というわけで既報通りブラジル人FWの補強が、7月19日に正式に発表されてました。ブラジルのフォス・ド・イグアスより、テレ選手がコンサドーレ札幌に完全移籍で加入。契約期間は7月17日から2013年の1月1日までとなります。
テレ選手は本名をマルシオ・アウベス・ドス・サントス、リオグランデ・ド・スル州ドン・ペドリト出身、1990年2月2日生まれの22歳です。キャリアのスタートは2007年のグアラニーFC。あの名門クラブかと思ったら、まったく別のチームみたいです。サンパウロの全国1部リーグのチームは「Guarani Futebal Clube」で、こちらは「Guaran"y" Futebol Clube」。リオグランデ・ド・スル州リーグ2部のチームです。とってもパチモンくさいチーム名ではありますが、設立は1907年と、強いほう(1911年創立)よりも先に出来たんですね。言うなればこっちが本家ですが、後からできたほうが有名になったという意味では、スプーのオリジナル版としょうこお姉さん版みたいな感じでしょうか。本家より有名といえば、「オーシャンゼリゼ」のあの歌って、もともとはロンドンのウォータールー通りの歌の替え歌なんだそうですね。
さて、そのグアラニーFCですが、2006年に2部で優勝しているので、テレが加入した2007年は州リーグ1部で戦っていたと思われます。2008年にはインテルナシオナル、こちらは一字違いとかそういうのではないれっきとしたポルトアレグレにある全国リーグ1部のインテルナシオナルのようですが、こちらの経歴上ではInternacionalがなく、2008年は(札幌のニュースリリースでインテルナシオナルの次にある)Pelotasの所属となっています。よくわかりませんがインテルナシオナルに移籍した上で、ペロタスにレンタルとかなんでしょうか? この年ペロタスはFGF杯という大会で優勝しているようですが、州リーグにも全国リーグにも参加していなかったようです(翌年から全国リーグ4部と州リーグ2部に参加)。2009年からはリオグランデ・ド・スル州リーグ2部のセラミカへ移籍、2010年の途中から2011年までジュベントゥージ(リオグランデ・ド・スル州1部/全国2部)に所属しているのですが、2011年の途中からはJuventude(B)ってなってますね。Bチームがあるんでしょうか。2012年はリオグランデ・ド・スル州リーグ1部のカノアスへ。いくつかは試合に出たようですが、その後フォス・ド・イグアス(パラナ州リーグ2部)へ移籍、札幌へという流れのようですね。経歴を見る限りではフォス・ド・イグアスに行くまではリオグランデ・ド・スル州から出たことがなかったみたいですけど、今年になってパラナ州まで行ったと思ったら一気に地球の裏側に行くことになったんですね。
まぁそんなわけでまったくの無名選手がやってきたわけですが、「フッキに似ていると言われる」と言うとおり、確かに風貌はフッキ。上記のサイトのプロフィール写真(おそらくジュベントゥージにいた頃)ではそんなにフッキ感はないんですけど、スポォツ報知の記事の写真ではそっくりですね。鍛え上げた肉体もそっくりです。フッキの身体もえらいことになっていました(札幌時代も既にえらいことになってたのに、今はさらにえらいことになってますね)が、テレの場合186cm82kgという体格もあって、サッカー選手というよりはプロレスラー。てかハモンといい、どう見てもサッカー選手に見えない選手ばっかり連れてきましたね。ボール蹴ってるよりファイティングポーズのほうが絵になりそうな。
プレイスタイルについては三上強化部長曰く「ダヴィに似ている」とのこと。まぁつまりは特段テクニカルな選手ではないと。経歴から見てもたぶんそうなんでしょう。ダヴィがそうだったように実績がなくても日本で活躍する場合がないわけではないですし、代理人も日本に向きそうな選手を紹介してきたんでしょうけど、ダヴィの例はほんとに特殊だったと思いますから、ダヴィと同じくらいの活躍を求めるのもまた酷な話でしょう。それでも、ある程度であっても実績を持った選手ではなく極端に実績のない選手を獲ってきたのは、(もちろん今回の補強予算の関係もあるでしょうけど)ある程度来年の契約延長を見据えた補強なのかも知れません。
今の札幌が置かれている状況は、「ダービースタリオン」でいえば、牧場に初期繁殖牝馬しかおらず、資金もそれなりにしかない状態で、最初の産駒でGIに勝てと言われている状態。高額種牡馬を種付けできる資金もないし、そこそこの値段で安定度Bくらいの種牡馬ではGIIIで勝てる馬が出来るか出来ないかくらい。そうなれば、安くても安定度Cの種牡馬で極限のインブリードに賭けるしかないですよね。
正直ギャンブルとしても分が悪いとは思いますが。ダヴィとクライトンが(ほぼ)最初からいた2008年があの成績だったのですからね。仮にテレがダヴィ、ハモンがクライトンと同じくらいに活躍したとしても先が見えてるってことですから、確率が低くてもギャンブルに出るしかないのでしょう。今のところは牧場長の悲しい顔しか見えてきませんが。
まぁひとまずハモンもテレもなんかオモロそうなので、生暖かく見守りたいと思います。