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2012年10月 アーカイブ

2012年10月 2日

札幌は降格しました

2012年Jリーグディビジョン1第27節
川崎フロンターレ 1-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/今日もいません
     川崎/レナト

 そんなわけで2012年9月29日、コンサドーレ札幌のJ2降格が決定しました。

 当初は、この試合の前に行われる大宮アルディージャ対横浜F・マリノス戦で(現在15位の)大宮が勝ち、この川崎戦で札幌が負けた場合にのみ札幌の降格が決定する、ということでした。大宮が勝てば勝点33となり、札幌が負けると残り7試合で札幌が残り試合を全勝したとしても札幌の勝点は31にしかならず、残り全敗しても大宮の勝ち点を上回ることができないためです。そして、大宮が引き分け勝点31止まりとなったため、札幌が負けても数字上はまだ決定ではない、ということだったのですが…。実はそうじゃなかったのですよね。鍵は、「大宮と(17位の)アルビレックス新潟との試合がまだ残されている」ことでした。
 今節、新潟は名古屋グランパスに勝利したことで、勝点を29に伸ばしています。よって、新潟が残り7試合で1勝でも挙げればその勝点は32となり、札幌は新潟を追い抜くことができなくなります。そして、大宮対新潟の試合があるということは、「両チームが残り試合で全敗する」条件は成立しません。この試合でどちらが勝っても買ったほうのチームを上回れなくなりますし、引き分けても大宮の勝点が32となり、やはり上回ることができなくなります。よって、どうあっても15位にはなれないため、降格決定ということですね。
 自分もまったく気づかなかった…というよりはもうこの時点で既に「数字上でのみ存在する可能性」に過ぎず、言ってみれば「街をぶらぶらしてるときに目の前で倒れた老人を助けたら実はその人は世界に名だたる複合企業の会長さんで、えらく気に入れられて後継者になってある日突然超セレブ」とか、「暇つぶしに書いた小説がなぜかヒットしてとんとん拍子でアニメ化もされ原作者特権で声優さんと合コンしてウルトラハッピー」とかみたいな、「そりゃあ可能性はゼロじゃないかもしれないけどドリー夢ちゃんもたいがいにしろよ」レベルの話ですので、実質的にはもうほぼ決まったようなもんですからね。詳しい条件なんて考える気がなかったというのが正直なところ。ま、そんなわけで降格です。史上最速のおまけつきです。いいじゃないですか。9月中に決定なんて、この先破られることなさそうですよ。金字塔ですよ。

 そんなわけでですね、今年札幌はこの史上最速降格と、「Jリーグ最多被シュート数」という二つの記録を更新し、さらに通算降格回数でも4度となり、京都サンガFCと並びタイ記録となりました。そしてこの川崎戦の敗戦で「アウェイ13連敗」となり、J1が18チーム制になってからのアウェイ連敗記録の単独トップにも躍り出ています。そればかりか、このまま行ったら年間最少勝利数タイ記録ですし、さらには年間最少勝点(16)や年間最多失点(82)の更新まで視野に入ってしまっています。まさにぐうの音も出ない弱さ、いわゆる「ぐう弱」です。困ったもんですね。

 まぁこの試合自体はですね。決して悪くはなかったんですよね。川崎の出来もそんなに良くなかったのはあったのですけど、最後までついて行けてましたし、身体も張ってましたし、そうそうやられる感じはしませんでした。なんでこの状況になるまでそれをやらんのじゃいという気もしないでもないですけどね。シーズン最初の頃は出来ていたのに。それだけに、せめて引き分けには持って行けたとは思ったんですけど、この辺はしょうがないですかね。ベンチにレナトを置けるチームと、豆柴しか置けないチームの総合力の差と言ったところでしょうか。
 しかしまぁ、あのシュートはしょうがないと思いますが、高原も長い怪我とリハビリからようやく復帰できたと思ったら降格のピッチに立つことになってしまい、本当に気の毒だと思います。またJ1に上がるのは簡単なことではないと思いますが、それでも彼がピッチに立っている時に昇格を味あわせてあげたいな、と思う次第です。

2012年10月 5日

ノブリン退任

 既に来季のJ2降格が決定しているコンサドーレ札幌は、本日公式サイト上で石崎信弘監督との契約を更新しない旨のリリースを行いました。2009年の監督就任からこれまでの札幌の歴史の中で最も長く指揮を執っていたノブリンですが、それも4シーズンを以て終了となります。

 予算に乏しい札幌において、これまでの多くのチームの指揮を執り、実績を残してきた監督に対して、決して充分と言える報酬を払えていたとは思えませんし、ましてや決して充分と言える戦力を与えられてきたとも思えませんでしたが、それでもその充分ではない戦力を率いて昇格に導いたのは手腕のたまものでしょう。
 しかしJ1に上がった今季はご存じの通りまるで勝てず、史上最速のおまけつきで1年でJ2に逆戻り。もともとJ2でも中位程度だったわけで、そこから戦力を大きく上積みすることも出来なかった時点で、J2降格は最初から覚悟は出来ていたのですけど、ここまでコズミックな弱さを発揮するとは思っていませんでした。やっぱり主力に怪我人が続出したのは痛かったですね。「レギュラークラスがほぼ欠けずに90分フルに戦える」というのがほぼ最低条件であったにもかかわらず、余裕で下回るどころか「レギュラークラスの誰か2~3人以上は常に怪我をしている」状態でしたからねぇ。そんなチームを残留させるなんて、どんな名監督でも裸足で逃げ出すミッションだろうとは思いますが、さすがにこの成績だと続けるわけにもいかなかったのでしょう。既にメディア上では「札幌は街もサポーターも好き。でも来季はもう(監督を)やれない(日刊スポォツ)」というコメントも載っていましたが、その通り今季いっぱいで満了する契約を更新せず、退任ということになりました。

 降格となればおそらく退任となるであろうことは何となくでも覚悟していたとはいえ、好きな監督だっただけにいざ決まると寂しいものがありますね。就任時に「ノブリンでダメならこのチームはどんな監督が来たってダメだ」とまで書いたわけですが、毎年主力を抜かれながらもJ1昇格という大目標を達成したことで、少なくともこのチームがダメじゃないことを証明してくました。ありがとうございます。お疲れさまでした。

 でもね。まったく通用しなかったとはいえ、オレはこのチームでJ1を戦えて幸せでしたよ。もし今年、まかり間違っていきなりデカいスポンサーがついたりとかして、J1に残るために総とっかえとかそれに近いようなチームになって、それで残留できたとしても、そりゃまぁうれしくないことはないでしょうけど、やっぱ複雑だっただろうなぁって。おセンチなんて何の意味もないのはわかってますけど、それでも「2011年のチーム」を好きだったんですよ。彼らがJ1の舞台で戦う姿を見たかったんです。数人のスペシャルな選手の力で昇格したのではなくて、ホントにみんなの力で昇格したわけですから。
 まぁそれが今の結果ってことで、やっぱり色んなものが足りなかったんだなぁと思うわけですけど、具体的に一番足りないのは「お金」だと思いますので、今回の増資でクラブ側が目標の10分の1しか集められなかったことについてはおふざけになるでありませんよ、とはっきり言っておきます。今後もずっとサポーターにタカっていくつもりですか?

2012年10月11日

12年ぶり

2012年Jリーグディビジョン1第28節
浦和レッドダイヤモンズ 1-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/古田 x 2
     浦和/梅崎

 J2降格が決定したコンサドーレ札幌は、今節は優勝争いまっただ中の浦和レッズと対戦。代表クラスの選手がずらりと並ぶ浦和を相手に、助っ人選手を怪我で欠きオール日本人(しかもそのうち2人はルーキー)の布陣でアウェイ戦に挑む札幌の圧倒的不利が予想されましたが、MF古田寛幸が後半2ゴールを奪うと、浦和の猛攻を1失点でしのぎきり、札幌が浦和に競り勝ちました。
 今季4勝目は7試合ぶりの勝利となり、アウェイでは14試合目にして今季の初勝利です。対浦和戦の勝利は2000年9月28日以来12年ぶり、J1に限れば旧Jリーグ時代の1998年4月15日以来14年ぶりとなります。14年前なんてオレがまだハタチだった頃ですね。今でもハタチですけど。ちなみに埼玉スタジアムではユースも含めて初勝利ですかね?
 そんなわけで、札幌サポーターとしてはもちろん「札幌が頑張って勝った」という試合なのですが、浦和側から見るならば、「決めるべき時に決められなかったら負けた」という典型的な試合ですよね。あるいは、「降格が決まって開き直った札幌に対し、ダントツの最下位が相手という『勝って当然』の雰囲気と優勝争いのプレッシャーにとらわれた浦和が足もとを掬われた」という見方も出来るでしょうか。いずれにしても、J1最低の予算規模しかないプロビンチアのコンサドーレ札幌が、J1トップの予算を誇る浦和レッズというビッグクラブを打ち負かすこともあるのがサッカー。まぁ天皇杯だったらよかったんですけどね。
 
 MF宮澤をリベロのポジションに置き、両脇に奈良竜樹と櫛引一紀という道産3バックで臨んだこの試合で結果を残したことで、「シーズン最初から3バックだったらどうだったんだろうか」と一瞬思ったりもしましたが、よく考えれば今季の失点の多くがシステムなんて関係ないセットプレイ絡みだったことに気づきました。加えて、前半にもDF同士の連携ミスからマルシオ・リシャルデスに決定的な形を許してしまったのをはじめ、決められていてもおかしくないシーンが前半だけでも他に2回はありましたし。相手に押し込まれて両翼の前くんとしゅんぴーが下がって5バックになる時間帯が多いのは織り込み済みではあったでしょうけど、さすがにそこからだとボールを奪ってカウンターというのは、正直なところよっぽどスーパーな選手が前にいない限りは確率は低いですよね。この試合では主導権を持ったときにうまく古田が決めてくれましたが、この形でうまく得点に結びつける「必殺パターン」を編み出すのは(少なくとも今のメンバーでは)難しいでしょうから、結局のところ大勢はあまり変わらなかったと思います。
 そんな感じで、試合内容としては正直なところ、「6~7試合やって1試合くらい勝てる」というのの、1回が最初にやってきたという感じ。とはいえ、それでも勝ったのは足が攣るまで走り回り続けた河合主将をはじめとしたチーム全員の踏ん張りというか意地があったからなのは間違いないでしょう。残りのシーズン、もう少し楽しめそうです。

 それにしても古田の1点目は素晴らしいゴールでしたね。河合主将からのパスをトラップ1発で相手の裏をかいてそのまま間髪入れずに、本来利き足とは逆の右でゴールの左隅に叩き込んだ一連のプレイのキレは、声優でいえば神谷浩史さんの突っ込みくらいはありましたね。まさに「ゴラッソ」なゴール。2点目もキーパーと相手DFの動きを両方見て冷静にかわして流し込んだのも素晴らしかったと思います。録画で両方のシーンを見た時、オレの頭の中ではなぜか「なんでも鑑定団」の金額パネルが頭の中をグルグルしたのは気のせいだったのでしょうか。

 ところでその2点目の時、古田にボールを奪われた槙野、ゴール決められるまでその場に座りっぱなしだったのは、相手チームのことながらどうなんでしょうかね。あれ。すぐ立って古田を追えば、間に合わないまでも相手にプレッシャーをかけることはできた(相手のミスを誘うことくらいはできた)んじゃないかと思うんですよ。いちサッカーファンとして、少し残念なプレイでした。

2012年10月25日

鹿めっつら

2012年Jリーグディビジョン1第29節
コンサドーレ札幌 0-0 鹿島アントラーズ
得点者:札幌/
     鹿島/

 代表戦の関係でJ1は一週お休み。というわけで既に試合の時くらいしか更新されなくなった(試合があっても更新しない場合もないこともない)このサイトも当たり前のように更新間隔が開いたわけですが、気にしてはいけません。更新したつもりでいました。
 ってなわけで、気を取り直してJ1再開。「さいかい」と打って普通に「最下位」が先に出てくる悲しみを堪えつつ、厚別最終戦を迎えます。相手は鹿島アントラーズ。今季鹿島とはナビスコカップとリーグ戦で既に2度対戦しておりますが、ナビスコカップ(第3節)では1-2とスコア的には惜敗ながらも、鹿島に35本ものシュートを浴びてJリーグ新記録の担い手となり、リーグ戦(第12節)では0-7という大虐殺を喰らったのは記憶に新しいというか、忘れたいのに忘れられないあの試合。0-4程度なら見慣れた光景でしたけど、0-6あたりになってくるとまさに「もうやめて! コンサドーレのライフはゼロよ!」という趣で、もうそろそろ勘弁してあげたらどうかな? という意味では昨今のまいんちゃんにも通じるものがあった試合でした。

 早々に降格が決定したものの、その分札幌はいつまでも「数字上の可能性」に引きずられることなく一足早く来季への準備ができるわけで、この試合も思い切った布陣で臨みました。前節同様基本布陣は3バックですが、この試合は奈良が前節通算4枚目のイエローカードを受けて出場停止。のため、その代わりに今季初めて河合主将がDFラインに入りました。河合がDFに入ったことで空いた中盤には復帰したばかりの芳賀が入り、1トップには大島秀夫が入りました。
 対する鹿島は現在13位。勝点は38ありますので、例年通りであればおそらくあと1つ2つ勝てれば降格することはないはずなのですが、下のチームがここ最近は案外に負けていないことから、残留のハードルはもう少し上がる可能性もあり、まだまだ予断を許さない状況です。既に弱さの殿堂入りが確定しているコンサドーレを相手に負けることはもちろん、引き分けすら許されない試合でした。

 しかし、9月は異常なほど暑かった札幌も10月に入ったらそんなことはなかったかのようにいつもの通りの季節を取り戻したらしく、この試合の前日には市内にある手稲山で初冠雪を記録するなど、急速に冬の到来が近づいてきています。そろそろ雪虫も飛び始める頃合いの札幌で、16:00キックオフというのはそうでなくても寒いのに、しかも場所は風の強い厚別。そして天気は雨。某ラノベ風に言うなら「誰かが商売繁盛の判じ物を気象を変える呪文と勘違いしたんじゃないだろうな」という感じに微妙に暑い日が続く関東地方からやってきた西大伍以外の鹿島の選手には異世界にも思えたことでしょう。ちなみに、雪虫というのは内地の人にはあまりなじみがないと思いますが、「トドノネオオワタムシ」というアブラムシ科の羽虫の俗称で、身体に綿のような白い分泌物を纏っているのが特徴です。その分泌物が雪のように見えること、また晩秋から初冬に大量に発生し、それから数週間後くらいに初雪が観測されることから「雪虫」と呼ばれているのです。
 見てる分にはふわふわとロマンチックなのですが、飛んでる高さがちょうど人の目線くらいのところなので、中を突っ切ると大量に身体にくっつきます(口の中に入ることもある)。しかも大変に熱に弱いそうで、服についた雪虫を取ろうと(つぶさないようにそっと)指でつまんだだけでも、人の体温で死んでしまったりします。そうでなくてもオスの寿命は一週間、メスも卵を生んだら死んでしまう、とてもはかない虫です。J1に上がっただけで死んでしまったコンサドーレ札幌のようですね!
 加えて、9月の猛暑で厚別の芝もかなり痛んでおり、雨が降ってぬかるんでいたこともあって、ピッチコンディションもかなり悪かったもようで、この辺のコンディションが7点分の差を埋めたのかも知れません。

 とはいえ、札幌に得点の気配がほとんどなかったのに対し、それでも鹿島は惜しいチャンスが何度もあり、0-0で終わらせられたのはひとえにGK高原寿康のおかげであるといっても過言ではないでしょう。特に前半の意味不明なペナルティキックを止めたのは大きかったと思います。後半にもビッグセーブがいくつもありましたし、いい飛び出しでピンチを未然に防いだシーンもありました。ボールが行ってもこっちがドキドキしないキーパーっていいものですね。もちろん獅子奮迅の活躍を見せた河合主将や、ちょっと厳しい退場ではあったものの鹿島のFW相手に競り負けなかったクッシー、トドのようなディフェンスを繰り出してた宮澤ら守備陣の頑張りがあってこそではありますが。
 反面、攻撃についてはやはりというかあまり見るべきところはなし。浦和戦で大活躍だった古田もこの日はプレイの選択肢が常にダメなほうを選んでしまい、不完全燃焼な感じ。大島も雨が降って錆びたのか持ち味を発揮できず、ヤスも調子は良くなさそうでしたね。クッシーが退場しなければハモンを入れるという手もあったのでしょうけど、あの状況じゃしかたないと思います。テレも何しに出てきたかわかりませんでしたね。やっぱり来年に向けて考えないといけないのは「どうやってボールを前に運ぶか」ということでしょうかね。簡単にできれば苦労しませんけど。

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