2011年Jリーグディビジョン2第31節
コンサドーレ札幌 0-1 サガン鳥栖
得点者:札幌/いない
鳥栖/豊田?
天皇杯を挟んで2週間ぶりのリーグ戦。延期分の未消化試合を含めてもあと10試合しかありません。数字上の可能性はめんどくさいから調べてませんけど、「勝点差が残り試合数以上になると逆転は難しいの法則」に照らし合わせると、前節終了時点で3位サガン鳥栖、4位ジェフユナイテッド市原・千葉の勝点が50ですから、徳島ヴォルティス(勝点49)、栃木SC(勝点43)、7位東京ヴェルディ(勝点41)あたりまでに絞られたと言えるでしょう。そして実際に昇格の権利を得られるのはこのうち3チーム。4チームはトラベルチャンスで「見送り旗」を持たされる運命にあります。
で、状況的には7位ヴェルディと6位の栃木SC(勝点43)はちょっと厳しいと言わざるを得ず、そしてここまで来たら東京が圏外に落ちる可能性はほぼない、つまり当選確実でしょうから、普通に考えりゃ残りの2枠を勝点4の間にひしめく札幌、鳥栖、千葉、徳島の4チームで争うという図式が成り立つわけです。
その3位鳥栖とのホーム厚別での対戦です。
攻撃力、守備力共に抜きんでているわけではないにせよ、得点数(48点)は東京ヴェルディ、東京に次いでリーグ3位、失点数(23失点)も東京、札幌に次いでリーグ3位。負け試合の数も東京に次いで千葉と並ぶ2位タイの6試合。「J2オリジナル10でうんちゃらかんちゃら」と言われなくするための最大のチャンスであり、悲願の昇格にかける思いはおそらくどこよりも強いでしょう。現在J2で一番厄介なチームと言えると思います。鳥栖はこの試合に勝てば得失点差で札幌を上回って2位に浮上します。当然札幌は負ければ3位になり、他会場の試合結果次第では昇格圏外に落ちる可能性もあります。それ以上に前回対戦では負けているだけに、ホームでのこの試合は是が非でも勝ちたいところ。鳥栖は攻撃の要であり、前回対戦でもゴールを決められているキムミヌがケガで欠場。対して札幌は天皇杯で主力を休ませ、現状ほぼベストと呼べるメンバー構成で万全の体制で臨んだんですが…。この大一番で最も活躍したのは、ジオゴさんでもうっちーでも、ましてや豊田でも藤田でもなくて、主審でした。
そうなんだよなー。今季はここまで何がラッキーだったかといえば、「どの試合も存外に審判がまともだった」ことが大きいんですよね。もちろん細かいところでは「?」と思ったりするジャッジもなくはないんですけど、試合全体を通じて見ればストレスを感じることはほとんどなかったんですよね。J2のほかの試合ではけっこうそれ絡みで荒れた試合もあったみたいですから、別にJリーグの審判員の技術が向上したわけではなく、単純に今までは運がよかったということなんでしょうね。基本自分はレフェリーにはきっちりとしたリスペクトを持ちたいと思ってるのですけど、「カードで仕切ろうとする」タイプは、レフェリーとかそれ以前に人としてあんま尊敬できないです。
もっとも、この試合でレフェリーがまともでも勝てたかどうかはまた別の話ですんで、「レフェリーさえまともなら札幌は強いんだゾ!」なんてトンチキなことを言うつもりはまったくない…というか天皇杯を若人に任せてベストメンバー組んでおいてこの試合内容じゃ、もうちょっと気合を入れ直さないとダメですよね。鳥栖がまったく攻めに出てこようとしなかったのでボールを持つ時間は多かったのに、惜しかったシーンといえば前半の純平のシュートと後半の岩沼のクロスを内村が合わせたシーンくらいでしたよね。ジオゴさんが2枚目のイエローで退場(1枚目はしかたないとしても、このシーンはイエローに値するような悪質なプレイには見えなかったのですが…)してからは相手も余裕を持って守られてしまってましたから、得点取れそうな感じがなくなっちゃいましたしね。選手交代で打開しようにも、ああいう展開だとなかなか難しいでしょう。1人でなんとか出来ちゃうような選手がいればまだ話は別ですが、ひみつへいきも相変わらずひみつのままですし。
そんなわけで、結局序盤のPK以外にゴールの生まれないまま試合終了。札幌は厚別での今季初負けとなったわけですが、こちらとしては「意地と意地のぶつかり合い」が見たかったですし、そういう試合が見られれば正直言って勝敗はどっちでもよかったんですよ。そりゃあこの試合は「勝ったほうが昇格デスマッチ」というわけでもなかったですから、そういう試合に比べればまだ入れこみもさほどではなかったかもしれませんけど、そういう滅多になシチュエーションを、ああいうふうにぶちこわされるというのは勘弁願いたいところです。見所と言えば交代で入ってきた「あんにゃろ」ことあんにゃろが、あんにゃろ的なプレイであんにゃろカードをもらったシーンくらいですもんね。
さて、札幌は今季8敗目を喫し順位も逆転。千葉がザスパ草津に負けたため3位には踏み止まれたものの、4位の徳島ヴォルティスに勝点差1にまで迫られてしまいました。いやだわ。早くすりつぶさないと(堀江由衣声で)。
ただまぁ、たとえ1でも上にいることは間違いないんですからね。勝ち続けさえすれば他のチームが札幌を上回ることはできないわけで、まぁそれが難しいのはよくわかってはいるんですけど、少なくとも順位の上では、札幌は決して不利な立場ではないことは確かですからね。まぁジオゴさんの退場に加えて河合主将も累積警告でおやすみゲットだぜ、という緊急事態だったりするんですけど。