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2011年10月15日

ユース祭

第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦
コンサドーレ札幌 2-3 水戸ホーリーホック
得点者:札幌/横野(U-18OB)、榊(U-18)
     水戸/誰か x 3

 日本最大のオープントーナメントである天皇杯。今年で91回目という伝統と歴史を持つ権威ある大会ですが、Jリーグが出来て日本のサッカーがプロ中心になるにつれてだんだんと日本サッカー界の実情に合わなくなってきている側面も否定できず、そのつじつまを合わせるためのレギュレーションの変更が頻繁に行われるものの、未だ試行錯誤といった感じでなかなかこれといった解決策が見いだせていないのが実情ではあります。
 まぁどのような形で行われている以上、プロにとっては(建前がどうであれ)昇降格の関係するリーグ戦が最重要なのは動かしがたい事実なわけで、特にこの時期はリーグ戦が佳境となっていますから、「獲れるタイトルは全部獲る」という豪気を体現できるような力のあるチームは別として、優勝争いや昇降格争いに関わっているチームにとっては、どうしても天皇杯に対する優先度は低くなりがちです。逆にリーグ戦では優勝争いから後退してしまい「ひとつくらいはタイトル獲らないとなぁ」というチームとか、「この辺で存在をアピールしとかないとなぁ(主にスポンサー様に向けて)」というチームにとっては、短期集中型のトーナメントは格好の舞台なわけで、プロ相手に一泡吹かせてやろうというアマチュアチームも含めて、そういう意識の差で意外なチームが台頭したりというのも天皇杯の醍醐味のひとつじゃないかと思ったりもするわけです。札幌もリーグ戦でJ2最下位に終わった年にベスト4まで進んだり、かといってその翌年はリーグ戦でもダメだった上に天皇杯でもアマチュアにさっくり負けたりしてましたよね。
 まぁそれはともかく、今季の札幌はどっちかといえば、現在J2で2位につけている札幌は当然前者なのであり、加えてこの翌週からは10日間で4試合を行わなければならず、しかもそのうち昇格争いのライバルであるサガン鳥栖と徳島ヴォルティスとの試合も含まれています。連戦の疲労度などを考えればできれば主力は休ませるべきであり、そしてベストメンバーうんちゃらの規程のあるJリーグと違って天皇杯はJFA主催。であればユース選手を使うのに何も問題はない、というよりかはむしろ積極的に使えってなもんです。
 そしてその辺しっかり空気を読んでくれるノブリン、二種登録させているユース選手5人全員を試合メンバーにいれ、そのうち前貴之、荒野拓馬、奈良竜樹の3人がスタメン、横野純貴、古田寛幸、三上陽輔のユースOBもスタメンに入りました。そして彼らを残したまま残りの2人(榊翔太、小山内貴哉)もキッチリ使い、ピッチ上には8人ものユース現役・OB並び、水戸所属のユースOB鶴野大貴を加えると総勢9人という札幌ユース祭。そんなわけですので、ほぼベストメンバーで臨んできた水戸に負けはしたものの、横野と榊のゴールで一時はリードを奪う展開を見せたのですから、サポーターも心底勝ち負けなんて些末なことだと思ったに違いありません。
 もっとも、この試合に出たOBたちもまだリーグ戦でスタメンを奪い取るまでには至っていないことを見ても、彼らの活躍が即トップチームの明るい未来を保障しているわけではないのですけど、それはそれとしてクラブが昔から地道に進めてきた若年層の強化が実を結びつつあるのもまた事実だと思います。彼らが続々とチームの中心になり、そして彼らを高値で売らずとも済む時代が来ればいいなと思います。

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