後は楽に進められるどころかほぼ一方的なヴェルディペース。札幌も必死にプレスをかけるのですが、ヴェルディの攻撃陣は素早いボール回しでプレスのポイントを絞らせず、ショートパスとドリブルであっという間に局面の数的優位を作り出してしまいます。これは確かに1試合4点も5点も取れる攻撃陣ですよ。札幌は押し込まれて引くに引かざるを得ず、カウンターを狙おうにも深い位置でしかボーーるを取れないため、ボールを奪っても前線に運ぶまでには至らない場面がほとんど。何度も決定的なチャンスを作られますが、ギリギリのところで守って前半は1-1のまま終了。

 やられ放題だった前半の反省を踏まえ、後半ノブリンは「何をやっても攻められるなら攻めさせればええ」とばかりに、ボランチの河合を真ん中に置く3バックに変更。サイドのスペースをある程度捨てても中央突破を食い止める狙いでしょうか。3人で守れればそのぶん中盤で増えたメンバーでボールを奪うチャンスも増えるかもしれません。ペース的には相変わらずヴェルディに分があるものの、札幌も前半よりは落ち着いて守れているようです。
 多少なりとも余裕ができればプレイの成功率も上がるもので、後半15分、右サイドからの日高のロングボールに近藤が抜け出し、GKが出かけたところをうまく左足でループシュート。ボールは美しい軌跡を描きヴェルディゴールに吸い込まれ、札幌が再び勝ち越しに成功します。
 勝ち越してしまえば、今の札幌は腹をくくってしまえばどれだけ攻められても守り切れてしまったりします。つっても以前も書いたとおり、札幌は失点数はリーグで2番目に少ないのに被シュート数はリーグで2番目に多く、たいていの試合で自チームより相手のシュート数が上回っていますので、実際のところイメージで表せば

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 こんな感じなことが多く、そんなに楽な試合運びではないのですけどね。それでもデータの上では1試合で1点取られるか取られないか、というのが札幌の守備力。しかしそれもリーグ最強の攻撃力を持つ東京ヴェルディには通用しなかったようで、後半32分、見事なパス回しから小林に綺麗なシュートを決められ同点に追いつかれてしまいました。
 完全に守る気だったゴールをこじ開けられたことでちょっとイヤな感じの空気が流れましたが、これ以降、ヴェルディも中2日での試合の影響かさすがに疲れが出てきたようで、札幌がカウンターを仕掛ける場面も増えてきました。そして後半43分、イホスンからのロングフィードを交代出場の上原が競り合います。そのこぼれたボールを待ち構えていたのが、魅惑の助っ人ゴール・ポスト選手。ポスト選手の完璧なポストプレイにより落とされたボールを、これまた交代出場の岡本が押し込んで札幌が三度勝ち越し。そしてそのわずか1分後に高い位置で相手からボールを奪った河合からのパスを受けた岡本が再びゴール右隅に決めて突き放しました。
 あれだけボールを支配し、敵ながらあっぱれと思わせるほどの見事なボール回しで堅固といわれることもあるらしい札幌の守備陣を苦労してやっとこ2回こじ開けながら、ロングボール1発とか強引に奪ってカウンターとかシンプルにもほどがある攻撃だけで4点も取られたヴェルディに多少同情しつつも、やっぱり負けるのはイヤなのでアディショナルタイムのホスン劇場に惜しみない拍手を送って札幌の勝ちを見届けることができました。

 さて、今季のホームゲーム観戦は5月のファジアーノ岡山戦に続いて2度目。10年以上もこういうサポーターサイトやっててお恥ずかしい話ですが、実は年に2度ホームゲーム行くのは初めてだったりします(道外開催のホームゲームは除く)。以前も書いたとおり自分のホームゲーム観戦時の勝率は意外に高いのですけど、前回ドームでの試合を見たのは2007年で、ご存じJ2優勝した年であるにもかかわらずその時はベガルタ仙台にさっくり負けてますからイヤな予感はしてたんですけど、勝てて良かったです。

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コメント (2)

この記事のタイトルわM山千春の声で歌った方がよかったでしょうか?

匿名:

いつものことと笑い飛ばすに違いないですね。

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