2012年ヤマザキナビスコカップ グループB第2節
横浜F・マリノス 1-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/大島、榊
マリノス/松本
はーどっこい(挨拶)
前の試合で清水エスパルスにあと一歩及ばなかった札幌は、今季初めての平日試合、ナビスコカップの横浜F・マリノスとのアウェイ戦に今季初勝利を賭けて臨みました。相手のマリノスも現時点でリーグ戦、カップ戦含めて未勝利で、どちらが先に初勝利をもぎ取るかという対決。こういうのってだいたい引き分けという微妙な結果に終わったりするのがパターンですが、結果は大島と榊のゴールで2得点を挙げた札幌が、マリノスの猛追を1失点で凌ぎ勝利を挙げました。
前節の新潟戦で、「当該試合直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない」というJリーグのベストメンバーの基準を逆手に取り、「まだ2試合しかしてないんだから関係ないじゃろ」とばかりに「スタメン全員を丸ごと入れ替え」という思い切りすぎる大胆起用をしてきましたが、今節も「まだ4試合しかしてないんだから関係ないじゃろ」ということで、やっぱりスタメンを大幅入れ替え。「札幌がやってるんならうちがやっても大丈夫だろ」と思ったかどうかは分かりませんが、マリノスもスタメンを前の試合からほとんど入れ替えてきました。
試合としては割と静かな立ち上がり。マリノスは五輪代表FW齋藤学を中心に、札幌は大島のポストを中心に攻撃を仕掛けますが、両チームとも守備陣が落ち着いて対応し、つばぜり合いといった感じの様相…などと思っていたら、ゴールは意外な形でやってきました。札幌の何でもないクリアボールをバックステップしながら処理しようとしたマリノスDF青山が、芝生に足を取られたか突然転倒。こぼれたボールを素早く拾った大島がそのままドリブルで突き進みます。大島を阻む者はGKしかいない超がつくほどのビッグチャンス到来です。しかしここで「シュート入らないイメージ」が見えてしまうのが札幌サポーターの哀しいところですが、さすがにJ通算94得点のベテランFW、ゴールキーパーむったん六反のタイミングをうまく外す「ちょこざいなチョロシュート」をゴール隅にキッチリ決め、札幌が先制点を得ます。
このゴールでだいぶ気分的な余裕が出た札幌は、その後も反撃に出るマリノスを相手に互角の試合を見せます。「カモメッシ」こと齋藤学から何度も崩されかけますが、奈良&櫛引の未成年センターバックコンビを中心に守備陣が身体を張って守ります。左サイドバックで先発出場した上原が負傷交代するアクシデントはあったものの、今季初先発となったぎーさんことGK高木貴弘も好セーブを連発、未だ健在っぷりをアピールしました。
そして迎えた前半アディショナルタイム、立て続けにコーナーキックを与えるピンチを凌ぐと、すかさず左サイドを駆け上がる日高にパスが通り絶好のカウンターチャンス。そのままドリブルで突破した日高がトップスピードのまま左足で上げた柔らかいクロスは、ちょうどゴールキーパーが出るか出ないか判断を迷う絶妙な位置へ。そこへ飛んで来たのが、「清水町が生んだ偉大なる豆柴」こと榊翔太。こちらもトップスピードのままワンワン言いながら胸でトラップ、浮かせたボールを飛び出してきたゴールキーパーより先に頭で触ると、ボールはゆっくりとネットに吸い込まれます。榊のプロ初ゴールで札幌が突き放しました。
これ以上ない形で前半を終えた札幌ですが、後半になるとドリブルでの仕掛けを多用してきたマリノスに翻弄されるようになります。前半けっこうすっ飛ばしていましたからそれは仕方がないのですが、前半のうちに既に1枚交代カードを使っている札幌としては、バテたからと言ってあまり早くに交代させられないし、あまりにも早く守り用のカードを切ってしまえば、気持ち的に守勢に回ってしまう可能性もあります。試合が始まってしまえば指揮官に出来ることなど限られてはいるのですけど、それでも交代のタイミングや要員によっては試合展開を大きく変えてしまいかねません。失敗したからといって「てへぺろ」では済まないのが辛いところです。
そして後半23分、齋藤学のドリブル突破に何人も引っ張られたところでフリーになった松本翔というジャニーズっぽい名前を持つ選手にゴールを決められ、1点差に。その後も三上に代えて近藤を入れますが、全体的にラインが下がっては近藤も守備に追われることが多く、ラスト30分はほぼ一方的なマリノスペースとなります。それでも札幌は集中力を切らせずリードを守り切り、5分のロスタイムを凌ぎきって今季初勝利。カップ戦で控えメンバー中心とはいえ、大きな自信となる勝利を手に入れました。